靴ひもの通し方と結び方。買う時のポイントやひもの種類も解説

2019.03.24

靴ひもは、結ぶことで靴のフィット感を向上させる機能がありますが、役割はこれだけにとどまりません。靴ひもの通し方やデザインを変えることで、同じ靴でも雰囲気は一変します。靴ひもの種類や結び方を知り、さらに魅力的な足元を演出しましょう。

靴ひもの役割とは?

『できる男』は足元にも気を配るといわれています。流行の靴を購入したり、靴を定期的にメンテナンスしたりするなど、足元に気をつかっている男性は多いでしょう。

足元のおしゃれは、相手に清潔感や信頼感を与えます。買った時についていた靴ひもでも十分ですが、せっかくなので靴ひもを自分のセンスで変更してみると、より魅了的な足元を演出できるでしょう。

靴ひもの役割は、大きく二つあります。一つ目は足にフィットさせること、二つ目は靴の雰囲気を変えることです。ここでは具体的に、魅力的な足元を作る方法を紹介します。

靴を足に合わせる

日本人はもともと、下駄や草履で生活をしていました。そのためか、今でも靴ひもをほどかないまま、靴を脱いだり履いたりする人を見かけます。

しかし、洋装の『靴』の場合は、足にフィットすることが前提のため、靴ひもがゆるい状態では、靴だけではなく足も傷めかねません。

靴ひもは、足と靴を一体化し、歩いたり走ったりする動作をスムーズにするために必要なアイテムです。買ったままの状態ではなく、必ず足に合わせて締め直すようにしましょう。

靴の雰囲気を変える

意外に見落としがちですが、靴には『表情』があります。例えば同じ革靴でも、丸ひもを使っていればフォーマルな雰囲気になり、平ひもならカジュアルな印象になります。

形だけでも靴の表情はガラリと変わりますが、色を変えると、さらに大きな変化を感じられます。「仕事の都合で、ヘアスタイルや髪色は変えられない」という人は、靴ひもの形や色を変えてみませんか?

普段と違う雰囲気を楽しみたい時、靴を買い換えるのは大きな出費でも、靴ひもなら数百円で気分転換が可能です。

靴ひもにはどんな種類がある?

一口に『靴ひも』といっても、売り場に行くと種類が多すぎてどれを買ったらよいのかわからなくなる人も多いのではないでしょうか?

靴ひもは、3種類に大別されます。ひもの特性を知れば、靴ひもを選ぶときの楽しみも広がるでしょう。まずは『靴ひもの形』を紹介します。

耐久性の高い丸ひも

一つ目は『丸ひも』と呼ばれる、革靴やスニーカーでよく見られるひもです。

耐久性が高い丸ひもは、フォーマルからカジュアルまで幅広い靴で使用されています。ひもを結んだり解いたりするのが簡単なので、脱着に時間がかかるロングブーツにも使われています。

ひも靴特有の圧迫感も弱いため、長時間履く靴には丸ひもがおすすめです。さらにフォーマルさを演出したいときは、細めのひもを選ぶことで、よりエレガントな印象になります。

ほどけにくい平ひも

丸ひもに対し、圧倒的にほどけにくいのが『平ひも』です。ハトメ(靴ひもを通す穴)に対しての摩擦係数が高いため、ひもがずれにくいのが特徴です。

靴と足とのフィット感が抜群で、バスケットシューズをはじめとしたスポーツシューズでは定番のひもになっています。 平ひもは幅を太くすることで、さらにカジュアルさを演出できます。外側に見せられる面積も広いため、文字やイラストが入ったポップなデザインも豊富です。

メリットを兼ね備えた平丸ひも

ランニングシューズでよく見られる『平丸ひも(オーバル型)』で、丸ひもと平ひもを合わせたような、楕円形が特徴的です。

丸ひもは耐久性は高いがほどけやすく、平ひもは固定しやすいけれども耐久性が低い、というデメリットがあります。そのデメリットをカバーしたのが平丸ひもです。

ランニングシューズのように、足先の方はゆったりと、足首はヒールロックでしっかり締めたいなど、細かいフィット感の調整力が可能です。

靴ひもを買う時のポイント

次に、靴ひもを購入する際のポイントを見ていきます。売り場に行くと、豊富なデザインに目を奪われてしまうことでしょう。

デザインだけで購入すると、靴ひもが余ってしまったり、足りなかったりして、「せっかく購入しても使えない」ということになりかねません。

まずは自分の足にあう靴ひもを知り、失敗のなく選びましょう。

長さの目安

ひも靴には、必ず靴ひもを通す『ハトメ』という穴があります。すべてのハトメにひもを通し終え、結ぶ前に20cm程度残っているのが理想的です。

これ以下だとしっかり結べず、これ以上だとひもが余りすぎて結び目が不恰好になったり、ひもをふんづけて転倒する危険性が出てきます。

靴ひもの長さは、ハトメの数によって変わります。そのため、まずはハトメの数を数えましょう。

もちろん靴や個人差によって違いますが、ハトメが片側三つ(3対)の場合は55cm、四つ(4対)なら65cm、五つ(5対)なら75cm、と、1穴増えるごとに10cm増と覚えておくと、靴ひもの長さを決める目安になるでしょう。

幅の選び方

靴ひも選びで、長さと同じくらい重要なのが『幅』です。ハトメには、表に金属が見えている『表ハトメ』と、表からは金属が見えない『裏ハトメ』があります。

表ハトメはカジュアルシューズやスニーカーに多く、幅が3mm以上の靴ひもが適しています。裏ハトメはビジネスシューズに多く、幅が3mm以下の靴ひもしか通らない可能性があります。

せっかくおしゃれな靴ひもを選んでも、ハトメに通らなかったり、ゆるすぎたりしては意味がありません。購入する前に、ハトメの大きさをしっかりと確認しておきましょう。

靴ひもが長いときの対処法

ハトメの数を目安に靴ひもの長さを決めても、伸縮性や締め方によって長さが余ってしまうのはよくあることです。

とはいえ、そのままの長さにしておいては、踏んで汚したり、ほどけたりする可能性が高まります。特に、エスカレーターなどの機械に巻き込まれると、命に関わる危険な事態になりかねません。

靴ひもの長さが余ってしまったときの対処法を覚えておけば、自分の靴ひもだけでなく、同僚や家族の靴ひもも調整してあげられるため、非常に喜ばれるでしょう。

靴ひもを切る

物理的に一番早いのは、『余った靴ひもを切る』方法です。しかし、切ったままでは先がばらけてしまい、見た目がかっこ悪くなります。

切り端にビニールテープを巻いたり、ライターであぶったりなどして処理を行い、端先がばらけないように対処しましょう。

余ったひもを靴に入れる

「失敗しそうだし、切るのは嫌だ」という人は、結んだ後に余った部分を靴の中に入れる方法もあります。

余ったひもを、違和感のない場所へ入れるだけなので、道具もいらず、だれにでもできるシンプルな方法です。

ただし、長時間履く場合は、その入れた部分のひもが靴の外に出てしまったり、足が擦れてしまったりなどの恐れもあるため、あくまで応急処置としたほうがよいでしょう。

足首を1周できる長さが余っていれば、足首に巻きつけるスタイルも、短時間であればおすすめの方法です。

通し方を変えてみる

街中やショップで、一風変わった靴ひもの締め方をしている人を見たことはありませんか?元々は余った靴ひもの処理方法でしたが、今ではわざと長めの靴ひもを使い、おしゃれでユニークな結び方をするのが流行しています。 最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れれば非常に簡単です。靴ひもの余った長さをネガティブにとらえるのではなく、個性に変えて楽しんでみましょう。

定番の靴ひもの通し方

子どもの頃から何気なく結んできた靴ひもですが、あなたは靴ひもの結び方を何種類知っていますか?

「そんなに種類があるの?」と驚くかもしれませんが、ネクタイと同じように靴ひもの結び方にも『定番』と呼ばれる型があります。

特にビジネスマンは、フォーマルな席にふさわしい靴ひもの締め方をしていないと『常識知らずだ』といわれかねません。大人のマナーとして、TPOにふさわしい靴ひもの結び方をマスターしておきましょう。

シングル

ビジネスシューズの定番中の定番の結び方が『シングル』です。裏ハトメの革靴は、購入した時にこの結び方になっている靴が多く見られます。知らずにシングルではいている人も多いのではないでしょうか?

最もフォーマルな見た目のため、パーティなどでもおすすめの結び方です。

結び方は、片方のひもを長くしておき、つま先側からオーバー(ハトメの上からひもを通す)で通します。長い方を、斜め上のハトメにアンダー(ハトメの下からひもを通す)で通し、短い方はアンダーで、一番上の斜めのハトメに通します。

そのあとは、長いほうのひもだけを通していきます。オーバーで真横のハトメに、斜め上にアンダーで通すと、すべてが真横のオーバーとなり、非常に洗練された印象になります。

パラレル

見た目はシングルと同様、すべて真横のオーバーです。靴の着脱が楽なシングルに比べ、パラレルは伸縮性があり、かかる力が分散されるため、シングルよりカジュアルなシーンで使える結び方です。

結び方は、シングル同様オーバーで始めますが、パラレルでは両方のひもの長さは均等です。片方(A)を1段上の斜めのハトメにアンダーで通します。もう一方(B)は、2段上のハトメに同じくアンダーで通します。

Aを真横にオーバーで通し、2段上の斜めにアンダーで通します。Bも同様に真横にオーバー、2段上斜めにアンダーで通し、それを繰り返せば完成です。

オーバーラップ

オーバーラップは、ビジネスシューズはもちろん、定番の結び方でもっともゆるみにくいため、ブランドのスポーツシューズで多く見られる結び方です。

パラレルと同様、均等な長さで、オーバーで通します。そのあとは、どちらのひもも斜め1段上にオーバーで通し続けます。最後のハトメにだけアンダーで通し、蝶々結びで完成です。

オーバーラップは非常に完成形が美しい結び方なので、ひものねじれや左右の順番を常にチェックしながら、ひもを通していきましょう。

アンダーラップ

アンダーラップは非常にゆるみやすい結び方のため、靴をゆったり履きたい人におすすめです。長距離走など、足首を固定しないスポーツシューズでよく見られる結び方です。

定番4種類の結び方で唯一、アンダーでひもを通し始めます。あとはオーバーラップと反対に、すべてアンダーで斜め上のハトメに通し、最後もアンダーで通して蝶々結びをします。

微妙な締め方が調整可能なため、履き心地にこだわりたい人は試してみるとよいでしょう。

ブッシュウォーク

ブッシュウォークの特徴は、何といってもシューズの側面で結ぶ蝶々結びです。この結び方を知っていれば、どんな靴でも、おしゃれでカジュアルな印象にガラリと変化します。

最初はアンダーで靴ひもを通します。シューズの外側で蝶々結びをしたい場合、内側のひもをAとし、もう一方をBとします。

Aを真上のハトメにオーバーで通し、アンダーで真横のハトメに通します。AとBが同じ方向を向いたら、それぞれ二つ上のハトメにオーバーで通し、アンダーで真横に通します。

これを繰り返し、最後にシューズの側面で蝶々結びをすればできあがりです。

のこぎり結び

シングルやパラレルと非常によく似ているため、この2種類ができれば、バリエーションを増やす意味でもおすすめの結び方です。

まずはシングルやパラレルと同様に、オーバーで靴ひもを通します。靴の外側のひもをアンダーで真上に通し、真横のハトメにオーバーで通します。内側のひもは1段上の斜めのハトメに通し、同じように真横にオーバーで通し、これを繰り返します。 片方が1番上のハトメに出たら、もう片方はアンダーで真上に通し、完成です。

最初と最後を真上に通すことで、ノコギリの歯のようなギザギザ感がシンプルで美しい仕上がりとなります。

ハッシュ結び

靴ひもが短い時に、非常に有効的な結び方です。表面に見える靴ひもの数が少ないため、シンプルでありながら大胆な印象を与えたい時にもおすすめです。

アンダーラップと同じように、最初にアンダーで通したあと、2段上の斜めのハトメにオーバーで通します。それぞれ1段真下にアンダーで通し、3段上の斜めにオーバーで通したあと、同様に1段真下にアンダーで通します。

すでに作ったクロスの上で結べば、非常にインパクトのあるハッシュ結びの完成です。

ファスナー結び

名前の通り、ファスナーのように噛み合った複雑な結び目が特徴です。一見、非常に複雑な結び方ですが、基本はアンダーラップと同じ通し方です。

まず、アンダーで通します。両方のひもを、先ほどアンダーで通したひもの下に一度くぐらせて、1段上の斜めのハトメに通します。これを繰り返すことで、非常に複雑かつ美しい結び目が現れます。

女性や子どもの靴で結んであげても喜ばれるため、余興にもおすすめです。

ほどけない靴ひもの結び方

定番の結び方から、それを応用した個性的な結び方を紹介しましたが、靴ひもはまず『歩行中にほどけないこと』が大前提です。

歩行中に靴ひもがほどけてしまう原因は、大きく二つあります。一つは歩行や走行など足を動かすことで起きる振動や摩擦で、少しずつ結び目がゆるむのが原因です。

二つ目は、そもそもの靴ひもが滑りやすい可能性もあります。一般的に丸ひもよりは平ひも、革素材より布素材の方が滑りづらいです。

しかし「お気に入りの靴ひもを変えたくない」という場合のために、ほどけにくい結び方を覚えておきましょう。

イアン・ノット

『ノット』とは『結び』という意味で、スポーツ選手も多用している『イアン結び』です。一度、普通にひもをクロスさせて結びます。その上の部分に、左右両方から『輪っか』を作ります。

それぞれの輪の中に、互いの輪を通し、手を離してその輪に持ち替えます。それを左右から力強く引っ張ることで、非常にほどけにくい『イアン・ノット』の完成です。

イアン・セキュア・ノット

『セキュア』とは、『安全である・危険がない』という意味です。イアン・ノットでも十分強力な結び方ですが、より強力な結び方を求める人におすすめの結び方です。

途中までは普通の蝶々結びと同じですが、両方のひもを輪にし、それぞれを手前と反対側に回します。その輪を同時に中央の輪に通し、それぞれ強く引くと完成です。

登山靴など、靴ひもの結び直しが難しい場面で試してみてはいかがでしょうか?

ベルルッティ結び

『BERLUTI KNOT』の呼び名は、イタリア生まれのアレッサンドロ・ベルルッティがパリで設立した高級靴メーカーに由来します。ピカソにも支持されたベルルッティで採用されたのが、この『ベルルッティ結び』です。

最初に2回、ひもを巻きます。次に普通の蝶々結びの要領で、片方に輪を作り、もう片方を輪にこちらも2回通します。最後に両方の輪を強く引くことで完成です。

「靴の宝石」とも称されるベルルッティにふさわしく、非常にエレガントでほどけにくい、究極の結び方といえるでしょう。

靴ひもの通し方を変えて気分転換しよう

ちょっと視点を変えるだけで、靴ひもは非常に楽しく、気分を変えてくれるグッズです。

ユニークな締め方をしていれば、それだけで人との会話のきっかけになりますし、服を着替えるくらい簡単に、イメージチェンジを楽しめます。お金があまりかからないのも嬉しいポイントです。

毎日の退屈な気分を変えたいときは、靴ひものデザインや通し方に遊び心を取り入れ、気分転換してみてはいかがですか?

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