年代問わず、季節問わず、誰でも挑戦できるボウリングは、世代を超えて人気があります。ボウリングのやり方は当然知っているけど、投げ方は一つだけと思っていませんか?実はそうではないんです。ボールの投げ方を知り、さらなる高スコアを目指しましょう。
まずはボールの持ち方から抑えよう
実はボールの持ち方は1種類ではなく、いろいろな持ち方があります。それは指を入れる深さなどによって違い、それに伴い難易度も変わってきます。まずはその持ち方を覚えましょう。
持ち方は3種類
ボールの持ち方は以下の通りです。
- コンベンショナルグリップ
- セミフィンガーグリップ
- フィンガーチップ
これらの持ち方の中で最も一般的な持ち方は『コンベンショナルグリップ』で、初心者の方や、時々ボウリングをする程度の人はこの持ち方をしていることが多いです。
コンベンショナルグリップは、まず親指を指穴に深く入れ、さらに中指と薬指は第二間接まで指穴に入れるという持ち方です。
指を深めに入れるので、指に負担がかかりにくく、ボールをしっかりとつかめます。しっかりつかむぶん、回転がかかりににくく、ピンに向かってまっすぐボールが進むようなコースになることが多い持ち方です。
次の『セミフィンガーグリップ』の持ち方は、親指を深く入れることはコンベンショナルグリップと同じですが、中指と薬指は第一関節と第二間接の間ぐらいまで入れる方法です。
コンベンショナルグリップに比べて指を入れ方が浅いので、指への負担は大きくなりますが、回転をつけやすくなるので、技の幅も広がります。セミフィンガーグリップは、初心者から少し成長し、さらなる上達を目指す人におすすめです。
最後の『フィンガーチップ』はさらに浅くなり、中指と薬指を第一関節までしか入れずに持つ方法になります。指の負担は大きくなり、指の怪我などのリスクも増えてくる持ち方ですが、ボールに回転を付けるには最も適した方法です。
フィンガーチップはかなりボウリングを練習している上級者向けの持ち方となっています。しかし初心者でもこの持ち方に挑戦したいと思う人もいるかもしれません。ですがこの持ち方はいきなり挑戦すると指を傷めますので注意しましょう。
人差し指と小指の位置も意識して
ボールには親指・中指・薬指を入れる指穴があるので、この3本の指は誰でも気にかけると思います。しかし、人差し指と小指も、ボールを持つ上で大切な役割をしています。
実際投げるとわかりますが、ボールはそれなりに重みがあり、人差し指にもそれなりに過重がかかるため、投げ込んでいると人差し指を傷めてしまう人も多いのです。
ボールを持つ際の人差し指は、先の方で軽く持つのではなく、人差し指の付け根から指全体でボールを包むようにしっかりと持つように心がけましょう。そして投げる時に、人差し指が滑らないようにすると、狙ったコースに入りやすくなるでしょう。
また、ボールを持っている時に、小指をどうするか、という問題が残されていますが、これは指導者の間でも意見が割れているようなところがあります。
小指を浮かせないで投げると、人差し指が浮いてしまったり、逆に人差し指を意識すると、小指が浮いてしまったりして、自分の力をきちんとボールに伝えられない、ということが起こり得るからです。
小指に関しては、その人の体形やクセによって、浮かせて持ったり曲げて持ったりする人もいるので、ご自分で最適な小指の位置を見つけるとよいでしょう。
ストレートの投げ方
ボールの基本的な持ち方がわかったところで、ここからは実際の投げ方の解説に入ります。
ストライク狙いならブルックリンがベスト
ボウリングをするなら、やはりストライクを狙いたいものです。例えばストレートでストライクを狙うなら、どのコースを狙うべきなのでしょうか?
これはまず『ブルックリン』を狙うべきです。ブルックリンとは、右利きから見て1番ピンと2番ピンの中間のことで、これは左利きになると、1番ピンと3番ピンの中間ということになります。
正面をストレートに狙うよりも、あえて2列目に並んでいるピンを狙うことで、ほかのピンを巻き込みやすくなり、ストライクが出やすくなるのです。
構えてから投げるまで手首を固定する
ストレートでストライクを狙うには、まず構えた時から手首を動かさず、同じ角度を維持しながら指で押し出すように投げます。その時親指は12時の方向、中指と薬指は6時の方向に向くようにします。
手首の角度は、ボールを投げるまで同じ角度を維持できれば問題ないので、反っていてもまっすぐでもどちらでも大丈夫です。
フックボールの投げ方
フックボールとは、カーブのかかった投げ方のことです。ボウリングの場合は、カーブがかかったボールの方がより狙い通りに投げやすいので、上達してきたら挑戦してみましょう。
右から左にカーブするフックボール
先ほどもお話ししたように、フックボールはカーブがかかった投げ方ですが、より正確に説明すると、『最初はまっすぐだが、ピンに近づくにつれて曲がるボール』のことです。
最初は右側からスタートしても、最後は左側の方にボールが流れている、というイメージです。
持ち方は親指を曲げないように
カーブがかかったボールというと、手首を使って曲げるというイメージをする方もいるかもしれませんが、フックボールは手首ではなく、指をひっかけて回転を作る技法ですので、指が非常に重要になるのです。
特に、親指を指穴に入れると、中で指を曲げてしまう人がいますが、これをしてしまうと手首が固まり、上手くボールが手から離れなくなってしまいます。
フックボールは親指→中指→薬指の順に抜くようにボールを離すので、親指がスムーズに抜けるようになっていることが大切です。
投げる時は親指を10時の方向へ
ボールを構える時から、親指を10時の方向に向けるように意識し、投げるまでずっとその体勢を維持します。この時手首をひねりがちですが、ひねらずまっすぐに構えましょう。
より一層回転力を高めたいなら、構えの段階では親指を12時の方向に向け、投げる時に親指を抜きながら10時に移動させるようにしてみましょう。
カーブの種類は他にも2つ
カーブの種類はフックボールだけではなく、ほかにもいろいろあります。いわゆるカーブという技法は、フックボールとちがって最初にスタートした時から曲がり出す投げ方です。こちらも慣れてきたら是非挑戦してみましょう。
親指を抜いて投げるサムレス
ボウリングのカーブの技に『サムレス』というものがあります。サムとは英語で親指をのことで、サムがレス、つまり『親指が無い』という意味になります。
これは最初から親指を指穴に入れず、中指と薬指だけを指穴に入れて投げる方法であることから付いた名前です。
回転力がとても強く、親指だけを抜けば曲がるというシンプルな技法ですが、その分コントロールが難しく、ボールが暴走しがちになってしまうので注意が必要と言えます。
また、手首や肘への負担が大きいため、初心者が挑戦すると故障してしまうこともあります。この技法は中級者以上に方におすすめの技となっています。
手首のスナップを使ったローダウン
ローダウンとは、ボールに自分の力を最大限に伝え、大きな回転を生み出す技法です。プロボウラーの世界でもよく利用される技で、特に男子ボウラーがよく使います。
構える時は親指を12時、中指と薬指は6時の方向に向けます。ボールから指が抜けて、離れていくまではボールを抱え込むように持ちながらスイングを始め、ボールが体の真横に来たら重力に従って肘を伸ばすのです。
この時力まずに勢いをつけたままボールを離します。
この投げ方は、スイングの時に右足に全体重をかけるため、右足に大きな力がかかります。成功させるには、右足を鍛えることが重要な要素です。
シュート回転の投げ方もある
通常右利きの人がボールを投げれば、左に回転し、左利きの人が投げれば右に回転します。しかし、これを逆に回転させることも可能です。ここからはそんな技法について見ていきましょう。
バックアップはメイン投法には不向き?
ボールを逆回転させる技法のことをバックアップと言います。
ほとんどの人はまずフックボールを練習することから始まり、カーブになじんでいきますが、通常のカーブを覚えれば、ほとんどのストライクを狙えるので、バックアップを使う機会は少ないかもしれません。
ほかの技法に比べて使える技ではないので、メイン投法にする必要性はあまりないと言えるでしょう。
バックアップは親指を2時の方向に
バックアップを投げる際は、親指を2時の方向に曲げて投げる必要があります。
通常は10時の方向に向けますが、10時に比べて2時に向けることは親指の構造から言ってかなり不自然な向け方なので、手首が相当柔らかい人でないと負担がかかってしまい、故障することもあるのです。
バックアップは絶対やってはいけない技ではありませんが、積極的におすすめできる技法でもありません。
まさにボウリング革命 両手投げ
皆さんはボウリング場に行って、ボールを両手で投げている人を見たことがありますか?実は近年、両手投げをする人が増加しているのです。
急激に増える両手投げ人口
両手投げは、少し前まではいかにも慣れない初心者が投げるための技法というイメージがありました。
しかし、2015年ごろからプロボウラーの間でも両手投げをする選手が登場し、大会で優勝する選手も現れるなど、今では珍しい技でもありません。
最大のメリットは簡単に回転させられること
両手投げの最大のメリットと言えるのが、『ボールに簡単に回転をかけられる』ということです。
両手で投げることによって、親指を指穴に入れなくてもよくなり、親指の抜けの早さを考慮する必要がなくなったのです。カーブの鍵をにぎる親指の抜け具合を考えずに、回転がかけられるようになったことは画期的なことといえます。
両手使うことでバックスイングがやりにくくなり、スイングの勢いを使えなくなります。そこで投げる際は体を前傾姿勢にしてボールを下に落とすようなイメージで投げるのです。
中指と薬指でボールを持つ
両手投げでボールを持つ際は、中指と薬指でボールを支え、手のひら全体でボールを持つようにします。両手で投げることによって、片手で投げるよりも勢いがつき、スピード感も増していきます。
両手投げは、子どもやお年寄りなど、力のない人でも投げられるのが魅力ですが、本当に極めるには、体幹などのフィジカルを鍛える必要があります。
もし、この両手投げが今後の主流になった場合には、今のような『普通の人でもできるスポーツ』から『本当のアスリートのスポーツ』にしていく可能性もある技なのです。
自分にしっくりくる投げ方をぜひ検討を
ボウリングというのは、極めようとすると奥が深い競技です。誰でも気軽に始められるのに、本格的に挑戦することも比較的容易であることが、ボウリングの魅力といえるでしょう。
これらの技法の中で自分にしっくりくるものを見つけ、高スコアを目指しましょう。