プラモデルの塗装方法は数種類ある。色を塗る順番やポイントを解説

2019.03.18

プラモデルの塗装はただ色を塗るだけではなく、よりリアルに見せるために傷を演出するなど表現力が重要です。プラモデルの種類に合わせて、適切な塗装を行えばムラなく綺麗に仕上がるので、さまざまな技法を覚えて作品を作り上げる参考にしてみてください。

プラモデルの種類と塗装

まずは、プラモデルの種類と塗装について解説します。プラモデルは塗装が必要なものだけでなく、必要ないものもあり、それぞれ種類豊富に販売されています。自分が組み立てるプラモデルが、どのような種類なのかを把握しておくことが大切です。

塗装済タイプと無塗装タイプがある

プラモデルには塗装済みタイプと無塗装タイプがあります。塗装済みタイプは事前に細かい部分まで塗り分けられていて、塗料を使わずに組み立てるだけで完成するものです。

塗装が苦手な人は塗装済みタイプを、塗装でオリジナリティやリアルさを追求したい人は無塗装のタイプを選ぶと良いでしょう。

色プラは下地なしで塗装することも

ガンダムのプラモデルに代表される色の付いたプラモデル『色プラ』は、綺麗な下地があらかじめ施されています。無塗装タイプでは通常、下地を塗ってから色を塗装しますが、色プラでは下地を塗らずにそのまま塗装できるのです。

ですが、下地の色が好みと異なる場合には、下地の処理を行うとより綺麗に仕上がります。目的の色合いにもよりますが、状況に合わせて下地が必要なのかどうかを判断して塗装しましょう。

塗装の仕方の種類

次に、塗装の仕方の種類をチェックしてみましょう。プラモデルの塗装には、スプレー・筆・エアブラシ・ペンタイプの塗装などの種類があり、それぞれの方法で注意点や仕上がりが異なります。

パーツによって適した塗装方法は異なるため、適宜合うものを選択しましょう。

缶スプレーでの塗装

缶スプレーは、水性などの表記がない限り油性塗料で作られています。大型の艦船模型や車のボディなど平らな面や広い範囲を塗装するときに便利なのが『缶スプレー』です。上手く塗れば、ムラなく綺麗に塗れることから、多くの人が愛用しています。

缶スプレーなので吹き出す力の調節はできないものの、綺麗な塗膜(塗料を塗って膜を作ること)を作れます。種類によっては肉持ち(乾いたときの塗膜の厚み)が良いので、カーモデルなどに最適です。

筆での塗装

筆での塗装は、エアブラシでも塗装できない細かい部分によく使われる手法です。塗料を皿に出し、筆で塗ります。エアブラシで使った色を使うときには、作った色をそのまま皿に出して筆につけて塗りましょう。

筆塗りで使う筆の筆先はなるべくバラけないものを選び、手をしっかりと固定して震えて塗る部分がぶれないように塗装しましょう。少し高価な筆を用意しておけば、それだけばらつきが減って仕上がりが綺麗になるので、筆にこだわってみるのもポイントです。

1回目を塗装したら、しっかりと乾かして2回目を塗るとより綺麗に発色します。ただし、油性塗料であれば塗り直しができないため、不安な人は拭き取りができるエナメル塗料がおすすめです。

エアブラシでの塗装

エアブラシは、コンプレッサーで圧縮した空気を使って、塗料や絵の具を霧状にして吹き付けるスプレー器具のことです。エアブラシを使うにはハンドピース、コンプレッサー、エアホースなど専用のものを用意しましょう。

ハンドピースは空気と塗料の噴出をコントロールする部分で、吹き付け方を変えるときにはこの部分を変えます。プラモデルにどのような塗装をしたいかによって、ハンドピースや使う塗料を変えると、塗装のバリエーションが広がるでしょう。

エアブラシは筆やペンと比較するとやや高価なため、プラモデル作りをよりこだわりたい中級者以上におすすめのアイテムと言えます。

ペンタイプは初心者も簡単

ペンタイプの塗料は、普段使っているペンと同じ要領で塗装ができるため初心者でも簡単に使えます。細かいポイントから、ある程度の範囲まで対応しているので、塗装をしたことがない人はペンタイプから初めてみましょう。

ペンタイプの代表的なものが『ガンダムマーカー』です。ガンダムに使われるカラーバリエーションからスタンダードカラーまで揃っているため、さまざまな塗装に使えます。ペン先にも工夫が凝らされ、角度によって塗装の仕方を変えられるのもポイントです。

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パーツの素材を確認しよう

次は、塗装前に知っておきたいパーツの素材について解説します。塗装はどのような素材にも同じ方法で行えば良いわけではなく、素材に合わせて塗料を変える工夫が必要です。大切なプラモデルを守るためにも覚えておきましょう。

割れやすいABSパーツは要注意

ABS樹脂製のパーツは、塗料に含まれる溶剤が樹脂内に浸透し、溶剤の揮発後に小さなヒビを引き起こしてパーツが割れてしまいます。そのため、ABS樹脂製のパーツへの塗装はあまりおすすめされていません。

サーフェイサー(塗装する前につかう下地塗料のこと・油性塗料を薄めたもの)も、油性塗料に溶剤が含まれているのでABS樹脂製のパーツの割れを起こす可能性があります。

割れやすいパーツを保護するためにもサーフェイサーではなく、プライマー(建築工事などで使われる下塗り塗料のこと)で下処理をしてから塗装するのが一般的です。

金属パーツもプライマーなど下処理を

金属パーツや合成素材が使われているパーツは、塗装をいきなり行っても色が定着しないことがほとんどです。塗装するときにはプライマーやサーフェイサーなどで下地処理をしておきましょう。

また、塗装前にパーツに油分などが付着していると、塗装剥がれの原因になります。プライマーなどの下処理をパーツの素材に合わせて行っておくのが、綺麗な塗装のコツなのです。

プラモデルのスプレー塗装の準備

プラモデルをスプレー塗装するときに必要な準備を紹介します。普段から行っている人も、注意点などを含めもう1度確認してみてください。

先に接着しておく部分を確認

まずは、先に接着しておく部分を確認しておきましょう。細かい部品は塗装してから接着すると塗装面に接着剤が付いて汚れてしまいます。そのため、基本的には『接着をしてから塗装する』のがベターです。

ただし、塗装してから接着しなければいけない細かい部品もでてきます。その場合は接着面の塗料を削りとり、接着剤が指につかないようにピンセットで作業するのがおすすめです。

接着しておく部分を確認しておくことは、その後の手間を考えても必要不可欠です。そこまで接着して、どこで塗装するのかを仮組みなどで考えてみましょう。

塗装ブースなど塗装環境を用意する

しっかりとした塗装環境を用意すると、美しい塗装ができるだけでなく、安全性も高まります。

スプレー塗装は、広範囲にスプレー塗料が散布されるため、空気中に余分な塗料が噴出されていまい、それが色ムラを引き起こすこともあります。ですが、塗装ブースを使えば換気機能が付いているため、その心配はいらないでしょう。

また、塗装剤に使われている溶剤は、吸い込むと身体に良くありません。塗装ブースの換気機能で作業スペースの安全性を高められるのです。

色を塗る順番を考える

プラモデルを塗装するときには、色の順番も考えてみましょう。

色には強さがあり、『隠ぺい力』と呼ばれる下地を隠す力が色によって違います。隠ぺい力が弱い色を後から塗ると、下の色が透けて色が変わるため思い通りの塗装ができません。基本的には隠ぺい力の弱い色から順番に塗っていきましょう。

  1. 白・黄色
  2. 肌色
  3. オレンジ
  4. グレー・緑・茶色

1〜8の順番で、数字が少ない方が隠ぺい力の弱い色です。例えば、白と黒を塗るのであれば、白を先に塗り、黒を塗ります。濁りや色合いの変化が出てしまうので、いくつか試してみるのもおすすめです。

ただし、銀色は隠ぺい力が強いわりには上から塗った色にあまり影響を与えない色です。銀色は比較的順番を気にせずに使える色なので、組み合わせなどを試してみるとより重厚感のある色を見つけられるでしょう。

塗らない部分はしっかりマスキング

塗装したくない部分にはマスキング(塗料がついたら困るところに、テープや新聞紙、ビニールなどでカバーすること)をしましょう。スプレー塗装では、霧が回り込んで表側や裏側についてしまうので、マスキングは徹底する必要があります。

最初から保護ビニールがついているときには、剥がさずにそのままにしておくとマスキングの代わりになります。覚えておくと便利です。

スプレー塗装の順番

スプレー塗装をするときの順番は、綺麗に仕上げるために覚えておきたいポイントです。美しいパーツの塗装に必要なポイントを踏まえて解説します。

必要に応じてサフ吹き

まずは、必要に応じてサフ吹き(サーフェイサーと呼ばれる下地塗料を吹きかけること)を行います。このとき、ライナーからパーツを外さないである程度吹きかけても問題ありません。ただし、ライナーからパーツを外したゲート跡や、ゲート部分を除去した部分が元の色のままになってしまいます。

気になる場合には、パーツをランナーから切り離して、ゲートの処理を終わらせてからスプレーを吹くようにしましょう。

また、パーツの側面や両サイドの部分も忘れないように丁寧に塗装しましょう。どの角度からも綺麗にサフ吹きができていることが確認できたら、次の工程です。

溝部分から色を載せていく

スプレー塗装は、まず溝部分から色を乗せていきますが、吹き始めと吹き終わりは必ず別の場所からスタートするのが大切です。塗料が吹き出し口に溜まっていると、ダマのように飛び出して綺麗に載せられません。

これを避けるために、最初と最後は別のものに吹き付ける形で載せていきましょう。やや離し気味にしながら色を乗せ、徐々に近づけるのもコツです。

適度な距離からさらに吹きかける

同じ部分にずっと色を載せていくと、塗装した部分から塗料がタレてしまいます。拭き取りができない塗料の場合には、その部分だけ乾かした後に削って形を整えて、また塗装して、と手間がかかるので注意しましょう。

コツは、薄く全体的に吹きかけるようにし、動かし続けることです。ムラができてしまったときは、間を開けて2回程度ほど重ね吹きすると綺麗に仕上がります。

場所を変えながら、吹き残しがないように丁寧に吹き付けていきましょう。左右に動かしながら塗装するのが、綺麗に色を乗せるコツです。

クリアを吹いて仕上げる

塗装はそのままでも良い色合いがありますが、クリアを吹いて仕上げれば、光沢やつや消しなど表面の質感を統一できます。また、塗装を保護するので発色が長持ちする効果もあるのです。

トップコートの役割

トップコートは、ツヤを整えてプラモデルの質感を高める、塗装の表面に塗るコーティング材のことです。トップコートには光沢・半光沢・つや消しの3種類があり、自分の好みのイメージに合わせられます。

他にもトップコートにはラッカー系のスプレー塗料や、UVカットが施せるものなどもあります。ただし、ラッカー系は下地がエナメル・アクリルだと侵食して溶かしてしまうので、下地の種類に合わせて選択しましょう。

動かしながら薄く吹くのがコツ

トップコートを吹き付ける前には、しっかりと缶を振りましょう。吹き始めに水分がでることがあるので、軽めに試し吹きをしておくと確実です。

プラモデルと20〜30cmほど離した距離から、1秒あたり20〜30cm程度進むくらいで横にスライドさせて吹きます。小さなパーツは一吹き軽く吹くだけでOKです。スプレーは止めて吹き付けると、液タレを起こしてしまうので、集中的に吹きかけるときは円を描くようにしてみましょう。

気になる部分は乾いてから再度吹き付けて、まんべんなく塗装できていれば完成です。『薄く動かしながら吹く』を徹底しましょう。

塗装のポイント

塗装は経験を積み重ねるとだんだんコツがわかってきます。最初は上手くいかないことが多いので練習を積み重ねていくのが大切です。

上手くいかないときに覚えておきたいポイントを解説するので、上達のためにも覚えておきましょう。

薄く吹くこと、しっかり乾燥してから重ねること

スプレー塗装は、薄く吹きかけるのが綺麗に仕上げるコツです。たとえムラができてしまったとしても、1度乾燥させて2回程度重ね吹きすることでムラを消しながら、綺麗に仕上げられるので覚えておきましょう。

また、より綺麗に仕上げるために覚えておきたいのがサーフェイサーによる下地塗装の乾燥です。サーフェイサーをしっかりと1時間程度乾燥させると、その後の塗装のノリが違います。時間が足りないときにはドライヤーの温風でスピーディに乾燥させるのもおすすめの方法です。

チッピングでよりリアルな質感に

チッピングとは、塗装した場所を剥がしたりすることでよりリアル感を出す方法です。実際に塗装を剥がしてしまうと、傷に見えてしまうので『キッチン用のスポンジ』を活用します。

キッチン用のスポンジを小さくちぎり、少量の塗料を含ませてエッジ部分など塗装が剥がれそうな箇所に押し付けていきます。塗装を付けたスポンジを紙などで3回叩いて余計な塗料を落としてからスタンピングすると、よりリアルにチッピングができるので試してみましょう。

また、好みの色みや基本色に合う色を見つけて使うのもリアリティを出すポイントです。

ウェザリングとは

最後に、よりリアリティを出すために塗装で使われるウェザリングという技術をチェクしてみましょう。チッピングと一緒に覚えておけば、より表現力が豊かになります。

汚しを表現する塗装

ウェザリングとは汚しを表現する塗装技法のことで、使い込んだ汚れや、ガンプラなどでリアリティを追求したいときに使われます。

ウェザリングの中でもメジャーな技法である『ウォッシング』は、水性塗料を塗ってから、その一部を落とすことで、色に深みを持たせる方法です。また、シリコンバリアーと呼ばれる際離型剤を使用して剥がれを表現に使う方法もあります。

そのほか、デザインナイフで擦り傷を作ったり、リューターと呼ばれる研磨機材で傷を表現する手法など、ウェザリングの種類は様々です。汚しの種類によって使い分けてみましょう。

パレットタイプのアイテムも

パレットタイプでウェザリングに便利な塗料がセットになったものも販売されています。見た目は化粧品のアイシャドウに似ていますが、ウェザリングにちょうど良い色合いの塗料が揃っているので、初心者でも使いやすいものです。

使い方はとても簡単で、ウェザリングに使用する色のパレットをなぞってプラモデルに塗っていくだけです。綺麗に演出するために、パレットタイプのアイテムに付いている専用の筆などのツールを活用していきましょう。

計画的な塗装で失敗知らず

塗装を綺麗に行うためには、どの部分をどうやって塗るのかなど手順を決めておくことが大切です。また、塗料を吸い込むと身体に良くないため、できる限り換気することを忘れないようにしましょう。

思い通りの塗装ができるように、さまざまなアイテムや技法を試してみてはいかがでしょうか。

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