靴を選ぶとき、どのような点に注意して選べばよいか難しいと感じる人も多いはずです。靴にも正しい選び方があります。用途やサイズの合った靴を選ぶために、おさえておきたいポイントや人気のブランドを紹介します。
靴選びのポイントとは?
さまざまな種類がある靴の中から、自分にぴったりのものを選ぶためには、おさえておきたいポイントがあります。
ファッションアイテムとしてこだわりたい場合でも、しっかりと自分の足に合ったものを選ぶことが基本です。まずは基本的な選び方についてまとめていきます。
サイズの合ったものを選ぶ
歩きにくい靴を購入すると、姿勢が悪くなったり、靴擦れを起こしたりする原因になります。そのため、足のサイズに合ったものを選ぶのは前提条件です。
靴は、そもそも人間の歩行をサポートする目的で作られています。サイズの合っていないものを選んでしまうと、体にも影響を及ぼしかねません。
靴の見た目を重視することもファッションの観点からすると大切ですが、まずは最低限、『サイズの合っているもの』を選ぶようにしましょう。
用途に合わせて選ぶ
もう一つは『用途に合わせて選ぶ』という方法です。先ほどの選び方に比べると、見た目的な観点も含まれる選び方といえます。
靴には、スニーカーや革靴などさまざまな種類があります。それぞれに特徴があり、着用するのに適したシーンも異なってきます。
ファッションとして取り入れるとき、カジュアルなイメージでよいシーンなのか、きれいな服装が適した場面なのかなど、TPOによって判断基準もさまざまです。
どのような場面で着用するのか、どのような目的で靴を履くのかを考慮した上で、用途に合わせて靴を選ぶことが必要です。
靴にはどんな種類がある?
靴の選び方に関していくつかの方法を紹介してきましたが、具体的に靴にはどのような種類があるのでしょうか?
多種多様な靴には、それぞれに特徴があります。歩きやすい靴やフォーマルなシーンに合わせたものなど、使うシーンや用途を考えた上で靴が選べるよう、種類についてチェックしていきましょう。
カジュアルなスニーカー
長時間の歩行でも足が疲れにくいのが『スニーカー』です。スニーカーはそもそも、運動用の靴として作られました。そのため、履き心地と歩きやすさに優れています。
多くのブランドから発売されているスニーカーですが、大きく分けて『ローカット』と『ハイカット』の二つのタイプに分類できます。
ローカットスニーカーは、くるぶし下までの高さのスニーカーで、ハイカットスニーカーは、くるぶしを覆うくらいの高さがあります。
それぞれにボリューム感や印象が異なるので、ファッションアイテムとして活用するときに選び分けるとよいでしょう。
フォーマルな革靴
『革靴』は、結婚式やビジネスシーンなど、正装に合わせるときに活躍してくれます。革靴にもいろいろな種類があり、ビジネスシーンに適しているタイプや、カジュアルなタイプなどもあります。
スニーカーに比べると上品なイメージを演出しやすいアイテムなので、コーディネート全体の印象をカジュアル過ぎない装いに仕上げてくれます。
どのようなシーンでもきれいな印象を出したいときに活躍するので、スニーカーと合わせて持っておきたい靴です。
ファッションアイテムのブーツ
ボリューム感溢れるものから、スタイリッシュなものなど、種類が多いのが『ブーツ』です。『チャッカブーツ』『エンジニアブーツ』『サイドゴアブーツ』など、それぞれに特徴が異なります。
チャッカブーツは、くるぶしくらいまでの高さがあるブーツで、比較的スリムなデザインのものが多いです。上品さとカジュアルさを併せ持ったタイプだといえます。
エンジニアブーツは、もともとエンジニアが活用していたワークブーツや安全靴がファッションアイテムになったものです。そのため、無骨で重厚感あふれる見た目が特徴です。
サイドゴアブーツは、ひもを使っていないタイプで、足首を覆う側面部分がゴア(ゴム布)になっていて、着脱がしやすくなっています。
豊富なニーズに応えてくれるブーツをファッションアイテムとしてうまく活用しましょう。
簡単に履けるスリッポン
ひもがなく、スリッパのように履けることから命名されたスニーカーが『スリッポン』です。着脱がしやすいため、靴の脱ぎ履きが多いシーンで活躍します。
また、スニーカーと同じ素材でできているものが多く、履き心地と歩きやすさに優れているのも嬉しいポイントです。ファッションアイテムとしては、カジュアルで軽やかな印象を出したいときに活躍してくれます。
サイズを決める方法は?
靴を選ぶときのポイントで紹介した『サイズ感』ですが、靴のサイズを決めるときには知っておきたい判断基準があります。
靴擦れなどを起こさないためにも大切な靴のサイズ決めですが、試着するときにはどのような点に注意すればよいのでしょうか? サイズを確かめるときにおさえておきたいポイントを紹介していきます。
かかとのフィット感を確認
足の土台として重要な役割を果たしているのが『かかと』です。かかと部分が靴のサイズと合っていないと、靴擦れを起こしたり歩きにくいと感じたりする要因になります。
サイズが合っていないと、かかとが浮いてしまいます。このような場合は、靴が大きすぎる可能性が考えられます。逆に、かかと部分が窮屈過ぎても靴擦れの原因になります。
また、靴のヒールが柔らかすぎると、うまく足に合わないというトラブルも発生します。ヒール部分の素材は、適度に硬いものを選ぶとよいでしょう。
かかとが靴のヒール部分に『つくかつかないか』くらいのサイズを選び、かかと部分が適度に硬い素材のものがベストだといえます。
足幅のゆとり具合
足幅に関しても、ゆとりがあるものを選ぶほうが履いているときに締め付けられないため、快適に感じます。しかし、あまりにも幅にゆとりがあるものを選ぶと、靴の中で足がブレてしまう原因になります。
靴の中で足が動いてしまうと、側面に足が当たって靴擦れやタコができてしまうことがあります。このようなトラブルを防ぐためにも、適度に固定感のあるサイズを選ぶのがよいでしょう。
足の甲も忘れずに確認
靴の履き心地に関係してくる部位で、ついつい見落としがちなのが『足の甲』です。幅や長さに気を使っても、足の甲までサイズをチェックする人は少ないのではないでしょうか。
足の甲がしっかりとフィットしていると、靴と足との一体感が増します。その結果、サイズが合っていないときと比べると、靴が軽く感じるようになります。
足の甲と靴とのサイズ感を測るときは、少し押されているような感覚を基準に選ぶようにしましょう。若干の圧迫感があるものがベストだとされています。
ひもがあるタイプの靴の場合は、緩めたり締めたりすることで調節が可能です。
サイズを選ぶ際の注意点
靴のサイズを決めるときのポイントを見てきましたが、そもそも『サイズを選ぶ』際にも注意しておきたいポイントがあります。
自分の足に関することや靴自体のサイズ表記の問題など、注意点もさまざまです。どのような点に注意すればよいのか紹介していくので、合わせてみていきましょう。
左右の足にもサイズ差がある
人間の足は、どんな人でも基本的に左右でサイズが異なります。そのため、片方の足でジャストサイズだと思っていても、両足履いて歩いてみると感覚が違うケースも起こり得ます。
靴のサイズを測るとき、片方の足だけでサイズを合わせがちですが、実際に試着できる場合は、両足着用して数メートル歩いてみるとよいでしょう。
ファッションアイテムとしても活躍する靴なので、両足履いて全体のバランスを確認することも大切です。サイズ感と合わせてチェックしておくと、靴の見た目や印象もわかります。
時間帯を考える
靴のサイズを測るとき、時間帯を考えるというのも注意しておきたいポイントの一つです。人間の足は、時間帯によって多少なりともむくみが発生するため、朝と夜で微妙にサイズが異なります。
足がむくむ時間も、人によってさまざまです。朝が最もむくんでいる人もいれば、夕方にむくむ人もいます。
普段靴を履く時間帯に、自分の足がむくんでいるのか否かを考慮した上で靴のサイズを選びましょう。
サイズ表記の違いに気を付ける
靴のサイズは、日本と海外では表記の仕方が異なります。メーカーによっては、数カ国のサイズ表記がされているものもありますが、場合によっては海外のサイズ表記しかされていないものもあります。
そのようなときは、履き心地を確かめるのはもちろんですが、ショップのスタッフに日本のサイズ表記も教えてもらうようにしましょう。
また、海外ブランドの靴は日本のものと比べて、幅が狭いことがあります。そのため、履いてみると日本の表記サイズよりも小さく感じることがあります。
ブランドによって特徴も異なるため、表記されているサイズだけで判断するのではなく、実際に履いて確かめてみるとよいでしょう。
靴のサイズが合わなかった場合は
購入した靴のサイズが大きすぎた場合、いくつかの方法を試すことで履くことが可能です。
そもそも靴が小さくて足が入らない場合は対処の仕様がありませんが、大きすぎた場合は諦めないで挑戦してみるとよいでしょう。サイズが大きすぎたときの対処法を紹介するので、参考にしてみましょう。
インソールや厚手の靴下を使う
靴が少し大きいと感じるときは、『インソール』を入れることで高さの調節ができます。
インソールを追加すると、靴内で底の高さが上がるため、足の甲が靴の甲の部分にフィットするようになり、足が中でブレにくくなります。
インソールを入れる以外にも、厚手の靴下を履いてフィット感を増すという方法もあります。厚手の靴下を履くと、靴と足との接地箇所が広がるため、インソールを入れるのと同様に快適さが増します。
インソールだけを購入することもできますし、厚手の靴下もいろいろなショップで購入できるため、サイズが少し大きい場合は試してみるとよいでしょう。
靴ひもをきつめに締める
ひもがついているタイプの靴だと、『靴ひもをきつめに締める』ことで問題を解決できる場合があります。
特に、ハイカットスニーカーの場合、ひもで締められる箇所が多くなるため、きつく結ぶことで大きめのサイズでも問題なく履くことができるようになります。
しかし、デザインによってはひもが装飾的な役割しか担っていないタイプの靴もあります。
そもそも締めることができなかったり、締めてもサイズが変わらなかったりすることもあるため、そのような場合は、先ほど紹介したインソールや厚手の靴下で対応するとよいでしょう。
滑り止めシートを使う
靴内のソールに貼る『滑り止めシート』も販売されています。滑り止めシートを使えば、靴の中で足が動くのを防ぐことが可能です。
一般的な滑り止めシートは、つま先部分とかかと部分の二つのタイプがあり、その両方を貼ることでサイズのズレを調整できます。
特に、スリッポンタイプなど靴底が平面の場合は、サイズが大きいと滑りやすくなります。そのような場合は、滑り止めシートを貼ることで滑りをおさえることができるでしょう。
オーダーメイドならピッタリの靴が作れる
「既製品だとどうしても自分の足に合わない」そんな人にぴったりなのがオーダーメイドの靴です。
靴にも、オーダーメイドがあります。大きく分けると『セミオーダー』と『フルオーダー』の二つのタイプがあり、それぞれに特徴が異なります。
セミオーダーは、既存の足型やデザインから自分好みのものを選んでいく方法で、フルオーダーは、足型から採寸して自分仕様の靴を作っていきます。
オーダーメイドにはメリットとデメリットがあるので、それぞれの特徴について探っていきましょう。
オーダーメイドのメリット
オーダーメイドのメリットは、何といっても『自分のサイズに合った靴が作れる』という点です。
足の幅や甲の高さなど、細かい部分まで採寸した足型から作ることができるため、既製品の足型が合わないという人でも快適に履ける靴を作ることができます。
また、自分の好みのデザインで靴を作れるのも魅力的です。自分のこだわりを詰め込めるため、世界に一足の靴として愛着を持って使用できます。
オーダーメイドのデメリット
オーダーメイドのデメリットは『価格の高さ』にあります。個人の好みやサイズに合わせて一つ一つ丁寧に仕上げていくため、そのぶん、費用もかかってしまいます。
オーダーメイドで靴を作るときにかかる値段は、ブランドによって違いもありますが、一般的には数十万円からが相場とされています。
また、作るまでに時間がかかるのも仕方のないことです。職人や店舗のスタッフとのカウンセリングを重ねながら作っていくのが基本なので、そのぶん完成するまでに時間もかかります。
人気の高いメンズ靴ブランド
数ある靴のブランドですが、中でも人気の高いブランドを知っておくと選ぶときに参考になります。長い歴史の中でも特に多くの人から愛されているブランドの魅力を探っていきましょう。
英国ブランドGrenson
オフィスシーンやカジュアルな場面でも履ける幅広いラインアップが魅力の『Grenson』は、1866年にイギリスで誕生したブランドです。
英国独特の紳士的で上品な雰囲気が漂っており、30〜40代から人気を集めています。価格帯は、3〜5万円が相場なので比較的購入しやすいのも特徴です。
重厚感と上品さを備えたブーツの種類も豊富なので、使うシーンごとにタイプを選べるのも魅力的です。
Grenson | British designer shoes handmade for men & women since 1866
世代を選ばず履けるCOLE HAAN
機能性溢れるシューズ展開が特徴なのが『COLE HAAN』です。防水性の靴やナイキのエアを搭載したモデルなど、機能性にこだわった商品の数々がそろいます。
ビジネスシューズだけでなくスニーカーも販売しているため、シーンによっていくつかのラインアップから履き分けられるのも嬉しいポイントです。
見た目の上品さに加え、高機能を体感したい人にぴったりのブランドです。
高品質な革靴ブランドAlden
革靴のブランドとして世界中から認められているブランドが『Alden』です。魅力は、その品質にあります。
世界屈指の革ブランドとして知られるホーウィン社製のコードバンを使用しているため、その上品さと高級感は『革靴の王様』と称されることもあります。
素材やデザインだけでなく、履き心地のよさも体現しているため、一度は履いてみたいブランドです。
自分に合った靴で街を歩こう
自分に合ったサイズの靴を選ぶことは、ファッション性を追求する以前に大切なポイントです。靴のサイズが合っていないと、体に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
正しいサイズの合わせ方を踏まえてちょうどよいものを選び、履きやすい靴で、快適さと一緒におしゃれを楽しみましょう。