プラモデル用の接着剤の種類や使い方。思い通りに仕上げるテクニック

2019.03.03

プラモデル用の接着剤は、適切な種類を選ぶことで完成品の美しさに差がでてきます。プラモデルを思い通りに仕上げるために知っておきたい、合わせ目の消し方から接着剤の種類まで紹介します。安全に留意して作成に役立ててください。

プラモデルにはどんな接着剤が必要?

プラモデルの中には、接着剤を使って制作するものもあります。そんな接着剤にも種類があるので、用意する前に接着剤について知っておきましょう。

タミヤは種類豊富で用途に合わせやすい

静岡県静岡市に本社を置く模型・プラモデルメーカーのタミヤは、接着剤の種類を豊富に扱っています。

タミヤセメントなどの定番商品から、ゼリータイプ、ABS(アクリロニトル・ブタジエン・スチレンの略で、3つの樹脂を混ぜ合わせたプラスチック素材)用など用途に合わせて選べるので、プラモデルに必要な接着剤を揃えるならおすすめです。

接着剤不要のプラモデルもある

現在販売されているプラモデルの中には、接着剤不要のプラモデルもあります。パーツ同士を組み合わせて、組み立てていくもので『子供から大人まで』手軽にプラモデル制作が楽しめるでしょう。

ただし、パーツ同士のかみ合わせが悪くスムーズにいかないものや、接着剤を追加で使う方が作りやすいものもあります。手軽さはありますが、プラモデルの耐久性はやや欠けるデメリットがあることも知っておきましょう。

使い終えた接着剤の廃棄方法を知っておく

使い終えた接着剤はそのままゴミに入れて捨てるというわけにはいきません。それぞれ廃棄方法があるので覚えておきましょう。

  • 中身が出るもの・・・屋外など風通しの良いところで、新聞紙などに出して『硬化後』に破棄。
  • チューブ、カートリッジで中身が硬化しているもの・・・そのまま廃棄。自治体の廃棄方法に合わせてプラスチックゴミか可燃ごみで処理する。
  • スプレーで中身が出ないもの・・・自治体によって異なる。屋外など風通しの良いところで、ガス抜き器で穴を開けて廃棄。または、中身を使いきって、穴を開けずに廃棄。自治体のウェブサイトなどを参考に、事前によく確認すること。

それぞれの自治体の廃棄方法に合わせて、必ず安全に注意して捨てるのが鉄則です。

プラモデルの接着剤の種類

次は、プラモデルの接着剤の種類をチェックしてみましょう。接着剤によって適した用途は異なります。どんなパーツに使うのか考えながら、選択するのが綺麗に仕上げるコツです。

流し込みタイプ

流し込みタイプは、最もポピュラーなプラモデル用接着剤です。先にパーツ同士を合わせてから接着剤をつけるもので、塗った場所を溶かして接着させることで『合わせ目』を消しながら接着できます。

通常のタイプと速乾性があるタイプの2種類があり、速乾タイプは塗って5秒前後で乾くものが多いので注意が必要です。どちらかで悩んだときには通常タイプを選ぶようにしましょう。

また、接着する場所以外につくと見た目が悪くなるので少量ずつ塗るようにするのがコツです。

とろみのあるタイプ

タミヤセメントなどの液体がドロドロと『とろみ』のついたタイプは、乾燥までの時間が比較的長めでしっかりと接着できます。位置決めを慎重にしたいとき、重量がかかる部分の接着をしたいときに役立つ接着剤です。

パーツに塗ってから接着するものなので、使いやすく流し込みタイプが苦手な人でも扱いやすい点が特徴です。ただし、パーツにつけすぎてしまうとはみ出して汚くなってしまうため注意しましょう。

基本的に接着は流し込みタイプで十分に補えますが、重量のかかる部分やしっかりと接着したい部分にはとろみのあるタイプを活用するなど用途に合わせて使うようにしてください。

エポキシ系接着剤とは

次は、流し込みタイプやとろみのあるタイプと一緒に用意しておくと便利な『エポキシ系接着剤』を紹介します。プラモデルの中でもクリアパーツを使う機会が多い人におすすめの接着剤です。

透明部分などに使用

エポキシ系接着剤は、主成分の2種類の接着剤を同量混ぜ合わせて使う接着剤のことです。硬くて丈夫なので、金属やプラスチックにも対応しています。

流し込みタイプなどの接着剤は、蒸発した接着剤が空気中の水分と反応してパーツに付着することで『パーツを白く』染めてしまいます。これを白化現象と呼び、触ってみると細かくザラザラした状態を引き起こしてしまうのです。

透明なパーツを接着したいとき流し込みタイプを使うと、この現象によって見た目が悪くなるので、白化現象が起きないエポキシ接着剤がおすすめです。

セメダインの優秀な接着剤達

接着剤メーカーであるセメダインは、さまざまな種類の接着剤を販売しており、プラモデルを作成するのに特化している商品も取り扱っています。ハイグレード模型用はクリアパーツでも美しく固定し、プラモデル用のものは細かい作業にピッタリです。

他にも、ABS用などや工作用など一通り揃っているので、タミヤの製品がなくてもセメダインで代用ができます。

無臭の接着剤はある?

接着剤を使うときに臭いが気になるという人は多くいます。では、無臭の接着剤はあるのでしょうか。臭いの成分から、臭いの気にならない接着剤までチェックしてみましょう。

独特の臭いがする成分とは

接着剤の独特の臭いは、含まれている成分の『溶剤』に由来しているのものがほとんどです。接着剤のパッケージ裏に記載されている成分の中に、『有機溶剤』の総量と内容が記載されています。

有機溶剤のすべてが臭いの原因というわけではありませんが、有機溶剤に含まれている成分に臭いが強いものが使われていることで『独特の臭い』が出ています。特に、酢酸ブチルは悪臭防止法で使用量に規制が行われている成分なので、独特の臭いが強くなる傾向があります。

臭いに敏感な人は、成分に注意して選ぶと良いでしょう。

柑橘のリモネン系タイプも

臭いが気になる人におすすめなのが、柑橘類から抽出されるリモネンという成分を使った接着剤です。有機溶剤特有の刺激臭がなく、通常の接着剤と同じようにプラスチックやプラバン、プラ材を強力に接着してくれます。

また、リモネンはレモンやオレンジなどの柑橘類の皮に含まれている精油成分で、食事やサプリメントにも使われている成分なので、安全性の高い接着剤として注目されています。

接着剤の使い方

接着剤の種類を覚えたら、次は使い方をチェックしてみましょう。使う接着剤によって使い方が違うため、注意書きなどをよく読んでから使うのがポイントです。

説明書に記載の接着部分を確認する

説明書に記載されている接着部分を確認し、接着するパーツを用意します。使う接着剤によって、合わせてから塗るものや、合わせる前に塗るものがあるので必ず説明書は確認しましょう。

また、それぞれのパーツで、ピッタリの接着剤を選ぶのも完成したときの美しさに影響します。こだわるなら、ケースなどを用意して接着剤ごとに分けておくと安心です。

また、プラスチック用の接着剤はプラスチックを溶かして接着するものです。金属パーツには使えません。そのため、金属パーツ同士の接着などには瞬間接着剤などを使うようにしましょう。

適量をパーツにつけ、接着する

説明書に記載の接着部分を確認したら、適量をパーツにつけて接着します。

流し込みタイプの接着剤であれば、先にパーツを合わせて少し接着面を開けておきます。そこに、流し込みタイプの接着剤をはみ出さないようにつけて接着しましょう。接着面も最低限しか溶かさないタイプなので、乾燥も速く作業がスムーズに進められます。

とろみタイプのものであれば、接着剤をパーツにつけて30秒程度置きます。乾いてしまえばもう1度塗り、パーツを接着しましょう。乾くまでに時間が必要ですが、セメントのように強固に接着できるため、強度が不安なところにおすすめの方法です。

接着時間がかかるタイプは固定を

流し込みタイプの接着剤は、1度固定すると簡単には外れないため『入れ込まなければいけない部品』などがないかをチェックして行いましょう。

とろみタイプのものであれば、接着に時間がかかるものがあります。そんなときは、パーツをしっかりと固定できるように大きめのクリップなどで押さえておくのがおすすめです。

全体的なことですが、どの接着方法をする場合でも必ず『換気』は徹底しましょう。

合わせ目を滑らかにする方法

プラモデルは複数のパーツを組み上げて作るので、完成品にパーツとパーツのつなぎ目の線『合わせ目』が出てきてしまいます。完成品の見た目をできる限り美しく整えるためにも、合わせ目を滑らかにする方法を覚えておきましょう。

接着剤を多めに塗る

合わせ目が気になる人は、まずプラモデルを仮組みします。仮組みは、接着剤なしでプラモデルをあらかじめ組み立てることです。そうすると、どこの合わせ目が気になって、どのように接着したら良いのかを判断できます。

合わせ目が気になる部分を見つけたら、パーツをそれぞれに分けて接着面に『多めの接着剤』を塗ります。はみ出すほどたっぷりと塗りますが、加工が必要ない部分などは薄く塗るようにしましょう。可動部分などは特に慎重に塗らなければ、はみ出た接着剤で動きを邪魔してしまいます。

たっぷりと接着剤を塗った場合、1度塗ってから1分程度時間を置きます。パーツを溶剤で溶かすことで合わせ目を消していくためです。さらに2〜3度接着剤を塗り重ねてからパーツを貼り合わせます。

このとき、接着剤の余分がでてきますが、はみ出した部分はそのまま残しておきましょう。

しっかり乾かし、削る

パーツを接着剤がはみ出した状態で約1週間前後しっかりと乾かしたら、貼り合わせた部分が盛り上がっているのが確認できます。この盛り上がっている部分を、合わせ目に沿ってデザインナイフで削っていきましょう。

刃を立てて削るのが基本ですが、盛り上がり部分が大きい場合は寝かせて削り取ってから行います。ある程度削ったら、更にペーパーを掛けて丁寧に削りましょう。擦り傷などが残りますが、塗装すれば消せます。

塗装する場合は、ここから塗装に入れば良いですが『塗装しない場合』はコンパウンド(液体の中に研磨剤を混ぜ合わせたペースト状のもの)で綺麗に仕上げをします。

コンパウンドは紙やすりとは違い、液状の研磨剤なので磨き用のクロスが必要ですが、合わせ目もほとんど気にならない程綺麗に仕上がるのでおすすめです。

ただし、コンパウンド後に塗装する場合は、コンパウンドを丁寧に洗い流してから行うようにしてください。色合いなどの変化の原因になります。

接着剤は粘度や白濁に注意して選択する

プラモデルの接着剤といっても種類が豊富にあります。粘度や白濁に注意して、必要な接着剤を選ぶのもプラモデル作りでは大切です。自分が納得できる1つの作品を作り上げるためにも接着剤にこだわりを持ってみてはいかがでしょうか。

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