クラシックの作曲家年代別一覧。ユニークなエピソードや代表曲も紹介

2018.07.31

クラシック音楽は、ホテルのロビーやデパート、レストランやカフェなど、私たちの身近で流れています。日常の中で耳にする名曲をもっと優雅で感動的にするために、クラシック音楽の歴史や代表的な作曲家について解説します。

クラシック音楽の基礎を知ろう

クラシック音楽の歴史は長く、時代とともにさまざまなジャンルや音楽スタイルを生み出してきました。ここでは、それぞれの時代の特徴や活躍した作曲家・名曲を紹介します。

クラシックはどの時代の音楽?

クラシック音楽とは、一般的に15~19世紀にかけて、ヨーロッパを中心に発展した『芸術音楽』のことを意味します。

また、20世紀以降の新古典主義、および近代音楽も含めてクラシック音楽と称する場合もあります。

そもそもの始まりは、ギリシア文明やローマ文明の頃までさかのぼるといわれています。

さまざまな儀式やイベントで芸術的な表現として用いられ、それらの多くは宗教的な分野において発展しました。

長い歴史を持つクラシック音楽は、以下のように分類されています。

  • ルネサンス音楽
  • バロック音楽
  • 古典派音楽
  • ロマン派音楽

時代ごとに特徴がある

ルネサンス期の音楽は、これまでの宗教的な音楽から、世俗的な音楽へと流れが移ります。楽器の発達や楽譜の普及が著しく発達しました。

バロック音楽は、西洋音楽史上もっとも革命的で、影響力のある音楽時代だといわれています。オペラなどの劇的声楽曲のほか、ピアノをはじめとした新しい楽器が発明されたのを受け、器楽曲がたくさん作られました。

続いて登場したのが古典派音楽時代です。バロック音楽とは対照的に、曲の構成や楽譜のシンプル化が進みます。この時代にはソナタ形式が確立し、交響曲や協奏曲が多く発表されました。

ロマン派音楽時代に入ると、一般市民も音楽を楽しめるようになりました。さまざまな作曲法や表現方法が誕生した時代です。

年代別の代表的な有名作曲家一覧

日本でもよく知られる曲が多く作られた年代と、その時代を代表する作曲家を紹介します。

音楽年代 時期 代表的な作曲家
バロック音楽 1600〜1750年ごろ ・ヘンデル ・バッハ ・テレマン ・ヴィヴァルディ
古典派音楽 1750〜1827年ごろ ・ハイドン ・モーツァルト ・ベートーヴェン ・シューベルト
ロマン派音楽 1827〜1900年ごろ ・ショパン ・プッチーニ ・メンデルスゾーン ・チャイコフスキー
新古典主義を含む近代音楽 1827〜1920年ごろ ・ドビュッシー ・シュトラウス ・ラヴェル ・シュトックハウゼン

バロック音楽の作曲家と代表曲

現代でもBGMなどで用いられることの多い、親しみのあるバロック音楽の代表作を紹介します。

パッヘルベル『カノン』

『カノン』は、ドイツ人作曲者ヨハン・パッヘルベルによって、1680年ごろ作曲されました。『カノン』とは音楽様式の1つで、広い意味で輪唱を意味します。

パッヘルベルの『カノン』は3つのバイオリンによる輪唱で、柔らかいメロディーが静かに脈打つように響きます。

映画のサウンドトラックや結婚式・卒業式のBGMとして、さまざまなシーンで演奏される名曲です。

ヴィヴァルディ『四季』

『四季』は、イタリア人作曲家アントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディによって、1725年に作曲されたバイオリン協奏曲です。春・夏・秋・冬の4つの協奏曲で構成されており、その演奏時間は約40分にもおよびます。

虫の声・小川のせせらぎ・風の音・嵐の音など、四季折々の自然の音が、まるで物語のように情緒豊かに演奏されているのが特徴です。

バッハ『G線上のアリア』

『G線上のアリア』は、バイオリン独奏のために編曲された作品です。オリジナル曲は、『音楽の父』と呼ばれるドイツ人作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した、『管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068・第2曲アリア』です。

バイオリンのG線のみで演奏されていることから、『G線上のアリア』として親しまれています。

しなやかなバイオリンの音色は、高貴で厳かな印象です。結婚式のBGMなど、いろいろなシーンで使われており、日本でも大人気の名曲です。

古典派の作曲家と代表曲

古典派音楽を特徴付ける『ソナタ形式』を用いた音楽、庶民にも親しまれたオペラ作品を紹介します。

ハイドン 交響曲第44番 ホ短調『悲しみ』

交響曲第44番 ホ短調『悲しみ』は、オーストリアの作曲家・フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲した、第4楽章からなる交響曲です。

アダージョ楽章を自分の葬儀で演奏して欲しいと頼んだことから、『悲しみ』というタイトルで知られるようになりました。

しかし、必ずしも『悲しみ』という感情に支配された音楽ではありません。繊細でありながらときには力強く、短調・長調を組み合わせた落ち着きと情熱が交差する作品です。

モーツァルト『魔笛』

『魔笛』は1791年、オーストリア人作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって作られ、モーツァルトの生涯最後のオペラ作品です。

この作品は、一般民衆にも分かりやすい言語や内容で構成され、当時大ブームを巻き起こしました。そして、現在も不動の人気を誇っています。

魅惑に満ちたおとぎ話の中には、お馴染みの名曲もあり、楽しくてテンポのよい話の展開についつい巻き込まれていく傑作です。

ベートーヴェン『月光』

『月光のソナタ』という名前で親しまれているこの曲は、ドイツの作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンによって1801年に作曲されました。

正式名称は、『ピアノソナタ第14番・幻想曲風ソナタ』といい、『月光』という名前の由来は、彼の恋愛説が有力と考えられています。

3楽章からなるピアノソナタで、第1楽章の短調でずっしりとした深みのあるメロディーは、『月光のソナタ』の中でとくに有名な部分です。

ロマン派の作曲家と代表曲

ロマン派を代表する詩的で幻想的な音楽の中から、表現豊かな名曲を紹介します。

ショパン『幻想即興曲』

『幻想即興曲』は、『ピアノの詩人』と例えられるフレデリック・フランソワ・ショパンが1834年に作曲しました。正確にはショパンの没後、友人の手によって出版された作品です。

鍵盤の上を走る情熱的なメロディーと、滑らかでロマンチックな旋律が美しいピアノ曲です。

現在も映画やドラマなどで使用されることが多く、誰もが一度は聞いたことがあるといえるほど有名な作品です。

ブラームス『ハンガリー舞曲 第5番』

『ハンガリー舞曲』は、ドイル人作曲家ヨハネス・ブラームスが大好きだったハンガリーの民俗舞曲『チャールダーシュ』を編曲した、21曲からなるピアノ連弾曲です。

現在はオーケストラで演奏されることが多く、特に有名な第5番は、他の作曲家によってオーケストラ編曲されました。

ハンガリー舞曲 第5番は躍動感があり、強弱をうまく組み合わせた絶妙な音色の駆け引きが魅力です。

チャイコフスキー『くるみ割り人形』

『くるみ割り人形』は、ロシアの作曲家ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが作曲した、全8曲からなるバレエ組曲です。

いずれもどこかで聞いたことのある曲ばかりですが、その中でも特に有名なのは、『金平糖の精の踊り』と『花のワルツ』です。軽快で楽しい音楽は、バレエの踊りなしでも十分に楽しめます。

近代の作曲家にはユニークなエピソードも

名曲の裏に隠された事件や人柄、近代音楽を代表する作曲家の中には、ちょっと変わったエピソードを持つ人もいます。代表曲とともにご紹介します。

『アラベスク第1番』のドビュッシーは浮気性?

『アラベスク第1番』は、フランスの作曲家クロード・アシル・ドビュッシーによって作られました。ロマンチックに流れるピアノの音色が印象的です。

そもそもドビュッシーの『アラベスク』は、2曲から構成された彼の初期の作品です。しかし、彼の印象主義音楽(※)スタイルが、すでに反映された作品だともいわれています。

(※印象主義音楽とは、自然や物事への印象や雰囲気を、客観的に表現する音楽スタイルのこと)

女性の敵といわれた浮気症な性格

これまでのクラシック音楽の流れに、新鮮な作曲技法を取り入れたドビュッシーは、数々の名曲を残し、わずか55歳の若さでこの世を去りました。

その人生の中で、特に多く語られるのが彼の女性関係です。内気で非社交的だった彼は不倫を繰り返し、交際相手の自殺未遂・結婚をそれぞれ2度も経験しています。

トラブルの中にあっても、繊細でどこか女性的なメロディーが作曲できたのは、まさに物事を主観的ではなく、客観的に表現する印象主義音楽によるものだったのかもしれません。

『ジムノペディ第1番』を残したサティは稀代の変人

『ジムノペディ第1番』は、フランス人作曲家エリック・アルフレッド・レスリ・サティによって、1888年に作られたピアノ独奏曲です。

第1番のタイトルは、『ゆっくりと苦しみをもって』と名付けられています。ゆったりと果てしなく広がるピアノの旋律に不協和音が交わり、落ち着きと同時に、なんともいえない不思議な空気が漂います。

そして、そのニュアンスこそが、サティの魅力といえるでしょう。

変人扱いを受けた時代の先駆者

素晴らしい感性を持つサティは、ドビュッシー同様、革新的な技法で作曲を進めます。軍隊や酒場のピアノマンといった経験を踏まえ、ルールにとらわれない自由で、自分らしい哲学・信念の音楽にこだわりました。

しかし、音楽界では『変わり者』として扱われていました。それは彼の作風や生き方だけではなく、作品につけられたタイトルからもうかがえます。

たとえば、『犬のためのぶよぶよした前奏曲』『世紀的な時間と瞬間的な時間』『不愉快な概要』『薔薇の指への夜明け』など、印象派に大きな影響を与えた芸術家らしく、型破りな世界観に溢れています。

作曲家のエピソードを紹介したおすすめの本

作曲家たちの意外なエピソードを知って、さらにクラシック音楽への好奇心を掻き立てましょう。

裏側から見るクラシック作曲家

『裏側から見るクラシック作曲家』は、ベートーヴェンやシューマンなど、計16人の有名作曲家のエピソードが語られています。

驚くべき人柄や個性、音楽に影響した恋愛や不倫事情など、スキャンダラスな話題でいっぱいです。

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大作曲家たちの履歴書 上・下

『大作曲家たちの履歴書 上・下』は、20名の作曲家たちにまつわる事件や噂が、クラシック音楽の流れを背景に、わかりやすく描かれています。

読み物としても面白く、音楽にあまり興味のない人にもおすすめの1冊です。

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クラシック音楽は時代を映す鏡

クラシック音楽は、つねに時代の流れに影響されながら、たくさんの名曲を世に送り出してきました。

現在でもいろいろなシーンで耳にするほど、私たちの生活には欠かせない音楽ジャンルの1つです。

聞き覚えのある曲に秘められた作曲家の思い、その作曲家のスキャンダラスなエピソードや性格など、聴くだけではないクラシック音楽の、いろいろな楽しみ方を発見しましょう。

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