プラモデルの塗料の種類と選び方。迷いやすい成分の違いとは

2019.03.11

プラモデルの塗料の種類と選び方の基礎知識を覚えて、プラモデルに合った塗料を使えるようになれば、仕上がりがより綺麗になるでしょう。メーカーによる塗料の違いや、特徴の違いなども詳しく解説するので参考にしてみてください。

プラモデルの塗料の基礎知識

まずは、プラモデルの塗料の基礎知識をチェックしていきましょう。塗料の落とし方や、それぞれの塗料の相性を知ることは『安全に塗装をするため』にも必要な知識です。

塗料の色の選び方

プラモデルに必要な塗料の色は、購入したプラモデルと一緒に入っている説明書に全て記載されています。初心者の場合、混ぜ合わせて色を作るのはやや難しいでしょう。最初のうちは、必要な塗料を購入して揃えてしまうのがおすすめです。

また、説明書に記載されている塗料はメーカーまで記載されていることがほとんどです。メーカーごとに毎回購入していては『塗料が残って』しまうほか、収納にも多くのスペースが必要としてしまいます。

別のメーカーの塗料同士を混ぜ合わせると成分の違いから危険なこともあるので、基本的にはメーカーを統一して使い続けましょう。

塗料の相性を考えよう

同じメーカーでも、塗料には種類がありそれぞれ相性があります。塗料の相性が良ければ、綺麗に混ざり合うので好きな色に調節ができますが、相性が悪いと上手くいきません。

また、混ぜ合わせずに重ね塗りで種類の異なる塗料を使った場合でも、相性が悪いと先に塗った塗料が溶け出してしまうこともあるため、注意が必要です。

調色で混ぜ合わせるときは『同じメーカーの同じ製品同士を混ぜ合わせるのが基本』です。決して種類の違う塗料を混ぜ合わせないようにしましょう。

種類の異なる塗料を混ぜることは可能か

同じメーカーのものであっても、種類の異なる塗料を混ぜ合わせるのは、成分の違いから上手く混ざり合わないためおすすめされていません。

成分が異なる塗料は混ぜてもドロドロとするだけで混ざり合わず、仮に上手く混ざり合ったとしても色味に微妙な変化がでてしまったり、パーツを脆くしてしまったり、危険性が高まるケースもあるのです。

これは別のメーカー同士を混ぜても起きてしまいます。上で説明したように、混ぜるのであれば、同じメーカーの同じ製品同士にとどめておいた方がよいでしょう。

失敗した塗料の色を落とす方法は?

塗装がはみ出してしまったり、失敗してしまうこともあるでしょう。そんなときには、リムーバー(塗料落とし液)を使います。

プラモデルに塗った塗料を綺麗に落とすための溶剤で、使った塗料に合わせたものを使いましょう。種類によってはメッキ加工された部品のメッキを剥がせるものもあるので用意しておくと便利です。

塗料の種類

次は、塗料の種類をチェックしてみましょう。それぞれの塗料の特徴も紹介するので、自分のプラモデルに合った塗料探しの参考にしてみてください。

ツヤあり、ツヤ消しタイプ

塗料には『ツヤあり』『ツヤ消し』の2タイプがあります。

ツヤありタイプは、塗膜(塗装によってパーツの表面にできた膜のこと)がツルツルしていればいるほどツヤがあるように見えます。スプレー缶などでツヤありタイプを使うと、最初はツヤを感じませんが『ある程度の塗膜まで重ねる』とツヤがでるタイプがほとんどです。

ツヤ消しタイプには、ツヤ消し剤が含まれており、塗膜の表面にツヤ消し剤が出てくることでザラザラさせてツヤがなく見せるものです。ザラザラさせるといっても、ツヤ消し剤の粒子は細かいので、そこまで見た目を損ねません。

また覚えておきたいのがツヤありとツヤ消しのどちらも使用して塗装したいときの、塗る順番です。先にツヤ消しタイプを使い、ツヤありタイプを重ねてしまうと『ツヤ消し剤の影響』を受けてしまいます。そのため、基本的には『ツヤありを先に塗る』のがベターです。

ビン入り、スプレータイプ

ツヤ以外にも塗料にはビンに入ったものとスプレータイプの2種類があります。

スプレータイプは、手軽で準備もメンテナンスもいらず吹き付けるだけで簡単に塗装ができるものです。カラーバリエーションも豊富で、吹き付ける方法を変えればツヤ消しで塗装もできます。

ビン入りのタイプは、別売りの筆を用意してパーツに塗装する筆塗りや、エアーブラシ(塗装に用いられるスプレー式塗装器具の1種)による吹き付けで使用する塗料です。スプレータイプよりは道具の準備などが必要ですが、細かい部分の塗装にも使えます。

自分が作るプラモデルをイメージして、ツヤの有無、塗装の方法を考えながらピッタリの塗料を選ぶようにしましょう。

次の項目からは、より細かく塗料の種類をチェックしてみましょう。

塗りやすいラッカー

まずは、多くの人が愛用しているラッカー系(アクリル樹脂)の特徴をチェックしてみましょう。

乾くのが早く、塗膜も強い

ラッカー系の塗料は、溶剤を揮発させることで乾燥すると硬く、耐久性の高い塗面が作れます。磨き上げでとても強い光沢と深みがあり、仕上がりの良さから人気の塗料です。

乾くのがとても速く、パーツと塗料の結びつきも強いので、塗膜が剥がれにくいことから効率よく塗装を進めていけます。エアーブラシと筆、どちらで使っても使い勝手が良く、最も一般的に使用されている塗料です。

臭いが強い

メリットの多いラッカー系ですが、シンナー臭(使われている溶剤の臭い)がとても強いのが特徴です。臭いの成分は毒性があるため、マスクや換気無しで使えません。

また、塗料の組み合わせによっては重ね塗りをしたときに下地を溶かしてしまう可能性があります。同じラッカー同士であれば、下地は溶けませんが『ラッカー以外の塗装を施したパーツ』に使うときには相性を確認しましょう。

技術が必要な水性アクリル

次に紹介するのが、臭いや毒性が少なく水彩絵の具のような感覚で使える水性アクリル系です。その扱いやすさから愛用している人も多い塗料ですが、技術が必要なので初心者には難しい面もあります。

失敗してもやり直ししやすい

水溶性なので、塗料が乾く前なら水拭きで簡単に落とせます。万が一塗装に失敗してしまってもやり直しがしやすいのは大きなメリットです。1度乾いてしまえば日光や雨に強いのである程度の強度もあります。

使用した筆や道具も水洗いして使えるので、手際よく使えば何度も道具の買い直しをしなくて良いのも嬉しい点です。全体的にツヤありよりもツヤ消しのタイプの仕上がりが綺麗なのも特徴の1つで、戦車や艦船などの光沢を必要としないモデル向けとも言われています。

塗り重ねが必要となる場合も

失敗してもやり直しがしやすい点は優秀ですが、筆塗りで使ったときには塗料のノビがあまり良くありません。筆の塗りムラがでやすいため、塗り重ねが必要になるほか『綺麗に塗るには技術が必要』です。

また、乾燥にかかる時間もラッカー系よりも必要なので作業に必要な時間も多めに確保しておく必要があります。

メリットの多いエナメル

よりリアルな仕上がりを目指して部分的に塗装するときに使われることが多いのがエナメル系です。失敗しても専用の溶剤で拭き取ればやり直しができるため、使いやすさがあります。

伸びや発色が良い

エナメル系の塗料はアクリル系よりもノビが良く、筆ムラになりにくい特徴があります。また、発色もきれいで、拭き取りでのやり直しもできるため初心者でも扱いやすい点も優秀です。

また、下地を溶かす恐れもないため重ね塗りなどに安心して使えるのも利点です。メタリックカラーの金属感の色合いの良さからガンプラ(ガンダムのプラモデル)にも良く使われています。

塗膜が弱い

エナメルのメリットはとても便利ですが、塗料の食いつきはあまり良い方ではないため『広範囲の塗装には不向き』です。塗膜が弱いため、傷や塗装落ちの原因になりやすいのもデメリットと言えます。

また、プラスチックやABS樹脂などのパーツを侵食するので、下塗りをせずに使うとパーツが脆くなってしまいます。

他にも乾燥に時間がかかるなど扱いにくい点もありますが、細かい部分の塗装や、1度塗装したものに部分的に施すときにおすすめです。

プラモデルの塗料メーカーの特徴

プラモデルの塗料メーカーの中でも代表的な、タミヤとクレオスの特徴を紹介します。

タミヤはカラーバリエーション豊富

タミヤは、ラッカーからアクリル、エナメルまで豊富な品揃えが魅力のメーカーです。塗料のタイプもスプレーからビン、ペンタイプなどさまざまな種類が取り揃えられています。

ベーシックなカラーからメタリックに至るまでカラーバリエーションも豊かなので、好みの色を見つけやすい点もメリットです。また、容器などにも工夫が凝らされており、初心者でも使いやすいようにデザインされています。

クレオスは定番模型に特化した色など

クレオスは、ベーシックなカラーのほか『飛行機系模型などの定番模型に特化した色』を取り扱っています。プラモデルの中でも人気の飛行機系から鉄道系のカラーをイメージして作り上げられた色は、混ぜ合わせる手間を省けるのが利点です。

プラモデルごとに細かく色が作られているため、自分で調色するのが苦手な人でも安心して使えるのも魅力です。色が濃すぎた場合の専用の薄め液も用意されており、調節もできるため上級者にも愛用者が多くいます。

通販サイトで購入可能

タミヤもクレオスも、通販サイトから塗料の購入ができます。模型店などでも取り扱われていますが、人気のカラーは売り切れることも少なくありません。ネット通販であれば、近くに店舗がなくても手軽に揃えられるので活用してみましょう。

ヨドバシの通販ではタミヤ、クレオスどちらも取り扱っています。また、それ以外のメーカーの塗料も扱っているため参考にしてみてください。

ヨドバシ.com – カラー塗料 通販【全品無料配達】

タミヤには、タミヤショップオンラインと呼ばれる公式通販サイトがあります。プラモデルの注文まで取り扱っているので、タミヤのシリーズでプラモデルとカラーを同時に揃えたいときに便利です。

★★TAMIYASHOP タミヤショップオンライン

塗料コレクションの収納方法

プラモデルを1つ作り上げるだけでも塗料の数が豊富に必要です。数多く購入した塗料綺麗に並べて収納する方法を紹介するので、参考にしてみてください。

見やすくひな壇にして収納

塗料をひな壇のように並べて収納できる棚を利用すれば、見やすく必要な色をすぐに取り出せます。かなりの数を持っているときには、種類別に並べておくとより取り出しやすくなるのでおすすめです。

中でも人気なのがコンパクトに塗料を並べておけるClaire(クレア)の木製ペイントラックです。1つのペイントラックで最大15色の塗料を収納できるため、ばらつきやすい塗料を見やすく配置できます。何色の塗料がどこにあるのかもすぐにわかるので作業の効率化にもなって便利です。

  • 商品名:Claire プラモデル 塗料 収納 ケース 木製 ペイント ラック 3段 ひな壇
  • 価格:1580円(税込)
  • Amazon:商品ページ

引き出しタイプですっきり収納

ひな壇タイプを広げる場所がない人におすすめなのが引き出しタイプのものです。引き出しタイプであれば、それぞれの引き出しに塗料を入れて収納できるので、ひな壇タイプよりも収納力がアップします。

GSIクレオスのカラー収納BOXでは、4つの引き出しが用意され10〜18mlの塗料ボトルを最大48本収納できます。塗装時に間違えやすい似たようなカラーの保管にも便利です。

クラフト地のボックスで組み立ても簡単なほか、整理に必要な棚シールやボトル用シールも付いてきます。シールなどの備品を用意しなくても、購入後すぐにボトルの収納ができる点は優秀です。

  • 商品名:GSIクレオス Gツール DC901 カラー収納BOX
  • 価格:1296円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ペイントラックで大容量収納

塗料のビンだけではなく、スプレー缶なども持っている人はペイントラックで収納しましょう。ペイントラックであれば、接着剤からスプレー缶、そのほか塗装で使う備品なども一緒に収納できます。

仕切り棚が付いているものであれば、自分が使っているメーカーの塗料に合わせて調節ができるため、規格を調べなくても自分好みに調節して使えるのもメリットです。

中でも人気なのが、株式会社ウェーブが販売しているペイントラックです。通常サイズのカラーは最大180本収納可能な大きな収納と、仕切り板の調節が可能なことから豊富なサイズへの対応力で人気があります。

最上部も含めて棚数は6段で、最上部は平行なトレー型が採用されていることからスプレー缶や備品などの収納に最適です。

  • 商品名:WAVE ウェーブHT-072[ペイントラック」
  • 価格:5810円(税込)
  • ヨドバシオンラインショップ:商品ページ

塗料を使用するときの注意点

最後に、塗料を使用するときの注意点を紹介します。塗料に含まれている成分には、人体に悪影響を及ぼすものがあるため『安全に留意して正しく使う』ようにしましょう。

室内でのスプレー塗りにはブースを用意

室内で缶スプレー、エアーブラシなどのスプレー塗りを行うときには、専用のブースを用意するのが推奨されています。

塗装ブースと呼ばれる専用ブースは、塗料に含まれた成分を吸い込んでしまわないように『換気』する機能と、スプレーからでた塗料の飛散を防止する機能が付いています。

綺麗に塗装するのに便利なアイテムなので、ぜひ用意してみましょう。塗装ブースがどうしても用意できないのであれば、風通しの良い外で行うか『換気をしっかりとできる環境』を整えておくのが鉄則です。

塗装ブースは手軽に組み立てられるダンボール製のものから、本格的に換気・吸気が行えるものまで幅広く取り扱われています。代表的な商品を紹介しておくので参考にしてみてください。

商品名:エアテックス スプレーブース レッドサイクロン L 価格:1万3384円(税込) Amazon:商品ページ

廃棄方法

使っている塗料の廃棄方法も覚えておかなくてはいけません。使用頻度が低くて硬化してしまったり、使えなくなってしまう塗料が発生してしまうこともあるでしょう。

まず、塗料は『液体の状態では破棄できない』ものです。なるべく使い切るようにし、残ってしまったときにはできるだけ『新聞紙などに中身を取り出して乾燥させて』から一般ごみとして廃棄します。

容器などは、洗える場合は綺麗に洗い十分に乾かす、洗えないときにはできるだけ中身を取り出して乾燥させてから各自治体のゴミの処分方法に合わせて捨てるようにしましょう。

スプレー缶は、中身をできるだけ使いきり完全にガスが抜けてから捨てるようにします。ガス抜きキャップがあれば、説明に従ってガスを抜きますが『穴を開けると爆発の危険性』があるので注意してください。

ガス抜きをする、しないは各自治体によっても違います。必ず住んでいる土地のゴミの収集に合わせて処分するようにしましょう。

塗料選びは成分と色をしっかりチェック

塗料選びはそれぞれの相性と成分の特徴をしっかりと理解して使い分けるのが大切です。色の重ね方にも工夫をしてみると、自分の求めているイメージにより近くなるので、下地の塗料との相性を考えながら試行錯誤してみましょう。

塗料を正しく選んで使えるようになれば、よりリアルさやオリジナリティを追求できるので試してみてはいかがでしょうか。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME