バイク乗りが知っておきたいチェーンの基本。取り扱いをマスターする

2019.03.25

バイクのパーツで重要なものと言えば、チェーンではないでしょうか。チェーンのコンディションの良し悪しは、走行に大きく関わります。バイクで快適に走行するために、チェーンについての基本的な取り扱い方を知っておきましょう。

まずは知っておきたいチェーンの基本

バイクのドライブチェーンは、走行するために大事な役割を持っています。最初に、バイクのチェーンについて知っておきたい基本知識を紹介します。

ドライブチェーンの役割

ドライブチェーンとは、エンジンから後輪に動きを伝える役割を持つパーツです。

エンジン部分に取り付けられた『ドライブスプロケット』と呼ばれる歯車と後輪の間に掛けるだけで取り付けられるという利便性も、ドライブチェーンの特徴です。

チェーンのサイズの見方

バイクで使うチェーンは、すべてのバイクに同じものを使えるわけではありません。それぞれのバイクの車種によりサイズが定められており、そのサイズに適したサイズのチェーンを選ぶ必要があります。

チェーンのサイズは、バイクチェーン適合表で車種と照らし合わせて確認する方法があります。その他にも、チェーンを見てみると『520』や『525』のような数字が確認できるはずです。

この数字は、最初の1桁がチェーンピッチ、残り2桁がチェーンの内幅を意味しており、メーカーや車種に関係なく統一されています。

チェーンは主に2種類ある

バイクチェーンは、主に2つの種類があります。1つは、『スタンドチェーン』です。安価で購入できるため、費用を抑えたいという人に適していますが、強度と耐久性が劣る欠点があります。

強度と耐久性の高いチェーンを選びたいのであれば、もう1つのスタンドチェーンよりも強度と耐久性が高い『ヘビーデューティチェーン』を選びましょう。

そして、ヘビーデューティチェーンには特徴と性能によってさらに2種類に分かれます。

シールチェーンとノンシールチェーンとは?

上記のヘビーデューティチェーンには、『シールチェーン』と『ノンシールチェーン』の2種類があります。この2種類のチェーンの違いとメリット・デメリットを、詳しく解説します。

グリスありのシールチェーン

シールチェーンとは、チェーンの1つ1つのコマの軸であるピンと、ピンを支えているブシュの間に専用のグリスを注入し、ゴム製のシールで密閉して栓をしたタイプのチェーンです。

250cc以上のバイクであれば一般的なタイプのチェーンとなっており、交換の目安は約2万km前後です。

グリスなしのノンシールチェーン

シールチェーンに対し、ノンシールチェーンはその名の通り、シールがないチェーンを指します。シールチェーンよりも耐久性が低いため、交換の目安はシールチェーンより短く、約5000kmです。

ノンシールチェーンは、250cc以下のバイクで用いられることが多いチェーンです。

それぞれのメリット・デメリット

バイクを走らせるたびに、ピンとブシュは摩擦しますが、シールチェーンはグリスを注入することにより摩擦を減らし、強度と耐久性をアップさせています。そのため、ノンシールチェーンよりもはるかに寿命が長いチェーンです。

さらに、シールでグリス注入部を密閉しているため、グリスの効果を長期間持続させられるのが、シールチェーンの大きなメリットです。

しかし、シールチェーンはシールの分だけ重くなる、ノンシールチェーンよりも高価というデメリットがあります。

これに対し、ノンシールチェーンはシールがない分軽量で、価格も安価です。しかし、先述のように寿命が短く、こまめなメンテナンスを行ったとしてもシールチェーンより長持ちしない点がデメリットです。

チェーン選びのポイント

チェーンは、すべての種類が利用できるものではなく、車種や排気量によってチェーンの選び方が異なってきます。

バイクに合わないチェーンは、その性能を十分に引き出せなくなってしまうため、適切なチェーンを選ぶのが大切です。

排気量にあったチェーンを装着する

シールチェーンは、排気量によってチェーングレードが異なります。

それぞれのバイクの排気量に適したチェーンを選ばないと、バイクの性能を十分に引き出せないこともあります。バイクに適したチェーン選びがマシン性能を適切に引き出すポイントと言えるでしょう。

まず、チェーンを選ぶときはバイクの排気量を知る必要があります。チェーンには『適合排気量』が表示されているので、必ず確認しましょう。

チェーン交換の方法

チェーンは消耗品です。適切な時期に交換をしておかないと、最悪の場合チェーンが切れ、大事故につながる恐れもあります。命に関わるような事故を防ぐためにも、チェーンの交換時期の見極め方を知っておきましょう。

チェーンに傷や割れ、サビが見られる場合、または不自然に曲がっていたり、固まっていたりするような様子が見られる場合は、チェーンの交換が必要なタイミングと言えます。

チェーンの交換手順は、最初に古いチェーンを切断して外します。グラインダーもしくは金やすりでピンの頭を削り、チェーンカッターでピンを外すと、チェーンを取り外せます。

続いて、新しいチェーンの取り付けにかかります。一度に古いチェーンを外す前に、新しいチェーンをまず仮止めをしてから丁寧に回しながら取り付けます。そして、チェーンの長さを調整します。

新しいチェーンがきちんと巻かれたら、チェーンカッターでチェーン付属のピンを圧入します。バイクの走行中にピンが外れるのを防ぐため、チェーンカッターでかしめて、きちんとチェーンを固定させるのがポイントです。

以上のピンをかしめて固定させる『カシメ式』は、チェーンカッターなどの専用工具が必要です。しかし、『クリップ式』のチェーンなら、工具不要でチェーン取り付けが可能です。

クリップ式のチェーンは、プライヤーでピンを外せます。ピンを外した後は、カシメ式と同様に長さ調整を行い、必要であればチェーンをカットします。最後に、再びプライヤーでピンを押し込みます。

カシメ式、クリップ式いずれの場合も最後にチェーンの張りを調整します。このとき、上下に3cmほどの振れ幅が目安となります。アクスルシャフト、チェーンアジャスターを締めてからロックし、チェーン交換が完了です。

主なチェーンメーカー

バイクのチェーンはさまざまなメーカーから販売されていますが、中でも主なメーカーが以下となります。

  • D.I.D(大同工業) バイクや自動車に限らず、産業機械用のチェーンを製造する「大同工業株式会社」は、「D.I.D」ブランドとしてバイクチェーンの製造を行っています。
  • アールケー・ジャパン 日本をはじめ、世界中にチェーンを販売する、60年を超える歴史を持つ日本の老舗チェーンメーカーです。強度と軽量化を備えたチェーンは、中型から大型バイクまでに対応しています。
  • 江沼チェーン製作所 有名バイクメーカーに純正採用されているチェーンを製造しているメーカーで、こちらも70年以上もの歴史を持つ老舗です。

チェーンはメンテナンスが必須

チェーンは一度使い始めたらずっと使えるものではなく、しっかりとメンテナンスが必要なものです。

メンテナンスをせずに使い続けると、乗り心地などに影響するばかりではなく、大きな事故につながる可能性もあるため、メンテナンスはきちんと行っておきましょう。

消耗したチェーンは危険

チェーンは、消耗品です。そのため、一度取り付けたチェーンは何もせずにそのまま使い続けられるわけではありません。チェーンは摩耗・劣化していくため、使い続けているとチェーンの脱落や切損による事故を招く恐れがあります。

経年劣化や走行距離によって劣化が出てくるため、マメにメンテナンスを行っていたとしても、定期的に交換する必要が出てきます。

走行中の思わぬ事故を防ぐためにも、チェーンのチェックは重要です。

サビ対策も必須

バイクのチェーンはその見た目からも分かるように、金属が使用されています。

屋外を走行するバイクは、チェーンも含めて雨に当たることも多く、洗車後に付着した水を拭き取る機会も少ないでしょう。このように、水分を放置しておくと、サビが付く原因となってしまいます。

なるべくバイクのチェーンをサビから守るためには、バイクを雨ざらしにならない場所に保管するなど、水分が付着しやすい場所に放置しないことが基本です。

また、雨水や泥水が付着したままにしておくことは、サビつきの大きな原因です。雨天時やオフロードの走行後は、チェーンのメンテナンスを行いましょう。

特に雨天時やオフロードを走行していないとしても、定期的なメンテナンスを行なうと、サビを予防できます。目安として、1000km走行ごとのメンテナンスが推奨されています。

主なメンテナンスアイテム

チェーンのサビつきや劣化を防ぐためのメンテナンスアイテムとして、以下のものを用意しておくとスムーズです。

  • チェーンクリーナー バイクチェーン専用の洗浄剤です。こちらをチェーンに吹きかけて、汚れを落とします。防サビ剤が含まれているタイプもあるので、サビが気になる人におすすめです。
  • チェーンルーブ バイクのチェーンの動きをスムーズにするために差すオイルです。普通に走行していても、チェーンのオイルはなくなっていきます。メンテナンス時にこちらのチェーンルーブを差しておけば、チェーンの劣化を防げます。
  • チェーンブラシ、ワイヤーブラシ チェーンをこすりやすい形状になっているのが特徴の、チェーンの洗浄に使うナイロン製の専用ブラシです。チェーンクリーナーをチェーンに吹き付けた後、なかなか落ちない汚れをチェーンブラシでこすりながら落とします。

その他にも真鍮ブラシのようなワイヤーブラシは、チェーン側面の汚れ落としに便利です。しかし、チェーンを傷めやすいため力を入れすぎると傷がつく点に注意が必要でしょう。

定期的なメンテナンス項目

バイクチェーンのおおよそのメンテナンスのサイクルは、先述のように走行距離から把握することができます。しかし、走行時の環境や状況により、目安よりも早いタイミングでメンテナンスが必要となることもあり得ます。

そこで、どのようなタイミングでどんな方法でチェーンのメンテナンスを行うのか、詳しく見ていきましょう。

チェーンオイルの潤滑性チェック

こちらも先ほど紹介したように、チェーンオイルは走行距離が増えるほど流失してしまいます。チェーンをスムーズに動かすためのオイルが減ると潤滑不足になり、チェーンの抵抗が増えることから、燃費が悪くなることがあります。

チェーンの潤滑性をチェックするには、チェーンのパーツである「Oリング」をチェックしましょう。

Oリングはゴム製なので、劣化すると切れてはみ出たり、なくなったりします。逆に言うと、Oリングに劣化が見られたら、チェーンのメンテナンスが必要、ということになります。

張り具合によるチェーン調整

バイクで走行しているとチェーンが摩耗し、だんだんとたるんできます。チェーンのたるみは、正常な走行の妨げとなったり、チェーンへの負担が大きくなったりすることがあるので、適度な張り具合に調整が必要です。

チェーンの張りは、1000~2000km走行ごとに調整するのが目安です。たるみ具合は車種によって適正値が異なりますが、オンロードバイクは2~3cm、オフロードバイクは3~4cmほどの可動域が適正と言われています。

以上の数値を超えるたるみが見られる場合は、チェーン交換のタイミングでしょう。

走行距離に応じて定期的なチェーン交換

チェーンは、だんだんと摩耗・劣化していく消耗品なので、定期的な交換が必要です。走行環境により先述の交換の目安となる走行距離よりも早く劣化する場合もあります。

また、チェーンは使用による劣化に加え、経年劣化も見られます。走行距離が短いバイクチェーンであっても、5年以上使用しているなら安全のために交換した方がいいでしょう。

チェーンのメンテナンス方法

チェーンは安全に快適な走行をするために、こまめにメンテナンスを行っておきたいパーツです。チェーンのメンテナンスでは、清掃をした後に注油を行います。その具体的な方法を見ていきましょう。

チェーンの清掃の仕方

チェーンの清掃には、先述のメンテナンスアイテムでも紹介したチェーンクリーナーとブラシ、そしてウェスを用意します。

まず、他の部分にクリーナーがかからないようにウェスでチェーンを押さえながら、チェーン全体にチェーンクリーナーを吹き付けます。このとき、車輪を少しずつ動かしながらリンクの1つ1つにクリーナーを行き渡らせます。

チェーン全体にクリーナーを吹き付けた後、ブラシで汚れをこすり落としてからウェスでチェーンを拭き取ります。

チェーンの注油の仕方

チェーンの汚れを落とした後は、チェーンルーブで注油を行います。チェーンルーブは外プレートと内プレートの間、内プレートとローラーの間の外側・内側の計4カ所に注油します。

最後に、少量のチェーンルーブを吹きかけたウェスでチェーンを拭き取ると、油膜を作りサビ保護に効果的です。

また、チェーンルーブが浸透しやすくするには、走行後のチェーンが温まった状態で行うのがポイントです。

自宅や外出時におすすめ チェーンロック

バイクは盗難されるケースが多く、年間4~5万台もの盗難件数が報告されているほどです。大事なバイクを盗難から守るためには、外出先だけではなく自宅保管時もしっかりと鍵を付けておくことが大切です。

定番の盗難対策用バイクロック

バイクの盗難防止アイテムとして定番なのが、バイクロックです。バイク専用のロックにはいくつかの種類があり、最もポピュラーなのがチェーンロックです。

バイク用のロックの中でも定番は、チェーンタイプのロックです。種類も豊富ですが、あまり細いチェーンはすぐに切られてしまうこともあります。

デイトナ バイク用ストロンガーチェーンロック

こちらのバイク専用のチェーンロックは、極太チェーンにディスクロックが組み合わされたタイプです。

バイクを施錠するのに十分な長さに加え、ピッキングにも強いといわれる6ディスクシリンダーキーを採用し、安全性を高めています。ロック本体は持ち運びができ、ボタンを押すだけでロックできるプッシュロック方式で、簡単にロックが可能です。

商品名:デイトナ(DAYTONA) バイク用ストロンガーチェーンロック 4.0m ディスクロック付き 95000 価格:1万2598円(税込) Amazon:商品ページ

KRYPTONITE ロック NEW YORK LOCK

こちらは10トン以上の切断力、5トン以上の引力に耐えるという強力なチェーン、さらに新型のEV4ディスクロックを採用している、強度を求める人におすすめのチェーンロックです。

機能だけではなくデザインにこだわっており、チェーンロックの外観にこだわる人にも適しています。

盗難見舞金制度が付いており、万が一盗難に遭った場合でも見舞金を申請できるのが特徴です。

商品名:KRYPTONITE (クリプトナイト )ロック NEW YORK LOCK〔NYチェーン1210&EV4ディスク〕999515 価格:1万4906円(税込) Amazon:商品ページ

チェーンのメンテで快適なバイクライフを

今回紹介したように、チェーンは一定期間・距離を走行した後はきちんとメンテナンスを行い、適切な時期に交換を行うことがポイントです。

快適なバイクライフのためにも、チェーンのメンテナンスはしっかり行っておきましょう。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME