音楽編集の初心者向け基礎知識。用語や簡単に曲をつなげる方法など

2019.03.06

パソコンやスマホを使って、だれでも簡単に音楽編集にトライできる時代です。音楽編集の世界は独特な用語が使われるので、最初のうちは混乱するかもしれません。初心者向けに音楽編集の基礎知識と用語、簡単に曲をつなげる方法などを紹介します。

知っておきたい音楽編集用語

音楽編集の世界では、さまざまな専門用語が登場します。慣れればどうということはないですが、初心者のうちは混乱の原因になるかもしれません。基本的な用語を覚えておきましょう。

音楽編集、DTMとは?

DTM(デスクトップミュージック)はパソコンで制作する音楽を総称した言葉です。ボーカルや楽器演奏の録音、あらゆる楽器音の打ち込み、各楽器の音量のバランスを最適化するミキシングなど、制作の全工程をパソコンで完結できます。

曲が完成すると音楽ファイルに書き出して、iPhone等のデバイスで視聴したり、友人にメール添付で送ったり、YouTubeなどで世界に発信することもできます。DTMを始めるために最低限用意するものはパソコンと音楽制作ソフトです。

最近のパソコンの性能は大変優秀なので、快適に音楽制作をエンジョイできます。また、音楽制作ソフトはDAW(デジタルオーディオワークステーション)とも呼ばれます。色々なメーカーからリリースされており、フリーのDAWソフトもあります。

音楽の細かな調整を行うミックス作業

『ミックス作業』は、『ミキシング』『ミックスダウン』『トラックダウン』とも呼ばれます。具体的には、録音された各トラックの音量や音色のバランスを調整する作業を意味します。

CDに収録されている曲を再生するとボーカル・ギター・ベース・ドラム・キーボードなどの色々な音が同時に聴こえることで、曲が形成されていることが分かるでしょう。

各トラックは別々に録音されていますが、すべてが同時に奏でられるように編集し、細かい調整を加えて1曲に仕上げられます。ミックスとはこの調整作業のことです。

リージョン、その他エフェクト用語

『リージョン』とはDAWの操作の際によく使われる言葉で、DAWのプロジェクト内に表示されるデータを意味します。ただし、リージョンはDAWによって呼び方が変わります。

Singer Song Writerでは『データ』と呼ばれます。CubaseとStudio Oneでは『イベント』、SONARとProToolsでは『クリップ』です。

音楽ファイルの形式を理解しよう

音楽ファイル形式の種類はたくさんあります。音質を重視するのか、データ容量を優先したいのかによって、使用する音楽ファイル形式を使い分けるのが一般的です。またオーディオプレイヤーやスマホの機種によって、対応できるファイルが違います。

曲をダウンロードする際に『ビットレート』、つまり原曲の情報量に対してどの程度近い状態で取り込むかの割合を変更することも可能です。

ビットレートを高く設定すると情報量が多くなって、結果として音質がよくなります。ただしその分、データ容量が大きくなるので、ちょうどよいバランスを考える必要があるでしょう

よく使われる形式の種類

音楽ファイルには様々な形式があり、各形式には異なる特長があります。特長や相違点を理解すれば、楽曲のダウンロードをするときの参考になるでしょう。よく使われる主な音楽ファイル形式と特長は、以下の一覧表にまとめました。

ファイル形式名 拡張子 特長
MP3 .mp3 データサイズは原音の約10分の1

CDとほぼ同じ音質

ジャケット写真や歌詞を付けられる

AAC .aac .mp4 データサイズは原音の約10分の1

MP3より少しはデータサイズが大きく音質は良好

圧縮すると戻せない非可逆圧縮の形式

WAVE .wave Microsoftが開発したWindows向けの音声ファイル形式

非圧縮ファイルのためデータは重くCDとほぼ同じ音質

ジャケット写真や歌詞などは付けられない

AIFF .aif Appleが開発したMac向けのファイル形式

一度圧縮すると元に戻せない非可逆圧縮の形式

FLAC .flac データサイズは原音の約半分のハイレゾ音源の1つ

ジャケット写真や歌詞も付けられる

変換後に戻せる可逆圧縮の形式

形式の変換は簡単

音源のファイル形式の変換は、意外と簡単にできるものです。『音源のファイル形式変換用ソフト』を使えばすぐにできます。

無料ダウンロードできるソフトもあれば『オンラインコンバータ』、つまりweb上でファイル変換ができるソフトもあります。音質に関してはものによって違いはありますが、変換自体は手軽にできることを認識しておきましょう。

音楽編集ソフトの種類

DTMをするために必要となる基本ツールは『DAW』です。DAWは『Digital Audio Workstation』の略になります。DAWを含む音楽編集ソフトについて見ていきましょう。

DAWソフトが基本

DAWは「ディーエーダブリュー」と呼ばれたり、「ダウ」と呼ばれたりします。日本でも海外でも「ダウ」と発音するのが主流になっているようです。

DAWがあれば、WindowsやMac上での楽曲作成ができるのです。DAWは国内外の多くのメーカーがさまざまな製品を発売しています。

DAWがあれば、1人で楽曲ができますが、スタジオでのレコーディングに使うことも可能です。プロのアーティストのレコーディングや、オーケストラのコンサートのレコーディングでもDAWが使用されています。

波形編集に特化したソフト

DAWには非常に多様な機能が搭載されていて、単体である程度のことはできます。しかし、必要に応じてほかのツールも用いたほうが便利なこともあるでしょう。

DAW以外の代表ツールが『波形編集ソフト』です。波形エディタ・ウェーブエディタとも呼ばれます。文字どおり『オーディオの波形を表示させて編集する』ものです。単機能なので軽いのが特徴で、画面を拡大すればサンプル単位での編集も可能です。

『Audacity』など無料のソフトが多くありますので、気軽に利用できるツールと言えます。

動画も音楽も編集できるソフト

動画編集ソフトは、音楽編集にも使えるものがほとんどです。たとえば『RealPlayer』は動画や音源をトリミングでき、動画ダウンロードや再生もできれば他のファイル形式への変換もできます。

『トリミング機能』とは動画や音楽ファイルから欲しい部分だけを切り出し、別のファイルとして保存する機能です。

パソコンで音楽編集を始めてみよう

ここまで見てきたように、無料ソフトやオンラインソフトを使えば、誰でも手軽にDTMを始めることができます。ぜひパソコンで音楽編集を始めてみましょう。

必要なパソコンのスペックは?

DTM を始めるために、どの程度のパソコンのスペックが必要なのでしょうか。『CPU』『メモリ』『ストレージ』の機能性が重要になります。それぞれの機能性をしっかり把握しておきましょう。

『CPU』は頭脳に当たる部分で『コア』は頭脳の数を意味します。コアの数が多い方が、DAWで複数の音源・エフェクトを並列処理するのに向いているのです。

パソコンの作業データを一時保存するのが『メモリ』です。メモリが多い方が、より高性能のソフトを動かすことができます。

『ストレージ』は全データの保管庫なので、大量の音楽ファイルを管理したい場合はなるべくストレージが大きいパソコンを選ぶか、外付けハードディスクなどの『外部ストレージ』を利用しましょう。

ほとんどの場合、使いたいソフトの『推奨環境』『動作環境』などの項目に、必要なパソコンのスペックが表示されているので、それ以上のスペックを用意しましょう。

Macのメリットとデメリット

『Mac』は『iPad』や『iPhone』でおなじみのApple社が開発から発売までをトータルでおこなっているパソコンであり、Apple社以外からは発売されていません。

メリットとしてはすべての製品がApple製なので、機種によるソフトの対応・非対応の問題がほとんどないことです。

ただし『Windows』と比較した場合ですが、Mac対応のソフトが現時点ではちょっと少なめの感があり、それがデメリットになります。

Windowsのメリットとデメリット

『Windows』はMicrosoft社が開発したWindows OSがインストールされたパソコンの総称であり、Macと違って色々なメーカーから発売されています。

パソコン本体はカスタマイズが可能で自由度が高いので、Macに比べて比較的安く購入できるのがメリットです。

しかし、Macとは違って機種別に内蔵されたマザーボードやチップのタイプが異なるので、ソフトとの相性によってはうまく動作しないケースもあるのがデメリットです。

GarageBandを使った音楽編集のやり方

iOSとmacOS用の音楽制作無料アプリ『GarageBand』を使えば、楽器があってもなくても、楽曲の制作・編集ができ、共有も簡単です。GarageBandでの音楽編集のやり方を解説します。

iPhoneやiPadでも標準搭載のアプリ

iOS用の『GarageBand』を使えば、どこにいても簡単に音楽を録音・編集そして共有できるのです。多種多様な音源をタップで操れます。

サウンドライブラリも活用でき、多くの無料音源やループパックを選んでダウンロードできます。iPhone、iPad、iPod touchで好みのスタイルの楽曲が作れるのです。

GarageBandで曲を読み込もう

Mac版のGarageBandの使い方を解説します。まずは『表示』から『メディアブラウザを表示』をクリックします。

次に『オーディオ』をクリックして、PC内から音楽ファイルを探し、ファイルをトラック領域にドラッグすれば、曲の読み込みができます。

フェードアウト、曲の一部をカットする

音楽編集用語の『フェードアウト』とは、音をだんだん小さくすることで『フェードイン』は逆に音をだんだん大きくすることです。GarageBandを使ってフェードイン&アウト、曲の一部カットなどをする手順を説明します。

『ミックス』から『オートメーションを表示』を選択すると、周波の色が暗くなり、音量をあらわすグレーの線が表われます。

この線は音量のグラフのようなものです。この線が上に行くと音量が大きくなり、下に行くと音量が小さくなります。フェードインしたいところで線が上昇し、フェードアウトしたいところで線が下降するようにしましょう。

線上をクリックすると点が追加できるので、点をドラッグして移動させることによって線を曲げて、自由に上下させることができます。

複数の曲を結合

フェードインとフェードアウトを組み合わせて、2つの音源を結合させることもできます。『クロスフェード』と呼ばれ、曲と曲のつなぎ目をなめらかにできるのです。2つの曲を読み込み、曲と曲の重なる部分を編集します。

4つのポイントを追加し、それらポイントの位置を調整してフェードイン・アウトを作ります。1曲目をフェードアウトさせつつ、2曲目をフェードインさせるのです。

Windows10対応、WavePad音声編集ソフト

WavePadは、初心者でも簡単に『プロ並み』の音楽編集ができる人気ソフトです。無料版もあるので早速インストールして、使ってみましょう。

ソフトをインストールする

非常にシンプルで使いやすいソフトですが、プロのサウンドエンジニアにも使われている高性能ソフトでもあります。

音声の分割・録音という基本作業はもちろんとして、リバーブ・エコー・イコライジングなどのエフェクトや、ノイズ除去などの音楽編集に必要な作業を、簡単に実行できます。

曲の読み込みから保存までの流れ

曲を読み込み、保存するまでの手順を解説します。

  1. 『ファイル』から『既存のファイルを開く』をクリックして、PC内から曲のデータを探して読み込む
  2. 音楽編集をする
  3. 『編集』から『音声タグ』をクリックし、タイトルやアーティスト名を入力する
  4. 『ファイル』から『名前をつけて保存』をクリックし、出力する形式を選んで保存する

ボーカルの音量減少も可能

既にある音声・音楽ファイルを加工して、ボーカルの部分だけ音量を小さくすることも可能です。

手順は『エフェクト』タブを開き、『音声』ボタンをクリックし、次に『ボーカル減少』を選択するだけです。

ただしオリジナルのファイルがステレオ録音されていることが条件です。なぜならWavePadは、ステレオ音声の左右を比べて、その波形の違いを利用してボーカルを消しているからです。

目的に合ったソフトを選ぼう

DTMの普及で本当に潤沢に、ソフトが選べる時代になっています。自分のやりたいコンセプトに見合うソフトを選ぶために、主なソフトの特色を紹介します。

初心者に最適 Sound Forge Audio Studio

『Sound Forge』は25年以上にわたり業界の標準ツールの座を保っているオーディオ編集ソフトです。録音・編集・変換・エフェクト追加・ノイズ除去、音楽CD作成などオーディオに関わるさまざまな機能を搭載しています。

Sound Forgeでできる主なことは、以下のとおりです。

  • アナログ音源をデジタル化
  • ハイレゾ品質のオーディオ録音やマスタリング
  • 音声ファイルの編集やノイズ除去
  • 音楽ファイルの形式変換
  • ボーカル音声のピッチ調整
  • クロスフェードの自動作成
  • 動画ファイルの音声のみ編集

価格もお手頃で、操作もわかりやすいので、初心者にも適したソフトと言えるでしょう。

  • 商品名:Sound Forge Audio Studio 12
  • 価格:5980円
  • ソースネクスト:商品ページ

プロ愛用の本格ソフト Cubase

『Cubase』はプロも使っている本格ソフトです。DAWソフトの中で大きいシェアを占めています。プラグインの形で多くの機能を簡単に追加できるのも強みです。

追加できるのは高品質なドラム音源データや、エフェクターなどで、プロの演奏顔負けの表現を簡単に表現できるのです。

無料体験版もありますので、まずは自分にあっているかどうか試してみるのもよいかもしれません。

  • 商品名:Cubase Elements 10
  • 価格:1万2960円
  • 公式サイト:商品ページ

音楽編集は大人の趣味におすすめ

便利で使いやすい音楽編集ソフトを駆使すれば、自分のセンスを最大限に生かした音楽編集が、いつでもどこでも手軽にできるのです。音楽編集は、大人にとって素晴らしい趣味としておすすめできます。

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