潮汐(ちょうせき)は、海釣りの成果を左右する大事な要素です。釣りに出かける前には、潮見表に掲載される潮汐情報を必ずチェックする習慣をつけましょう。潮汐や潮見表に関する基礎知識と、潮見に役立つアプリを紹介します。
釣りをするなら潮見表を参考にしよう
海では潮の流れや満ち引きといった、潮汐によって魚の行動が大きく変わります。釣果を上げるためには、潮汐をタイムリーに把握することが欠かせません。
潮汐を事前に確認したいときは、潮見表が参考になります。潮見表の見方を覚えることが、海釣り上達への近道と言えます。
潮見表とは潮汐を予測した表
潮見表は、毎日の干潮や満潮の時刻、潮位(海面の高さ)、干満差といった潮汐情報を予測してまとめたものです。タイドグラフや潮汐表とも呼ばれます。
潮汐表は海上保安庁や気象庁のホームページで閲覧できるほか、釣り場近くの売店などでもらえることもあります。
潮汐は海釣りには欠かせない情報なので、行きたい場所の潮見はすぐにチェックできるようにしておきましょう。
潮の動きは地域差がある。千葉と徳島の例
1日の潮の動きには、大きな地域差があります。たとえば2019年2月1日の潮見表を見ると、千葉県千葉市では1回目の満潮時刻が4時6分、潮位が152cmですが、徳島県小松島市では5時17分、117cmです。
また、同じ地域でも日によって潮の動きは変わります。千葉市では2019年2月2日の満潮時刻は4時38分と、たった1日で前日より32分も遅くなっています。
行きたいエリアと、日時に合わせた潮見表を用意することが大切です。
潮見表でわかる情報や、時合いの見方は?
次に潮見表の内容について、具体的にみていきましょう。月齢によって変わる潮の干満差と、毎日の干満のタイミングで、おおよその時合い(魚が餌をよく食べる時間帯)がわかるようになります。
大潮、小潮など潮の様子の情報
潮見表では大潮・小潮といった用語を使って、潮の干満の大きさを表しています。潮の干満差は月と太陽、地球の位置関係によって変わるため、満月や半月のような、月齢マークを使って表す場合もあります。
満月や新月前後の数日間は、潮の干満差がもっとも大きくなることから大潮と呼ばれています。潮の流れが強いため魚の活性が上がり、餌をよく食べるため釣りの狙い目とされています。
大潮が終わると潮の干満差はだんだん小さくなり、月が半月になる頃にはもっとも干満差の小さい小潮となります。大潮と小潮の中間期は、中潮と呼ばれています。
小潮の時期は魚の活性は低めですが、潮の動きがゆったりしているので、タイミングが合えば長時間釣りを楽しむことができます。
小潮の中でも最後の、干満差が一段と小さくなる日は長潮と呼ばれます。長潮が終わり、再び大潮に向かう時期は、潮が若返るということで若潮(わかしお)と呼ばれ、イカなどがよく釣れるようになります。
干潮時刻、満潮時刻
海では1日に、干潮と満潮を2回ずつ迎えます。満潮から干潮にむけて海面が下がっていく状態を下げ潮や引き潮、逆の状態を上げ潮や満ち潮と言います。
釣り場の状況や魚の種類によっては、下げ潮から上げ潮に変わったとたんに釣れなくなる、ということがよく起こります。
潮見表の干潮時刻と満潮時刻を参考に、自分がいる場所の潮の動きを確認することが大切です。
潮の動き始める時間を狙う
一般的に、魚は潮の流れが強いときほど活性が上がります。釣りに行くなら大潮のときがおすすめですが、いくら大潮の日でも、干潮や満潮の時刻になると潮の流れが止まり、釣れにくくなります。
再び潮が動き出すのは、潮見表に記載の干潮や満潮の時刻から1~2時間後です。釣りに出かけるときは、この時間を目安に出発するとよいでしょう。
便利なアプリ 潮汐なびの使い方
最後に、スマホで全国各地の潮見表をチェックできる便利なアプリ『潮汐なび』を紹介します。釣りや海のレジャーに特化した、わかりやすいインターフェイスが好評のアプリです。iPhoneとAndroidの両方に対応しています。
カレンダーで潮の様子をチェック
潮汐なびのカレンダー画面では、1ヶ月の潮回りを月齢マークとともにチェックすることができます。大潮や小潮といった潮の状態がすぐにわかるので、釣りの予定を立てやすくなります。
月と潮の関係
1日の潮の満ち引きは、海水が月の引力に引っ張られることでおこります。地球の自転によって月に近くなった海では、月に海水が引き寄せられて満潮となります。
その反対側の海も、逆に海水が取り残されてしまうため満潮です。そして残された海では海水が減って、干潮となります。
また、太陽にも月の半分ほどですが、海水を引っ張る力があります。地球と太陽と月が一直線上にならぶ新月や満月のときは、太陽と月の引力が重なってより多くの海水が引き寄せられるため、干満の差が大きくなります。
潮汐なびではカレンダーに月齢マークが表示され、このような月と潮の関係がとてもわかりやすくなっています。
地域ごとの潮見表を参考に
潮汐なびを使うと、全国各地の潮見表を瞬時に呼び出すことができます。潮見表のメイン画面には、潮汐情報のほかにも日の出と日の入りの時刻が表示されます。
1日の潮位の変化はグラフで表示され、現在時刻を赤線で示してくれるので、潮の動きが一目瞭然です。自分がよく行く釣り場や、気になる釣り場を3カ所まで登録できる、ブックマーク機能もあります。
潮は釣果を左右するポイントのひとつ
海釣りでは、潮汐が魚の釣れやすさに大きく影響します。潮汐が一目でわかる潮見表は、釣りの準備に欠かせない大事な情報のひとつです。
スマホやパソコンで手軽にチェックできるので、この機会に見方を覚えて使いこなしてください。