漫画の実写化は「原作の世界観」や「キャラクターのイメージに合うキャスト」が重要視されますが、それらの点から実写化に複雑な思いを抱いている人も多いでしょう。今回はそんな人にもおすすめの、興行収入の点からヒット作と言える映画を紹介します。
2016年の漫画実写映画化ランキング
「君の名は。」公開など映画界が賑わった2016年。漫画実写映画の興行収入もここ3年の中では群を抜いています。
1位『信長協奏曲』
戦国時代にタイムスリップした高校生・サブロー(小栗旬)は、奇しくも同じ顔をした織田信長(小栗二役)と出会い、信長として生きることになってしまう。はじめは逃げ腰だったサブローであったが、戦の惨状を目の当たりにするにつけ、織田信長として生きる覚悟を決め、戦のない世をつくろうと思い始める。
【興行収入】 46.1億円
ドラマの続きである「本能寺の変」を中心に映画にしています。原作とは登場人物の性格などに違いがあるようですが「俳優陣の演技が凄い」「泣ける」と話題になりました。
2位『暗殺教室~卒業編~』
1年後の地球破壊を宣言するも、なぜか椚ヶ丘中学校の落ちこぼれクラス3年E組の担任教師となった謎のタコ型超生物・通称、殺せんせー。潮田渚ほか3年E組の生徒たちは地球を救うため、マッハ20の超速度で動き回るその超生物の暗殺を政府から託されているのであった。2学期を迎え、残された暗殺の時間もあと半年。慌ただしい学園祭が終わり、束の間の安息が訪れたE組。そんな彼らの前に一人の暗殺者が正体を現す。
【興行収入】 35.2億円
前作『暗殺教室』の続編。実は1作目は「前編」といったような言葉が無かったので、映画館で見て続編があると知った人もいるようです。また、原作が完結した直後に卒業編が公開されたというタイミングもあってヒットしました。
3位『orange-オレンジ-』
高校2年生の春、菜穂に届いた手紙。 それは10年後の自分からのものだった。 書かれていたのは、転校生の翔(かける)を好きになること。 翔が1年後には死んでしまっていること。 そしてその未来を変えるためにやるべきこと。 初めはイタズラかと思ったが、書かれていることが次々と起こっていく。
【興行収入】 32.5億円
描かれる高校生活や「あの時こうしていれば」という誰もが考えたことのあるテーマで感情移入しやすい映画になっています。特に翔を演じる山﨑賢人の演技を評価する声が多いようです。
2017年の漫画実写映画化ランキング
2017年は笑えるあの作品がランキングしています。映画を見て笑って、日頃の鬱憤を晴らしましょう。
1位『銀魂』
侍の国…この国がそう呼ばれたのも今は昔の話。江戸時代末期、宇宙からやってきた「天人(あまんと)」の台頭と廃刀令により、侍は衰退の一途をたどっていた。かつて攘夷志士として天人と最後まで戦い「白夜叉」と恐れられた坂田銀時も、今は腰の刀を木刀に持ち替え、かぶき町の便利屋<万事屋(よろずや)銀ちゃん>を呑気に営む日々。そんな彼の元に、かつての同志である桂小太郎が消息不明になり、高杉晋助が挙兵し幕府の転覆を企んでいるという知らせが入る。
【興行収入】 38.4億円
キャストそれぞれがキャラクターにハマっているということで話題になりました。銀魂特有のシリアスとギャグの融合がウケたようです。原作を知らない人でも笑える作品になっています。
2位『帝一の國』
日本一の超名門・海帝高校。政財界に強力なコネを持ち、海帝でトップ=生徒会長をつとめたものには、将来の内閣入りが確約されているという。(中略)新1年生・赤場帝一。彼の夢は「総理大臣になって、自分の国を作る」こと。その夢を実現するためには、海帝高校の生徒会長になることが絶対条件。「ライバルを全員蹴落として、必ずここでトップに立つ…そのためならなんでもする…どんな汚いことでも…。
【興行収入】 19.3億円
実写化は好まないという人でも「最初から最後まで面白い」「期待していなかったけど良かった」という感想を残すヒット作。興行収入では2位ですが、見た人の満足度は抜群に高い作品です。
3位『亜人』
病気の妹を救うために研修医となった永井圭は ある日、事故で死亡。しかし直後、生き返る。 亜人と発覚し、崩れ去る圭の人生。 国家に追われ続け、非人道的な実験のモルモットとなってしまう。 そんな圭の前に突如、人類に牙をむく亜人最凶のテロリスト【佐藤】が現れる。 自分の運命に葛藤する圭は、佐藤が描く亜人の未来に共感できないでいた。 やがて始まる、佐藤による衝撃の国獲りゲーム。
【興行収入】 14.4億円
ハードなアクションと疾走感で映画というコンテンツを活かした迫力のある作品です。原作と違う点はあれど、違和感は少なく世界観を表現できていたという印象を持った感想を持つ人が多いようです。
2018年の漫画実写映画化ランキング
記憶に新しい2018年の漫画実写映画ですが、印象深い作品はありますか?見ていなくてもCMなどの広告で覚えのあるものも多いでしょう。
1位『銀魂2 掟は破るためにこそある』
仕事がなく金欠の<万事屋(なんでも屋)>メンバー=銀時、新八、神楽は、キャバクラに床屋とバイトを始める(中略)その頃、真選組始って以来の大事件が勃発! 局長・近藤勲の暗殺計画が企てられ、副長・土方は第2の人格=ヘタレオタク“トッシー”に体を乗っ取られ真選組を追われてしまう。犬猿の仲の銀時に頭を下げて助けを求める土方だが、裏では、銀時の因縁の相手・高杉率いる鬼兵隊が将軍・徳川茂茂の命を狙い、幕府の転覆を企んでいた。果たして銀時は、江戸の町を守れるのか——!?
(出典:映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』オフィシャルサイト
【興行収入】 37億円
前作は2017年で1位でしたが2作品目も2018年で1位と大ヒットしました。前作に引き続き「イケメンの無駄遣い」とも言われる思い切った演技が楽しめます。「前作のほうが好き」「今作のほうが面白い」と意見が分かれていますが、両方見てあなた自身も判断してみてはいかがでしょうか。
2位『DESTINY 鎌倉ものがたり』
鎌倉に暮らすミステリー作家・一色正和(堺雅人)のもとに嫁いだ年若い妻・亜紀子(高畑充希)はその生活に驚くばかり。(中略)どうやらここ鎌倉は、人と人ならざるものたちが仲良く暮らす街らしい。(中略)ある日、病に倒れた正和が目を覚ますと、亜紀子の姿が消えていた。夫への愛にあふれた手紙を残して——。なんと亜紀子は不慮の事故で亡くなっており、黄泉の国(あの世)に旅立っていたのだった。失って初めて気づく妻・亜紀子への愛。正和は亜紀子の命を取り戻すため、一人黄泉の国へ向かう決意をする。そこで彼を待っていたのは、亜紀子を黄泉に連れさった魔物たちとあの人の姿……。
(出典:DESTINY 鎌倉ものがたり|東宝WEB SITE)
【興行収入】 32.1億円
物語がわかりやすく、子どもでも楽しめると評判でしたが、夫婦愛に温かい気持ちになったという大人の声も多数ありました。家族で見ても楽しめる映画なので、是非一緒に見ながら仲を深めてください。
3位『ちはやふる -結び-』
いつも一緒に遊んでいた、幼なじみの千早・太一・新。家の事情で新が引っ越してしまい、離ればなれになってしまうが、高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、太一とともに仲間を集め、瑞沢高校かるた部を作った。 「新に会いたい。会って『強くなったな』と言われたい。」 創部一年目にして、全国大会に出場した瑞沢かるた部だったが、千早は個人戦で史上最強のクイーンに敗れ、さらに強くなることを部員たちと誓った。あれから二年―、かるたから離れていた新だったが、千早たちの情熱に触れ、自分も高校でかるた部を作って、全国大会で千早と戦うことを決意する。 一方、新入部員が入り、高校三年最後の全国大会を目指す瑞沢かるた部だったが、予選を前に突然、部長の太一が辞めてしまう。 動揺と悲しみを隠せない千早…。 千早、太一、新は、再びかるたで繋がることができるのか?
【興行収入】 17.2億円
「上の句」「下の句」と続いて完結版の「結び」。終わるのが惜しいというファンの声も多く、愛された作品です。「原作ファンでもおもしろい」という声は少数で「原作とは別の作品としておもしろい」という声が多かったので、まずは映画から見るといいかもしれません。
2019年の最新公開予定
2019年に公開予定の実写映画は数々あります。今回はその中でも特に注目の作品をざっとご紹介します。気になる作品は漫画を読んでおくのもいいかもしれません。
少年・青年漫画の実写映画化
2019年公開される少年・青年漫画の実写映画で特に注目の5作品を公開順に並べました。
キングダム
2019年に満を持して実写映画が公開される『キングダム』。春秋戦国時代の中国を舞台に、秦の始皇帝が群雄割拠の中国を統一するまでを描く話題作です。
実写化を待ち望んでいたファンも多く、大変な期待がかかった作品といえるでしょう。
- 4月19日公開
- 出演:山﨑賢人、吉沢亮、長澤まさみ 他
- 映画「キングダム」公式サイト
そのほかの作品を一覧にしてみましたので、興味がある方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
賭ケグルイ
- 5月3日公開
- 出演:浜辺美波、高杉真宙 他
- 『映画 賭ケグルイ』公式サイト
空母いぶき
- 5月24日公開
- 出演:西島秀俊、佐々木蔵乃介、本田翼 他
- 映画『空母いぶき』公式サイト
ザ・ファブル
- 6月21日公開
- 出演:岡田准一、木村文乃、山本美月 他
- 映画『ザ・ファブル』公式サイト
東京喰種トーキョーグール2
- 7月19日公開
- 出演:窪田正孝、山本舞香、松田翔太 他
- 映画『東京喰種トーキョーグール2』公式サイト
少女漫画の実写映画化
2019年公開される少女漫画の実写映画で特に注目の5作品を公開順に並べました。
美人が婚活してみたら
- 3月23日公開
- 黒川芽以、臼田あさ美、中村倫也 他
- 映画「美人が婚活してみたら」公式サイト
4月の君、スピカ。
- 4月5日公開
- 出演:福原遥、佐藤大樹、鈴木仁 他
- 映画『4月の君、スピカ。』公式Twitter
町田くんの世界
- 6月7日公開
- 出演:細田佳央太、関水渚、岩田剛典 他
- 映画『町田くんの世界』オフィシャルサイト
ホットギミック
- 6月28日公開
- 出演:堀未央奈、清水尋也、板垣瑞生 他
- 映画『ホットギミック』公式サイト
地獄少女
- 2019年秋公開
- 玉城ティナ、橋本マナミ、楽駆 他
- 映画『地獄少女』公式サイト
漫画と映画、両方の世界観を楽しめる
漫画原作で実写映画化されたものを、興行収入をもとにランキングで紹介しました。漫画の実写映画化には賛否両論ありますが、ヒット作も多いことがわかります。まだ観ていないものがあればチェックしてみてはいかがでしょうか。また原作の世界観と映画がどうリンクしているか確かめてみるのも面白いでしょう。
2019年も漫画原作の映画が続々と公開予定なので、漫画・映画どちらも好きな人にとっては、うれしい悩みが尽きません。