最近は居酒屋でもハイボールの人気が高く、ウイスキーになじみのある人も増えてきました。ウイスキーにはストレートやロックなど、いろいろな楽しみ方があります。ウイスキーをストレートで飲むときの楽しみ方や、おすすめの銘柄を紹介します。
ウイスキーの基礎知識
ウイスキーの飲み方を知る前に、基礎知識を見ていきましょう。ウイスキーは原料と生産地によって様々な種類があります。
ウイスキーには2種類ある
ウイスキーは原料の違いによって、『モルトウイスキー』と『グレーンウイスキー』の2種類に分けられます。
モルトウイスキーは大麦麦芽を原料としたウイスキーです。スコッチウイスキーでは、大麦麦芽のみを使用していますが、アメリカンウイスキーの場合は、原料の51%以上が大麦麦芽であれば『モルトウイスキー』と表記されます。
グレーンウイスキーはトウモロコシ、ライ麦、小麦などの穀物を主原料としたウイスキーで、モルトウイスキーに比べて飲みやすいのが特徴です。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたものは、『ブレンデッドウイスキー』と呼ばれます。
【関連記事】「グレーンウイスキー」ってなに?気になる味わいや人気銘柄を紹介
世界の5大ウイスキーとは
アイルランド・スコットランド・日本・アメリカ・カナダの5カ国で製造されたウイスキーは、『5大ウイスキー』と呼ばれています。それぞれの特徴は以下のとおりです。
種類 | 特徴 |
アイリッシュウイスキー | ウイスキーの元祖とも言われる。大麦麦芽や未発芽の大麦、ライ麦などを原料とし、まろやかな味わいが特徴 |
スコッチウイスキー | 麦芽の乾燥の際にピート(泥炭)を使う。スモーキーなフレーバーが特徴 |
ジャパニーズウイスキー | スコッチウイスキーの製法をもとに日本人の好みに合わせて作られたウイスキー |
アメリカンウイスキー | トウモロコシを主原料としており、独特の甘みが特徴。バーボンウイスキーが有名 |
カナディアンウイスキー | 5大ウイスキーの中でもクセがなくマイルド。カクテルなどにも向いている |
【関連記事】『世界5大ウイスキー』とは?ウイスキー通なら知っておきたい味や製法の違い
ウイスキーをストレートで味わう理由
ハイボールや水割り、ロックなど、ウイスキーにはいろいろな飲み方があります。では、ウイスキーをストレートで飲むことの魅力はどんな点でしょうか。
ウイスキーそのものの味を楽しめる
ウイスキーをストレートで飲むことの最大の魅力は、ウイスキーそのものの味を楽しめる点です。
ソーダ割をすると、ソーダ自体の味もあるのでウイスキーの味も変化します。水や氷には味はありませんが、ウイスキーが薄められたり、温度が変化したりすることで、やはり風味などは違ってきます。
その点、ストレートであればウイスキーに何も加えることがないので、間違いなくウイスキーそのものの味を楽しめます。温度も常温のため、そのままのナチュラルな状態のウイスキーを味わえます。
実は経済的
ストレートで飲む場合、どんどんウイスキーが減ってしまいそうなイメージがありますが、実はストレートは経済的な飲み方です。
ウイスキーのアルコール度数は一般的に40度程度で、他のアルコールと比べても高い部類に入ります。アルコール度数の高い飲み物は飲みごたえがあるため、自然とゆっくり飲むことが多くなります。
逆にソーダ割や水割りなどの場合、口当たりが良いので飲むスピードが速くなる傾向があります。そのため、知らないうちに意外と量を飲んでしまっていた、ということが起こり得るのです。
ストレートの飲み方と量の単位
ストレートで飲む場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。また、ウイスキーの量の単位について見ていきましょう。
ひどく酔わないためにはチェイサーを用意
ウイスキーをストレートで飲む場合、必ずチェイサー(水など)を用意してください。ウイスキーはアルコール度数が高いので、ウイスキーだけを飲み続けると、消化器への刺激が強すぎます。
刺激を和らげ、ひどく酔うのを防ぐためにも、チェイサーと交互に飲むのがおすすめです。
また、ウイスキーを飲む合間にチェイサーを飲むことで口の中がリフレッシュされ、ウイスキーをいっそう美味しく飲むことにも繋がります。楽しく飲むために、ウイスキーのストレートにはチェイサーをお供にしましょう。
酒に弱いならトワイスアップやハーフロック
酒にあまり強くないがウイスキーの味を楽しみたい、という人にはトワイスアップやハーフロックがおすすめです。
トワイスアップは水割りの一種で、ウイスキーと常温の水を1:1で割る飲み方です。氷は加えないので、常温のストレートに近い味わいが感じられるほか、アルコール度数は下がるので飲みやすくなります。
ウイスキーに氷だけを加える飲み方をオンザロックと呼びますが、そこにウイスキーと同量の水を加えるのがハーフロックです。オンザロックと水割りを合わせたような飲み方で、温度も下がるため、のど越しがよくなります。
【関連記事】ウイスキーのアルコール度数はどれくらい?ほかのお酒との比較や飲み方ごとに解説!
ウイスキーには量の単位がある
ウイスキーをオーダーするとき、『ロックをシングルで』という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。この『シングル』とはウイスキーの量を表す単位で、『ダブル』という単位もあります。
一般的にシングルの量は約30ml、ダブルは約60mlです。しかし、店によっては、シングルの量が約45mlとなっている場合もあります。
これは国や地域によってシングルの量が異なるためで、その店がどういうスタイルを採用しているかによって違ってきます。
【関連記事】ウイスキーの『シングル』ってどれくらいの量?ウイスキーロックの豆知識
ウイスキーをさらに楽しむための相棒は?
ウイスキーを楽しむには、グラスの選び方やつまみも重要なポイントです。ウイスキーの味を引き立てるつまみや、グラスの選び方を紹介します。
つまみの定番はナッツやチーズ
ウイスキーに合う定番のつまみといえば、ナッツやチーズです。ナッツには様々な種類があるので、自分の飲むウイスキーに合ったナッツを探すという楽しみ方もあります。
ワインと相性がよいイメージの強いチーズですが、実はウイスキーにもぴったりです。個性が強いもの同士ですが、マッチする組み合わせを見つければ、お互いを引き立て合う最高のつまみになります。
意外なところでは、チョコレートやドライフルーツ、アイスクリームなどの甘いつまみもウイスキーに合います。スモーキーなウイスキーにはビターチョコレート、フルーティーなウイスキーには、甘みのあるドライフルーツがおすすめです。
そして、バニラアイスはウイスキーの余韻を邪魔せず、口の中をさっぱりさせてくれる優秀なつまみになります。
おいしく飲めるグラスの選び方
ウイスキーは味だけでなく、色そのものや空気に触れたときの、見た目の変化を楽しめるお酒です。それを実感するには、透明なガラス製を選びましょう。
また、大きさですが、ウイスキーのストレート用であれば、200ml程度の小ぶりサイズがおすすめです。大きすぎるとアルコール臭さが出て、ウイスキーの香りを邪魔してしまいます。
形はストレートなタイプよりも丸みがあり、口が狭くなっているグラスをおすすめします。ウイスキーの香りが立ちやすく、香りが逃げにくくなります。また、飲み口が薄いグラスのほうが口当たりがよくなります。
シングルモルトウイスキーの専用グラスとは
ウイスキーのグラスの中には、シングルモルトウイスキー専用として作られたグラスがあります。
シングルモルトウイスキー専用グラスの特徴は、ほぼまっすぐなボディの形状で、飲み口が少し外側に開いている点です。
この反り返りがあることで、ウイスキーが一気に口に入らず、少しずつ味わうことができます。
また、舌の真ん中あたりに最初にウイスキーが触れるため、他のグラスで飲むよりも刺激が少なくマイルドになります。
【関連記事】ウイスキーグラスはストレート専用のものを。おすすめグラスを紹介
初心者でも飲みやすいおすすめの銘柄
ウイスキーは種類も多く、飲みなれない人はどの銘柄を選べばよいか迷うことも少なくありません。ここでは、初心者でも飲みやすいウイスキーを紹介します。
ザ・マッカラン 12年
『ザ・マッカラン』は、イギリスのスペイサイド地方で作られているシングルモルトウイスキーです。シェリー樽で熟成された原酒を使用していることから、ドライフルーツのような甘みが感じられます。
ウイスキーの初心者はピートの香りを苦手とする人が多いのですが、ザ・マッカランはピートの香りがあまり強くありません。華やかな香りで飲みやすいため、初心者におすすめのウイスキーです。
- 商品名:ザ・マッカラン 12年 700ml
- 参考価格:7,214円(税込)
- Amazon:商品ページ
フロム・ザ・バレル
フロム・ザ・バレルは、国産のブレンデッドウイスキーで、日本人の好みに合うよう、スモーキーフレーバーが抑えられています。クセがなく口当たりがよいので、初心者におすすめです。
また、アルコール度数が51度とかなり高く、水やソーダで割っても味が薄くならないため、様々な飲み方が楽しめます。
フロム・ザ・バレルの特徴は、『マリッジ』という手法を用いている点です。マリッジとは、ウイスキーの原酒をブレンドした後、もう一度樽詰めし数カ月再貯蔵する方法です。
この工程を経ることで、ブレンドしたウイスキーが調和しあう効果があります。
- 商品名:フロム・ザ・バレル 500ml
- 参考価格:2,894円(税込)
- Amazon:商品ページ
サントリーウイスキー響 JAPANESE HARMONY
日本で生産されるブレンデッドウイスキーの中でも、飲みやすいのが『響 JAPANESE HARMONY』です。華やかな香りとやわらかい味わいが特徴で、和食にも合わせられます。
- 商品名:サントリーウイスキー響 JAPANESE HARMONY 700ml
- 参考価格:8,590円(税込)
- Amazon:商品ページ
ウイスキーをストレートで味わう
様々な飲み方の中でも、ストレートはウイスキー本来の味をダイレクトに感じることのできる飲み方です。常温だからこそ本来の香りを堪能できます。
グラスやつまみ、チェイサーなどの準備を整えて、ウイスキーのストレートに挑戦してみましょう。
【関連記事】奥深き『ウイスキー』のすべて。基礎知識からおすすめ銘柄まで