「ラグビーのルールがわからないから、観戦に行っても楽しめない」と尻込みする人もいるでしょう。しかし、基本的なルールだけならそう難しくありません。『これだけおさえておけば大丈夫』というルールについて解説します。
ラグビーの基本的な知識
ラグビーに限らず、スポーツ観戦に行くときは、ある程度予備知識があったほうが楽しめます。ルールの前に、ラグビーについての基本的な知識を頭に入れておきましょう。
人数と試合時間
ラグビーは15対15で行われます。国際試合におけるフィールドの広さは、タッチライン100m×ゴールライン70mです。
オリンピックやワールドカップでのサッカーコートの広さが、タッチライン105m×ゴールライン68mであることを考えると、11人制のサッカーよりもフィールド内の人口密度が高くなります。
試合時間は前後半40分ずつの計80分間で、ハーフタイムは12分以内です。サッカーでは前後半45分ずつの計90分、ハーフタイムは15分と定められています。
サッカーよりもやや少ない時間で、やや人口密度の高いスポーツなんだなと想像してみるとイメージしやすいでしょう。
ポジションについての知識
ラグビーのポジションは、『FW(フォワード)』と『BK(バックス)』に分けられます。とはいえ、ラグビーはオフェンスとディフェンスに分かれているわけではありません。
ラグビーは試合がストップしたとき『スクラム』を組んで再開させますが、こうしたセットプレーに参加するのがFWで、BKはその間、次の攻撃もしくは守備に備えています。
FWの8人はさらに『フロントロー』『セカンドロー』『サードロー』に分かれていて、細かく役割が異なります。
同じくBKの7人も『ハーフバックス』『スリークォーターバックス』『フルバック』に分かれています。
FWはパワーが求められ、BKはスピードやテクニックが必要とされるポジションです。
覚えておきたい3ルール
次に、これだけは知っておきたい基本的な三つのルールについて解説します。
前にパスをするのは反則
前にパスを出すことは『スローフォワード』という反則になります。throw(投げる)forward(前に)という、名前のままの反則なので覚えやすいでしょう。
得点方法は2種類
ラグビーの得点方法は『トライ』と『ゴールキック』の2種類があります。
ラグビーのフィールドの両端には、インゴールというエリアがあります。『トライ』とは、このインゴールにボールを着地させることで、得点は5点です。
トライが成功すると『コンバージョンゴール』という、キックで得点を狙える時間が与えらます。トライ地点とタッチラインと平行した延長線上ならどこからでもキックでき、得点は2点です。
危険なタックルは禁止
ラグビーにおいては、タックルしてよいのはボールを持っている選手に対してのみです。反則を取られるタックルには『ハイタックル』と『上げて落とすタックル』があります。
ハイタックルは、相手の肩のラインより上、つまり首へのタックルのことです。また、相手を持ち上げて叩きつけるように倒すタックルも反則を取られるように改正されました。
現在のルール上では、故意であってもそうでなくても、危険なタックルとみなされると一発退場もありえます。
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知っておくと楽しい用語
最後に、知っておきたいラグビー用語について解説します。
スクラムとラインアウト
『スクラム』とは、両チームのFWが組み合ってボールを奪い合うセットプレーのことです。ボールを奪えるかどうかで試合展開が変わってきます。
『ラインアウト』もFWによるプレーで、サッカーのスローインのようなものです。『ジャンパー』の選手を持ち上げて、投げ込まれたボールを奪い合います。
モールとラック
ボールを持った選手が相手に捕まって動きが止まったところに、オフェンス側の味方が後ろからサポートする形になると『モール』が形成されたことになります。
たとえば、相手のゴール前でモールを形成し、そのままゴールまで押し進めることができればトライが取れるのです。前進が止められるとボールを外へ出す必要があります。
『ラック』とは、タックルによって倒された選手の上で、両チームの選手が1対1で組み合ってボールを奪うプレーです。このときに手を使うと『ハンド』の反則を取られます。
アドバンテージ
『アドバンテージ』はサッカーやバスケなど他のスポーツにもあるルールなので、知っている人も多いでしょう。
反則行為があったときでも、中断しない方が反則を受けたチームにとって有利である場合に、審判の判断によりプレーが継続されます。
基本ルールを覚えて試合を観戦しよう
たびたび敵味方が組み合うシーンが繰り出されるラグビーの試合を見ていて、よくわからなかったという人も、基本ルールを知るだけで試合の面白さが格段に違って感じられるものです。
慣れてくると、ポジションやルールもさらに細かくわかるようになってきます。まずは本記事の基本ルールを押さえて観戦に臨みましょう。
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