映画007に登場するウォッカマティーニ。特徴と魅力を解説

2019.04.01

「マティーニ」と口にするだけで少しムーディな気分に浸れるこのカクテルは、長い間世界中の大人たちを魅了してきました。そして全ての男性が憧れ、全ての女性を魅了する”あの男”もまた、マティーニに魅了された1人です。本稿ではそんな大人たちを魅了してやまない『ウォッカマティーニ』について詳しく解説していきます。ここからはしばし大人の時間です。

ウォッカマティーニとは

マティーニは、数あるカクテルの中でも『カクテルの王様』と呼称される、格式高いカクテルです。王様の名にふさわしく、その味わいは威厳たっぷりの辛口。レモンピールの適度な酸味と苦み、そしてキレの良い味わいは長い間、全世界のバーで親しまれてきました。

一般的なベースは世界4大スピリッツの1つ『ジン』ですが、もちろん果てしなくひろいカクテルの世界には例外が存在します。その1つが「ウォッカマティーニ」です。

名前の通りベースをジンと同じ4大スピリッツの1つ『ウォッカ』に置き換えたその味わいはどのようなものなのでしょうか。ここからはそんな「カクテルの亜王」とも呼ぶべきウォッカマティーニについて詳しく解説していきます。

一般的なマティーニはジンを使う

前述にもある通り一般的なマティーニはベースにジンを使用します。ジン特有のハーブ系の香りもさることながら、30度以上にもなる高いアルコール度数をもつ、刺激的な味わいが特徴のカクテルです。

その刺激的な味わいと作り方の難しさから「作り手を試し、飲み手を試す」まさに王様のごとく君臨する至高の存在といえます。また興味本位で頼んでしまっても飲み残す人が多いため、”通”に見えない人には「本当にいいのか?」と確認を取るバーテンダーもいるようです。

ウォッカマティーニの度数と味

カクテルの亜王とも呼べるウォッカマティーニ。その味わいは通常のジンベースに比べると、幾分クセがなく飲みやすくなっています。これは、ウォッカがジンに比べてクセが少なく、無機質な味わいであるためです。

しかしこれはあくまで『マティーニと比べれば』飲みやすいということであって、通常のマティーニ同様、辛口で敷居の高いカクテルであることに変わりはないでしょう。甘くて飲みやすいカクテルが好きという人が頼むと痛い目をみるかもしれません。

007のジェームズ・ボンドが愛するカクテル

数多くの大人たちに愛されるウォッカマティーニ。言わずと知れた人気スパイ小説とそれを原作とした映画の主人公、イギリス諜報機関MI6の諜報員『ジェームズボンド』もウォッカマティーニに魅了された大人の1人です。

しかしミスターハードボイルドな彼がこよなく愛するカクテルは、作り方に一手間加えた通常とは違うもののようです。果たして『ボンドマティーニ』はどのようなものなのか。ここからはそんな魅力と謎が溢れるスパイオリジナルカクテルについて紹介します。

ボンド・マティーニの特徴

作中でのジェームズボンドの名セリフの1つである「マティーニを、ステアはせずにシェイクで頼む」は映画第1作目から最新作に至るまで必ず使用されています。意味はわからずともなんともいえないムーディなセリフです。

このセリフに登場する「シェイク」と「ステア」はカクテルを作る際の技法を指しています。詳しくは後述しますが、ボンドは通常のマティーニ系のカクテルを作る際に用いるステアではなく敢えてシェイクでと指定しているのが大きな特徴です。

シェイクとステアとの違いは?

ここで前述したカクテルを作る際の技法であるシェイクとステアの違いについて解説します。シェイクとは、バーに行ったことがない人でも観たことがある、銀色の入れ物をシャカシャカする”アレ”です。

シェイクにはもちろんお酒を混ぜ合わせるという目的の他にも、氷を溶かしながら振ってカクテルを冷やすと同時に、空気と混ぜ合わせることで味わいを丸く飲みやすくする目的があります。

ステアは容器に混ぜるものと氷を入れて細長いマドラーで「氷を溶かすぎないようにしながら、意図的に少しずつ必要な分だけ氷を溶かす」という非常に難しい技法で、シェイクよりもバーテンダーの腕前が試されると言われています。

通常はこちらの技法で作られるマティーニですが、ボンドはあえてシェイクにすることで、ふんわりとした味わいを楽しむのがお好みなのでしょう。

ウォッカマティーニの基本の作り方

ウォッカマティーニの作り方は非常にシンプルです。

  1. ウォッカ45mlに対しドライベルモットを15mlを入れます。
  2. これをミキシンググラスに入れ、ステアしてカクテルグラスに注ぎます。
  3. レモンピールを絞り、最後にマティーニの象徴とも言えるピンに刺したオリーブを飾って完成です。

材料も工程も少なく簡単に感じると思います。しかし前述した通りマティーニにはバーテンダーの腕前が試される『ステア』の工程があるため、非常にシビアな手さばきが要求されます。

本当においしいマティーニを飲みたいなら、格式高いバーにいって頼んでみることをおすすめします。

無数に存在するマティーニのレシピ

ここまで紹介した他にもマティーニというカクテルには様々な種類が存在します。まさにカクテルの王族たち『カクテルロイヤルファミリー』ともいえるマティーニの派生形は、それぞれに非常に強い個性があります。

ここからはそんな数あるマティーニの中から代表的なものをいくつかピックアップして紹介していきます。

代表的なマティーニ

マティーニといっても名の知れたマティーニは非常にたくさんあります。ここまで紹介してきた『マティーニ、ウォッカマティーニ、ボンドマティーニ』のほかに、材料自体が違うものもあれば、作り方に工夫があるものもあります。

やはり店それぞれの個性を見つけてみるのも良いですが、ここからは数ある中でも特に耳にしやすい3種類のマティーニについて解説します。

ドライマティーニ

通常のマティーニよりもベースであるジンの比率が高く、辛口かつ非常に強いアルコール度数になるためお酒に弱い人にはおすすめできません。

また、一度に多量を飲んでしまうとジンとベルモットのアルコール臭が鼻に強く抜け、不快な味わいに感じてしまうこともあります。「出されたカクテルを、冷たいうちに、急ぎ過ぎず飲む」ことを要求される、まさに飲み手を試すカクテルといえるでしょう。

ダーティマティーニ

通常のマティーニと違いジンにオリーブジュースを加え、ステアではなくシェイクした後にオリーブを飾るマティーニです。

度数も40度近くなるため飲み口はより鋭く辛口ですが、通常のマティーニよりも水っぽくなるため喉の通りは軽快です。オリーブのクセが非常に前に出やすいためオリーブの味が苦手な人にはおすすめできません。

スウィートマティーニ

ドライマティーニのドライベルモットをスウィートベルモットに変えたもので、辛口揃いのマティーニ系の中では甘さが残るカクテルになります。

色味もブラウンになりスウィートベルモットの甘みがわかりやすく味わえますが、度数は32度と強めのため「お酒には強いが辛口が苦手」という人におすすめです。なおマティーニが誕生した1910年当初はこのスウィートマティーニが主流であったようです。

入ってるオリーブは食べるの?

マティーニには必ずオリーブの実が入っています。これは果たして飾りなのか、食べてもよいものなのか、これを知らずにマティーニを頼んで恥ずかしい思いをするわけにはいきません。

ここからはマティーニのオリーブについて詳しく解説します。

オリーブを入れる理由

マティーニにオリーブを入れる理由は、一目で『辛口である』であるということがわかるためとされています。

パーティなどでウェイターが運んできたカクテルのうち、どのカクテルが辛口なのかというものが聞かずにわかるようにするために入れたのが始まりというのが通説です。より辛いものにはパールオニオン、甘いものにはチェリーを浮かべるようです。

オリーブは食べてOK!食べるタイミングは?

さて、肝心の食べてもよいかどうかですが、結論からいうと「中に入っているオリーブを食べても問題ありません」。食べたらマナー違反ということもなく、逆に食べなかったとしても失礼には当たらないとされています。

オリーブを食べるタイミングについても、マナーや決まりはありません。最初にかじればよりオリーブの風味を楽しみながらカクテルを楽しむことができ、途中に食べればテイストチェンジ。最後に食べれば口直しと三者三様それぞれに個性がある味わい方ができます。

ぜひ自分なりのベストタイミングを見つけてくださいね。

ウォッカマティーニで007気分

映画007でジェームス・ボンドが愛飲するこだわりのカクテル『ウォッカマティーニ』。一度プロの作るウォッカマティーニを実際に飲むことでハードボイルドな映画の中の世界を味わってみてはいかがでしょうか。そうすることでスパイさながらの駆け引きの強さと大人の色気が身につくかも知れません。

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