ラグビーで有名なハカとは?踊る理由やその意味を詳しく解説

2019.03.07

ラグビーの試合でよく目にする『ハカ』という踊りですが、これはどのような意味を持つのでしょうか? ハカは試合前に踊ることで有名ですが、それ以外の場面で踊られることもあります。場面によって異なる意味を持つハカについて紹介します。

ハカとは?

ラグビーのニュージーランド代表は、ユニフォームが黒色であることから、『オールブラックス』と呼ばれています。

ニュージーランド代表が、ラグビーの試合前に行うパフォーマンスが『ハカ』という踊りです。この踊りはどんな目的で行われるものなのでしょうか?

ハカは、ラグビー以外のシーンでも踊られることがありますが、まずはハカのルーツについて紹介します。

マオリ文化とハカの関係

ニュージーランドには、『マオリ』という先住民がいました。この、マオリ族が昔から踊っていたのが『ハカ』です。体を激しく動かし、リズムに合わせて全員で踊るハカは、迫力がありとても見応えがあるパフォーマンスとされてきました。

ハカは、戦争前に士気を高めたり、相手を威嚇することを目的として、かつてマオリ族の人々が踊っていた伝統文化が現代に伝えられたものです。

険しい顔をしたり目を見開いたりする攻撃的な表情と力強い体の動き、全員で動きを合わせて踊る一体感がハカの特徴となっています。

威圧感のあるパフォーマンスが見所でもあります。ハカはマオリ族の伝統的な文化として、今もなお多くの人に知られています。

現代文化とハカの関係

昔は、相手を怖がらせることを目的として踊られていたハカですが、現代は違った目的で踊る場合がほとんどです。

現代におけるハカの目的は、『意志の統一』や『団結力の向上』となっています。全員が同じ振りをすることでチームに統一感が生まれます。

時には、会社においてもチームで親交を深めるために、ハカを踊る場合もあります。ラグビーの試合前に踊るのもこれと同じ目的です。

そのほかにも、ニュージーランドでは卒業式で踊ることもあります。国民の間で知らない人がいないハカは、大人数で盛り上がるのに最適な伝統文化で、セレモニーの場では欠かせない催しとなっています。

ラグビーにおけるハカ

ハカの由来や特徴についてまとめてきましたが、ラグビーにおけるハカにはどのような意味があるのでしょうか?

ラグビーの試合で踊るハカには、『統一感を持つ』『団結力を高める』という目的以外にもいくつかの目的があります。それを知った上でパフォーマンスを観ると感じ方が変わります。

また、ハカにはいくつかの種類があり、それぞれで振り付けや歌詞の意味が異なります。ハカが踊られる理由や、ニュージーランド代表が踊るハカの種類についてまとめていきます。

ニュージーランド代表が踊るハカ

ニュージーランド代表、オールブラックスが踊るハカには、『団結力を高める』『相手を威嚇する』という目的のほかに、『相手チームへの敬意』が込められています。

試合開始直前、ニュージーランド代表の選手は、自陣で三角形の陣形を作り、相手チームと向かい合います。そして、大きな迫力ある声を上げ、ハカを踊ります。

自分たちのひざや胸をチーム全員で合わせて叩くことで踊りの迫力が増します。相手への威嚇効果も絶大ですが、両チームに緊張感と闘争心が沸き起こるハカは、試合前の恒例行事として人気を集めています。

先導するのはマオリ族の選手が慣例

マオリ族のウォークライであるハカは、踊りに入る前に全員で声をあげるところからはじまります。チームで声をあげる前にそれを先導するのが、マオリ族の血を引く選手です。

先導する選手は、はじめ1人で声を上げ、チームの選手を奮い立たせます。そしてある特定の言葉を叫び終えたところから、チーム全員で声を合わせる踊りがはじまります。

現在のニュージーランド代表選手の中では、TJ・ペレナラという選手が先導役を務めることが多いです。

オールブラックスが踊るハカは2種類

オールブラックスが試合前に踊るハカは、2種類あります。『カマテ(Ka Mate)』と『カパオパンゴ(Kapa O Pango)』です。

試合の前には、このどちらかのハカが踊られるのですが、大切な試合で負けられないときにはカパオパンゴが踊られることが多く、普段の試合ではカマテが披露されることが多くなっています。

この2種類は、歌詞や振り付けがそれぞれ違うので、両方を見比べてみるとよいでしょう。

ハカの歌詞と意味

ハカは、独特の言語によって歌詞が形成されています。オールブラックスが踊るハカには、それぞれに歌詞があり、それには意味があります。

歌詞の意味を知ることで、伝統文化を知ることもでき、どのような気持ちでハカが行われていたのかを感じとることもできるでしょう。

それぞれの歌詞と意味を紹介するので、踊りと合わせてチェックしていきましょう。

カマテ(Ka Mate)

ハカの名前にもなっている『Ka mate』には『私は死ぬ』という意味があります。これは戦い前の士気を上げる意味合いが込められていると考えられます。

歌詞の中には、このKa mateと『Ka ora(私は生きる)』という言葉が繰り返される部分があり、選手たちの戦い前の鼓舞がよく伝わる部分となっています。

特にカマテは、ハカの中でも古くからあるもので、前述したように、マオリ文化から伝えられている伝統的な民族舞踏です。そのため、歌詞の内容も古くから伝えられているものが使われています。

カパオパンゴ(Kapa O Pango)

カパオパンゴは、ハカの中でも比較的新しく、2005年に初めて披露されました。

『Kapa O Pango』には『黒い服の戦士と、銀の羊歯』という意味があり、黒い服はオールブラックスのことを表し、銀の羊歯は、ユニフォームのマークである『シルバーファン』を指しています。

カパオパンゴは、試合の中でも特に重要な試合で披露されると言われており、オールブラックスのために作られた特別なハカとして選手や会場全体の士気を高めています。

ニュージーランド代表以外にもハカを踊る国

試合前にオールブラックスが踊るハカは有名ですが、ニュージーランド代表以外にもハカを踊る国があります、国別で特徴が異なり、見応えも違います。それぞれの国の特徴を見ていきましょう。

トンガ シピ・タウ(Sipi Tau)

トンガ代表が踊るハカは『シピ・タウ(Sipi Tau)』と呼ばれています。

トンガ代表はユニフォームが赤いため、ビジュアル面においても、オールブラックストは違った迫力のあるハカを楽しむことができます。

カマテやカパオパンゴに比べると踊りのスピードが早く、特に拳を地面に振り下ろすときの迫力は、ニュージーランド代表にも負けません。

サモア シヴァタウ(Siva Tau)

サモア代表が披露するハカは『シヴァタウ(Siva Tau)』と呼ばれています。カマテやカパオパンゴと同様に、一人の先導役に沿って踊りが行われます。

オールブラックスのハカよりもリズミカルでテンポが速いのが特徴的です。テンポが早く雄叫びにもスピード感がありますが、統一感がありハカそのものの迫力が衰えることはありません。

フィジー シビ(Ci bi)

フィジー代表が踊るハカは『シビ(Ci bi)』と呼ばれます。シビは、ハカの中でも踊る時間が一番短いのが特徴です。

選手は全員、顔の前で自分の両手をつなぎ、肘を立てて腰をおろします。その姿勢で相手に向かって雄叫びをあげて進みます。そして、最後に全員でジャンプし終了します。シンプルですが、一体感を感じることができる踊りになっています。

さまざまなシーンで踊られるハカの動画

各国がラグビーの試合で披露するハカの特徴を見てきました。では、ラグビー以外では、どんな場面で披露されるのでしょうか? 多くのシーンで踊られるハカの詳細についてチェックしていきましょう。

ラグビー界の英雄を讃えたハカ

ラグビーの世界的スーパースターとして有名なジョナ・ロムーという選手がいます。彼は、ニュージーランド代表として活躍した選手です。ディフェンダーを押しのけて前に進み続ける彼の姿は、多くのラグビーファンを虜にしました。

そんなロムー選手は、2015年に心筋梗塞により40歳の若さでこの世を去りました。そんなスター選手の死を受けて、彼の人生を讃えるハカが葬儀の際に行われました。

実際に試合で行われるハカよりも長く行われたこのハカは、試合前に行われるものとは違った、英雄を讃えるような印象を受ける感動的なハカです。

日本の下鴨神社で踊られたハカ

2018年5月、ニュージーランドの学生代表選手たちが、京都の下鴨神社に参拝に訪れた際、神前でハカを披露しました。

下鴨神社の厳かな雰囲気の中、迫力あるハカを披露する選手たちとのコントラストが魅力的で、ラグビーファンの間で盛り上がりを見せました。

19年は日本でラグビーワールドカップが開催されるため、オールブラックスのハカに対しても期待が寄せられています。

結婚式で踊られるハカ

ハカの特徴の一つでもある一体感と団結力の象徴は、結婚式などで披露される演目としても人気を集めています。

結婚式で行われるハカには、相手を威嚇するような意味合いは込められておらず、参加者や観客たちを楽しませたり感動させたりする目的があります。

動きもラグビーで行われるものに比べると自由度が高く、各々が自由に自分自身を表現するべく踊っているのが特徴です。

ハカを理解して敬意を持って踊ろう

ハカは、単なるラグビーの試合前の余興ではなく、ちゃんとした意味を持った伝統的な文化です。

2019年、日本でラグビーのワールドカップが開催されます。ラグビーの人気が上がるにつれてハカも知名度を上げていくと考えられます。

しっかりとその意味を理解して、敬意を持ってパフォーマンスを観ることができると、より楽しむことができるでしょう。

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