靴の防水スプレーの正しい使い方。おすすめや注意点を詳しく解説

2019.03.23

靴の防水スプレーは、雨の日にとても便利なグッズです。しかし、使い方を間違えると、かえって靴を傷める原因になってしまいます。防水スプレーが使用可能な素材や、正しい使い方や種類を知って、お気に入りの靴をいつまでも美しく長持ちさせましょう。

靴の防水スプレーには2種類ある

雨や雪の日の外出に、防水スプレーを使ったことがある人は多いでしょう。あまり知られていませんが、防水スプレーは防水や撥水だけでなく、靴そのものへのダメージを予防する効果もあります。

濡れた革靴の表面に、白い斑点が浮き出ているのを見たことがあるでしょうか?その正体は、水分によって繁殖した『カビ』です。カビの繁殖力は強いため、一度発生してしまうと落とすのは非常に困難で、皮やゴム部分の劣化を進行させてしまいます。

カビや劣化を防ぐために、靴に適した防水スプレーの選び方を紹介します。

フッ素系スプレー

防水スプレーは、『フッ素系スプレー』と『シリコン系のスプレー』の2種類に大別されます。

近年一般的になった『フッ素系スプレー』のメリットは、細かいフッ素の粒子で素材の繊維をコーティングするため、革靴だけではなくスウェードや毛足の長いブーツなど、多くの素材に使える点です。靴の通気性を損ねないのも、嬉しいポイントです。

デメリットは、スプレーしてから防水の効果を発揮するまでに、多少時間がかかることです。出かける1日前までにスプレーしておくとよいでしょう。

シリコン系スプレー

防水スプレーといえば『シリコン系スプレー』のイメージを持つ人が多いでしょう。長年親しまれたシリコン系スプレーのメリットは、安価で手軽な点です。

靴を履いてから雨が降っていたことに気がついた時でも、シュッと一吹きし乾燥させるだけで、防水が完了する手軽さは非常に魅力的です。近年では水分だけでなく、油をはじく防油効果のある商品も多く発売されています。

デメリットは、表面全体をコーティングするため、通気性が落ちる点です。通気性を重視する場合は避けたほうがよいでしょう。

また、スニーカーなどナイロン系の靴には使えない商品もあるため、必ず注意表示を確認してから購入しましょう。

防水スプレーの使い方

防水スプレーを使うメリットは、スプレーするだけで効果を実感できる、使い勝手のよさです。しかし、使い方を誤ると、靴を雨や汚れから守るどころか、かえって靴を傷めてしまう場合もあります。

では、どのように防水スプレーを使えばよいのでしょうか?

『防水効果のある靴には、防水スプレーは必要ない』という考え方もありますが、防水スプレーには『防水』だけではなく、汚れや傷みから、靴を守る効果もあります。

効果を最大限に引き出すため、基本はもちろん、より効果的な使用方法を紹介します。

離れたところから全体に

『防水スプレー』と聞くと、水をまったく寄せつけないイメージがありますが、あくまでも水から靴を守るのが目的です。また、たくさんスプレーしたからといって、防水の威力が強くなることはありません。

適切に防水の効果を得るには、30cm程度離して全体にスプレーします。その際のコツは、一瞬ではなく2〜3秒連続して『ふわっと』スプレーすることです。

これを靴全体に行うことで、コーティングが適度な厚みを保つため、防水効果を最大限に引き出すことが可能になります。

乾かしてから繰り返す

1回の全体スプレーでも充分な防水効果は得られますが、これを複数回繰り返すことで、機能を高められます。

その時、最初のスプレーが乾いてから、もう一度全体にスプレーするのがコツです。最初のコーティングが乾ききる前だと単なる『厚塗り』になってしまうため、効果が半減してしまいます。

乾いてから再度全体にスプレーすることで、さらに高い防水効果が期待できます。

とはいえ過度な回数は必要ありません。2〜3回程度がおすすめです。

スプレーをかける頻度

1度スプレーすればその効果が実感できる防水スプレーですが、継続してその効果を持続させるためには、どのくらいの頻度でスプレーをしたらよいのでしょう?

最初の1回目は、できれば購入してすぐ、まったく履いていない状態で全体にスプレーをしましょう。そうすることで、水だけではなく汚れも防げるため、靴の傷みを最小限におさえられます。

通常は、1カ月に1回程度のスプレーで問題ありません。特に大切にしている靴の場合は、1週間に1回程度のスプレーをおすすめします。普段履いていない靴を履くときは、お出かけの前にスプレーすることが基本です。

元々『防水機能』が謳われている靴でも、その効果は徐々に低下していきます。しかし、使用前にスプレーをしておくことで、本来の防水効果を長く保つ効果も期待できます

防水スプレーを使う際の注意点

靴を履く回数によって頻度は変わりますが、防水スプレーは最低でも月に1回以上使用する商品です。非常に便利なグッズですが、手軽なだけに注意点が見落とされがちです。

防水スプレーの使用法を誤ったため足が蒸れてしまった、防水スプレーを吸い込んで呼吸困難になった事故も起きています。スプレーですから、もちろん火気厳禁です。

換気や安全に注意し、防水スプレーを生活にうまく取り入れ、毎日を快適な足元で過ごしましょう。

靴の中には入らないようにする

靴全体に使用する防水スプレーですが、絶対にスプレーしてはいけない場所があります。

それは蒸れやすい『靴の中』です。靴の中にスプレーすると通気性が失われ、蒸れの原因になります。また、靴の中がコーティングされることで靴が脱げたり、転倒の危険も生じたりします。

防水スプレーを使用する時は、靴を新聞紙などの上に置き、靴の中にも新聞紙を詰めてから全体にスプレーしましょう。そうすることで靴底やインソールへの付着を防げるだけでなく、手を汚さずにスプレーできるため、一石二鳥です。

換気されている場所で使う

防水スプレーはエアゾール剤の一種で、高圧ガスの圧力で、缶の中にある『撥水剤』を噴射する仕組みになっています。ガスを使っているため、火気の近くでは使用できません。

ほかのエアゾール製品に比べ、防水スプレーは1回の使用時間が長いのが特徴です。通気性のよくない室内で長時間使用し、呼吸系中毒を引き起こした事故例も報告されています。

特に、妊娠中の女性、小さい子ども、ペットがいる場所では使用しないようにし、使用する場合は玄関やベランダなど、充分な換気を確保した上で使用しましょう。マスクの着用もおすすめです。

使う前に靴を軽くケアしよう

防水スプレーの防水機能・防汚機能を効果的に発揮させるには、靴を購入したらすぐにスプレーするのが理想です。

ビンテージ商品や履き慣れた靴に使う場合は、一度ケアしてから使用することで、効果を持続させることが可能です。

具体的には、革靴なら汚れを落とし、靴の栄養クリームなどで表面をきれいにします。スウェードなどは、ブラシで汚れを落とします。スニーカーなど洗える靴なら、一度洗ってしっかり干したあとに使用するのがおすすめです。

靴の素材と防水スプレー

『防水スプレーで失敗した原因』の大半が『素材』です。防水スプレーは何にでも使えるわけではなく、使用上の注意に『使える素材・使えない素材』が表示されているので、購入する際に必ず確認しましょう。

特に使用頻度の多い革靴は、間違った防水スプレーを使用すると、ひび割れなど靴を傷めてしまう原因になります。

また、一部の防水スプレーには栄養剤が添加されているものもあり、「茶色の靴を黒くしてしまった」という失敗をしないよう、できるだけ無色透明のものを選ぶようにしましょう。

革靴にはフッ素系のスプレーを使う

表示が『布製』とある防水スプレーをスニーカーに使用することは、ほぼ問題ありませんが、革靴は注意が必要です。

防水スプレーには『フッ素系』と『シリコン系』がありますが、蒸れやすい革靴には、通気性のよい『フッ素系防水スプレー』がおすすめです。

また、シリコン系のスプレーをスムースレザーの靴に使用すると、革が劣化する恐れがあるため、十分気をつけましょう。

また、天然の革ではなく、合皮の革靴に使用する場合、防水スプレーに含まれている成分が変色を引き起こす場合があります。あらかじめ靴の目立たないところで、テストを行うとよいでしょう。

防水スプレーが不向きな素材

半永久的に輝きが持続するエナメルは、人気の素材です。その反面、指紋や汚れがつきやすいのが難点です。

また、エナメルは、革靴の表面を加工して作られた製品のため、防水スプレーの成分によって、加工された表面がはがれ、シミができたりベタついたりする場合があります。エナメルと同じように、爬虫類の革でできた靴も同様です。

エナメル靴の防水は『エナメル専用防水スプレー』を選択し、ほかの商品は使用しないよう注意しましょう。

おすすめの防水スプレー

「防水スプレーにはいろいろな注意や種類があることはわかったけれど、実際にどの商品を買ったらよいのか迷ってしまう」という時におすすめの防水スプレーを紹介します。

まず、どのような天候やアクティビティで使用したいのか『使用目的』を明確にしましょう。次に『靴の素材』の確認です。

目的や素材に合った防水スプレーを選ぶのはもちろんですが、さまざまな使用目的や素材に適応したスプレーが1本あると便利です。

たくさん靴を持っている、もしくは家族や会社で使いたい場合は、大容量のスプレーがお得です。さらに廃棄処理が簡単なスプレー缶も発売されているので、迷った時の参考にしてみてみましょう。

コロンブス アメダス防水スプレー

『コロンブス社』のロゴが入った瓶の靴クリームを、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

1948年から続く老舗の靴クリームメーカーで、複数発売されている防水スプレーの中でも有名なのが『アメダス』です。

雨の日はもちろん、雪の日にも使え、防油効果まで備わった優れものです。フッ素樹脂コーティングはスウェードや革靴以外に、毛足の長いブーツなど、繊維の細かい素材にも効果を発揮するため、靴の通気性を損ねることなく利用できます。

使い終わった後、ガスを排出させるのが手間に感じるスプレー缶ですが、こちらの商品には『残ガス排出機構』がついているため、手軽に処分できるのも嬉しいポイントです。

  • 商品名:コロンブス アメダス防水スプレー
  • 価格:972円(税込み)
  • Amazon:商品ページ

クレップ プロテクト Spray

2012年にイギリスで設立された、スニーカーマニア御用達のブランドです。バラエティ番組のスニーカー特番で紹介されたことがきっかけで、マニアのみならず、広く人気となった防水スプレーが『クレップ』です。

吹き付けるだけという手軽さですが、透明な保護バリア剤が雨や汚れからガードしてくれるため、あなたの大切な靴を美しく長持ちさせてくれます。

スニーカーマニアの間では「クラップしない=ひもなしでバンジージャンプをする」といわれるほど、信頼度の高い商品です。

  • 商品名:クレップ プロテクト Spray
  • 価格:2160円(税込み)
  • Amazon:商品ページ

100均の防水スプレー

「防水スプレーの効果はわかったけれど、継続的にかかるコストがちょっと…」という人におすすめなのが、100均の防水スプレーです。

店舗数が多いため、ついうっかりスプレーし忘れても出先で購入できますし、『できる男』の雨の日のエチケットとして、小さいサイズのスプレーを1つバッグに忍ばせておくのもよいでしょう。

ただし、100均の防水スプレーには『防水』と『撥水』のどちらかの効果しかない商品もあるため、購入する時に必ず表示を確認しましょう。

防水スプレーで大切な靴を長持ちさせよう

防水スプレーは数多く売られていますが、使い方も種類も、素材によってさまざまです。間違った商品を使ってしまうと、靴を大切にするどころか、反対に傷めてしまいます。

特に、エナメルの靴に一般的な防水スプレーは使えませんので気をつけましょう。

防水スプレーなら、定期的にスプレーするだけで、驚くほど靴は汚れにくくなります。あなたの大切な靴を美しく長持ちさせてみましょう。

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