プラモデルの塗装を上手にできるようになるためには、下地処理がポイントです。下地の色や入れ方によっても、塗装の完成度が大きく異なります。上手に下地処理できるようになるために、下地色の選び方や塗装時の注意点を紹介します。
プラモデルの塗装は下地塗装が重要
プラモデルを上手に塗装するには、『下地塗装』がポイントです。ではなぜ、下地塗装が重要なのでしょうか?
ここでは、プラモデルの下地塗装についてと、塗装するときの注意点について解説します。
下地塗装とは
下地塗装とは、組み立てが完成したプラモデルを塗装するときにまず行う工程です。主に、缶スプレーのサーフェイサーなどで下塗りすることです。
下地塗装には、『研磨傷など下地を整える効果』や『塗料の着色を良くする効果』などのほか、発色を整える効果もあります。
真っ白を表現したいときにも欠かせない
白い塗装は、そのままプラモデルに塗装すると下の色が必ず透けてしまうのできれいに塗れません。真っ白を表現したいときには、まず下塗りにサーフェィサーを使用し、さらに白色で塗装して仕上げます。
こうすることで、驚くほどに真っ白の塗装が完成するのです。
筆で塗装するときの注意点
下地塗装のサーフェイサーの上から色を筆塗りするときには注意が必要です。ラッカー塗料を筆乗りすると、下地のサーフェイサーがめくれてしまう可能性があります。
そのため、筆で塗装するときには、アクリル系かエナメル系の塗料を使うとよいでしょう。
また、下地を塗ってから塗装するのであれば、下地が完全に乾いたのを確認してから重ね塗りすることが大切です。完全に乾いてから重ね塗りすることで、ムラができにくくなります。
戦車の下地塗装のやり方
プラモデルのなかでも大人の男性に人気の、戦車の下地塗装はどのように行えばよいのでしょうか?
ここでは、戦車の下地塗装のやり方について紹介します。
赤茶の下地色がよく使われる
戦車には下地色に『赤茶』がよく使われています。なぜ赤茶色が使用されるのでしょうか?
その理由は、実際の戦車に塗装されている『サビ止め』の色が赤茶色だからです。実際に使われている赤茶色を、プラモデルの戦車にも塗装することで、よりリアルな色を表現できます。
たとえば、赤茶色の下地塗装をした戦車に、ミリタリー系で定番の色である『オリーブドラブ』を薄く重ね塗りをしていけば、下地の赤茶のおかげで程よいサビ感が出ます。
タミヤのスプレー オキサイドレッドの特長
タミヤのスプレー『オキサイドレッド』は、戦車のサビ感をよりリアルに表現できるきれいな赤茶色のサーフェイサーです。
戦車の塗装の下塗り用としてはもちろん、パテ盛り改造後などの表面処理材として使用できます。きめ細やかな粒子で滑らかな仕上がりが特長です。
サーフェイサーを吹き付けることで塗料のノリがよくなるだけでなく、下地塗装も同時にできるためとても便利なアイテムです。
また、プライマー効果の役割もあるため、金属素材でできたパーツとの密着性にも優れています。
- 商品名:タミヤ メイクアップ材 ファインサーフェイサーL オキサイドレッド 87160
- 価格:589円(税込み)
- Amazon:商品ページ
光沢ある色も下地で見え方が変わる
金属のような光沢のある色に仕上げたい場合には、塗装前の下地にどのような処理をすれば良いのでしょうか?
ここでは例として、光沢のあるシルバーとゴールドの塗装に適した下地について解説します。
このテクニックは、飛行機・バイク・戦隊モノなどいろいろなプラモデルに活用できるので、ぜひ覚えておきましょう。
シルバー塗装の下地の色と見え方の違い
シルバー塗装は、下地の色によっても色の雰囲気が変わります。グレーを下地に塗装して、シルバーを重ね塗りするとアルミやジュラルミンなどの落ち着きのある質感に仕上がります。この方法は、一般的によく使われる手法です。
また、下地に白を塗装したあとにシルバー塗装をすると、明るいシルバー色で、薄くて軽い金属の質感に仕上がります。
一方で、ブラックを下地に塗り、ラッカー溶剤を混ぜたエアブラシ塗装を行うと鏡面的な質感のシルバーになります。
ゴールド塗装の下地は黒色で光沢を表現
ゴールド塗装の下地には、一般的にはゴールドの発色をよくするため、ツヤありの黒色で下地を塗装することがおすすめです。
黒色で下地塗装をすることで、光があたっても透過せず、また、ゴールドの反射率を高めてくれるため、光沢のあるゴールドを表現できます。
下地色はリアルさや質感を左右する
プラモデルの塗装は、下地に使う色によっても、その美しさは変わってきます。よりリアルな質感や美しい色を表現するためには、下地色から慎重に選ばなくてはなりません。
また、下地塗装はしっかりと乾かしてから、少しずつスプレーやエアブラシなどを使って重ね塗りをして、上手に塗装を仕上げましょう。思い通りの色を表現できるように研究してみるのも面白いかもしれません。