2019年はラグビーワールドカップが日本で開催されます。これによって国内でのラグビーへの注目度も高まるでしょう。これに伴い、トップリーグの試合日程が大幅に変更されています。19年トップリーグの試合日程や内容などについて解説します。
ラグビートップリーグとは?
ラグビー初心者にとっては、『ラグビートップリーグ』についてよく知らない人も多いのではないでしょうか?
ラグビートップリーグは、2003年に東日本・関西・西日本の各地域リーグを統合して、日本ラグビーのトッププレーヤーを育成し強化する目的のために創設されました。
創設当初は、全国の参加チームは12チームでしたが、13年度には現在の16チームまでに拡大しています。トップリーグ創設によってトップチーム同士が切磋琢磨し、プレー水準・トッププレーヤーの質が高められるようになりました。
また、 世界レベルで活躍できるプレーヤーの育成にも役立っています。ラグビートップリーグについて詳しく解説します。
上位のチームが争うトーナメント大会
2019年度のラグビートップリーグの参加チームは、昨年度の優勝チームである神戸製鉄を筆頭に、『サントリー』『ヤマハ発動機』『トヨタ自動車』『NTTコミュニケーションズ』『パナソニック』『クボタ』を含む全16チームの名前が上がっています。
トップチャレンジリーグとの昇降格制度を採用しているため、トップリーグでの年度下位2チームはトップチャレンジリーグへ降格、トップチャレンジリーグ上位2チームはトップリーグへ昇格します。
リーグ戦とカップ戦
ラグビートップリーグには、『リーグ戦』と『カップ戦』があり、それぞれ違いがあります。
リーグ戦は、全16チームを2つのカンファレンスに分けて、それぞれのチームはほかのチームとそれぞれ1回戦ずつ全7試合(1回戦総当たり)を行います。
そして、カンファレンスの順位に応じて8チームで順位決定戦を開催し、その結果が年度の最終順位となります。
一方で、カップ戦は、日本代表に選出されなかった選手たちで行われる大会で、11月と1月に行われます。
16チームを4チームずつ、4プール(グループ)に分けて各プールでリーグ戦同様に1回戦総当たりのプール戦を行います。そして、各プールの順位に応じて順位ごとのトーナメントが行われます。
カップ戦での4 つのプールは、前年度の順位により決められるため、リーグ戦もカップ戦もトップリーグではどちらも大事な試合です。
ワールドカップにより日程変更
2019年9月20日より約1カ月半もの間、ラグビーワールドカップが日本で開催されます。
母国で開催されるため、日本代表選手たちが結果を残せるように通常のラグビートップリーグの試合日程を『大幅に変更』しています。
そのため、ラグビーファンの人は試合日程をよくチェックしておきましょう。19年度のラグビートップリーグの試合について解説します。
リーグ戦は開催されない
18年度では8月31日から開催されていたリーグ戦は、19年には開催されません。この期間に、ちょうどワールドカップが開催されるからです。
ただし、19年度にリーグ戦が開催されないというわけではありません。ワールドカップ終了後の『20年1月から』開催される予定です。
2019年の開催日は?
19年にトップリーグの公式戦であるリーグ戦は開催されませんが、日本代表選手以外の(主に若手選手などの)試合出場機会を確保するために、カップ戦が行われます。
カップ戦の開催日は、『6月22日~8月10日まで』です。
トップリーグカップ2019の内容
2019年のワールドカップ前に日本のラグビーのトップリーガーたちの試合を観戦したい人もいます。そんな人は、『トップリーグカップ2019』の応援に訪れてみましょう。
初心者にもわかりやすくトップリーグカップ2019について解説します。
チャレンジリーグと合同の24チームが参加
トップリーグカップ2019には、トップリーグ16チームだけでなく、その傘下にあるトップチャレンジリーグ8チームも加わった全24チームで試合が行われます。
トップリーグとトップチャレンジリーグが合同での試合を行うのは、今大会が初の試みです。
普段からトップリーグで活躍するチーム以外にも、実力をつけて来年度からはトップリーグに昇格するかもしれないトップチャレンジリーグの試合との闘いが楽しみです。
4プールに分けた総当たり戦
参加する24チームは、6チームごとのプールA〜Dの4グループに分けられます。そして、各チームはプール内のほかのチームと1回戦ずつ(計5試合)の総当たり戦をします。
各プール1位チームの決勝トーナメント
総当たり戦の結果に応じた各プール1位の全4チームが決勝トーナメントに進み、順位を決定します。
これにより、全24チームの頂点にたつ優勝チームが決定するのです。
プール組み分け
プール組み分けは、前年度のリーグ戦での順位によって組み分けされるため、2019年度のプール分けは、2018~19年シーズンの成績に基づき、上位から抽選で振り分けられました。19年度の組み分け表は下記のとおりです。
プール名 | プールA | プールB | プールC | プールD |
チーム名 | サントリー | ヤマハ | トヨタ | 神戸製鋼 |
パナソニック | NTTコム | クボタ | リコー | |
ホンダ | 東芝 | キヤノン | NEC | |
日野 | サニックス | コーラ | 豊田織機 | |
栗田工業 | NTTドコモ | 三菱重工 | 近鉄 | |
清水建設 | 九州電力 | 釜石 | マツダ |
2020年からは新リーグへ
ラグビートップリーグは、ワールドカップ終了後の2020年度から『新リーグ』に移行する方針を固めました。主な変更点は下記の4点です。
- リーグの運営事務局を一般財団法人に変更
- 各チームごとに ホームスタジアム化する
- アジア各国での試を開催する
- ホーム&アウェー方式の2回戦制をとる
これらの変更は、ワールドカップで盛り上がった日本のラグビー界をより盛り上げていくことを目的としています。
これらの変更点について詳しく解説します。
地域に密着した運営に
2020年より、ラグビーチームを地域に密着した運営に変え『地域密着度の高い』新リーグへと開幕します。これによって、各チームのホームスタジアムが明確になります。
今まで運営してきたリーグ運営事務局を一般財団法人へとして独立させ、一般企業からの入会を募集し、地名をチーム名に盛り込み一般のファンの増加をねらいます。
その反面、今まで支えてきた企業名を消すことで、企業からの反発もあるでしょう。
Jリーグのように企業名を消して、地域の人々に愛されるラグビーチームを目指すことで、より長期的なラグビーファンの獲得が期待できます。
ホームアンドアウェーの2回戦方式
前年度のトップリーグは、2カンファレンス制で行われていましたが、20年以降の新リーグ体制では、本拠地のスタジアムを設定するリーグ戦を『ホームアンドアウェー方式』の2回戦方式で行います。
ホームが明確になることで、選手・ファンともにスタジアムに愛着が持てる点がメリットです。
また、各チームがホームスタジアムを持つことで、チームがチケット販売などで収入を集めやすくなることや、ファンサービスや普及・育成の強化も期待できます。
賛同も多い一方で懸念も
各チームでの現在の運営費は、年間10~15億円といわれています。企業がラグビーチームを維持するには、『企業の運営状況』が大きく影響する可能性は決して低くありません。
そういった面からも、新リーグへの変換によって、入場料を取流という方法も検討されています。観客の観覧によって興行的な魅力を高めることに対して、多くのチームが賛同しています。
しかし、これには日本ラグビーフットボール協会が、よりリーダーシップを発揮して、ビジネスモデルの詳細を早急に作成することが不可欠です。
企業の負担が減ることを明確にしないと、単にリーグ名が変わるだけになってしまうのでは?との懸念もあるからです。
トップリーグのチケット購入方法
トップリーグを観戦したいけれど、どうすれば観戦できるのかわからない人もいます。まず、トップリーグを観戦するためには、観戦したい『試合のチケットを購入』しましょう。
チケットは、主に当日試合会場へ訪れてから購入する方法と、事前にインターネットなどを利用して購入する方法があります。
トップリーグのチケット購入方法を紹介します。
チケットの料金一覧
トップリーグのチケットは、主に中央席とそれ以外のエリアの自由席の2種類に分けられます。
チケットの料金は、中央席と自由席、また年齢や試合会場などの条件によってもそれぞれ料金が異なります。
会場別チケットの料金は下記のとおりです。
開催会場 秩父宮・ユニバ・ノエスタ・花園 | ||
チケットの種類 | 料金(税込) | |
前売り | 当日 | |
SS指定席 | 4000円 | 4500円 |
S指定席 | 3000円 | 3500円 |
S指定席 小中高 | 1500円 | なし |
自由席 一般 | 1800円 | 2000円 |
自由席 小中高 | 500円 | 700円 |
自由席 ペア | 3000円 | なし |
上記以外の開催会場 | ||
チケットの種類 | 料金(税込) | |
前売り | 当日 | |
中央席(エリア内自由) | 2500円 | 3000円 |
中央席 小中高 | 1200円 | なし |
自由席 一般 | 1800円 | 2000円 |
自由席 小中高 | 500円 | 700円 |
自由席 ペア | 3000円 | なし |
試合が秩父宮・ユニバ・ノエスタ・花園の4カ所で開催される場合と、それ以外の場合で前売りチケットの料金は変わりません。
しかし、秩父宮・ユニバ・ノエスタ・花園では、中央石部分はすべて指定席エリアとなっており、そのエリア内の場所に応じてランク分けされた料金が設定されておりほかの会場に比べると高額です。
4カ所以外の試合会場では、中央席はエリア内自由席なので比較的中央席でもリーズナブルな料金で試合を観戦できます。
当日並ばなくてOKの前売り券
当日、試合会場へ訪れて並んでチケットを購入するのが面倒な人は、前売り券の購入がよいでしょう。
前売り券の方が当日券よりも安く設定されていますが、チケットの料金以外にシステム手数料・発券手数料・配送手数料などの手数料がかかるので注意しましょう。
手数料無料の会場発券
手数料を取られずにチケットを購入したい人は、当日試合会場を訪れてから『会場発券機』を利用しましょう。
会場発券機ならば、手数料は無料です。しかし、すべての試合会場に会場発券機が設置されているわけではありません。秩父宮ラグビー場を中心とした一部の会場でしか利用できないので、事前に確認してから訪れましょう。
また、人気の試合などでは、会場発券機の長蛇の列に並ばなくてはならない可能性もあります。会場発券機を利用する場合には、早めに試合会場へ向かうようにすると安心です。
トップリーグのお得なチケット入手法
トップリーグのチケットをお得に購入できる方法はあるのでしょうか?
少しでも、お得にトップリーグを観戦したい人におすすめの『トップリーグのお得なチケット入手方法』を三つ紹介します。
ペアチケットはお得
指定席や当日販売では販売されていませんが、自由席の前売り券には『ペアチケット』という種類のチケットが販売されています。
このペアチケットは、大人2人で試合を観戦する場合、通常前売り大人1人1800円×2=3600円のところ、2人で3000円で購入できるため、1人当たり1500円でチケットを購入できるのでお得です。
事前に購入したい試合が決まっており、大人2人以上で訪れる場合にはペアチケットを上手に活用しましょう。
JRFU会員になる
『JRFU』とは日本ラグビーフットボール協会のメンバーズクラブです。JRFUの会員になると、ジャパントップリーグで利用可能な試合の観戦チケット(席種は一般自由席、会員有効期限まで有効)を2枚もらえます。
また、そのほかにも日本代表戦や日本選手権、大学選手権など対象試合のチケットを割引価格や先行発売にて購入できるなどのさまざまな特典が利用できるので、ラグビーファンならば会員になっておきましょう。
18歳以上の男性ならば、入会金1000円(税込)と年会費3500円を支払えばメンバーズ会員に登録できます。
トップリーグファンクラブに入る
全16チームあるトップリーグの中で、お気に入りのチームがある人はその地のファンクラブに入るのも一つの方法です。
トップリーグファンクラブの会員になると、会員価格でそのチームが出場する公式試合のチケットが購入できたり、無料チケットがもらえるなどの特典があります。
また、チケット以外にもオリジナルグッズのプレゼントやファンイベントへの参加などの特典も魅力的です。
ラグビーを観戦する際のマナー
最後に、ラグビーを観戦する際のマナーを紹介します。ラグビーを楽しく観戦するためには、マナーがとても大切です。
マナーを知らないと、自分でも気づかないうちに違反して、周りの人に不快な思いをさせてしまうかもしれません。
思わぬトラブルの発生にもなりかねませんので、ラグビー観戦に行く前には、しっかりとマナーを理解しておいたほうがよいでしょう。
ラグビーを観戦する際のマナーを三つ紹介します。
過度な席取りはやめよう
指定席では、自分のチケットの場所に座るのが当たり前です。しかし、ラグビーでは自由席が多く、特に席が決められていないこともあり、実際の利用人数よりも多く席を確保している人も見かけます。これは、マナー違反なのでやめましょう。
また、注目されている試合などでは、より観戦しやすい席を確保するために試合開始時間よりもかなり前から席取りをすることもあります。
もちろん、実際に座る人数分の席を確保するのはOKですが、張り紙やロープなどを利用して大量に席を確保することはやめましょう。
また、席を確保したからといって、席からずっと離れているのではなく、基本的に自分の席には座っておくようにしましょう。
ラグビー会場に訪れる多くの人が楽しく観戦するために、自由席も譲り合って座ることが大切です。
キックのときは静かに見守る
ラグビーでは、トライ後やペナルティー時のゴールキックなどのキックシーンでは静かに見守るのがマナーです。
日本ラグビーフットボール協会でも、キック時は静かにするように注意を促しています。これは、キック時に観客のヤジやブーイングなどによってキッカーの集中を妨げる可能性があるからです。
応援しているチームのキックシーンでない時は、できれば外してほしいという気持ちも出てくるかもしれません。しかし、それを口に出すのはNGです。また、たとえ敵チームのキックであっても、頑張っている選手たちを邪魔する行為は許されません。
キック時には、ブーイングしたり、大きな声を出したりはしないようにしましょう。そして、キックが成功したら、拍手や歓声などをあげて選手ととも喜ぶことが大切です。
野次を飛ばさない
ラグビーに限らずスポーツ観戦では、ミスした選手やレフリーに対して大きな声で野次を飛ばす人が少なからずいます。特に、お酒が入ってしまった場合には、声が大きくなりがちです。
やじについては全てがNGというわけではありませんが、自分応援している選手に対してもやじが聞こえれば、誰しもいい気分はしないでしょう。
独り言のように言っていても、周りには聞こえています。やじが原因で観客同士の思わぬトラブルに発展することもあるので、やじを飛ばすのはやめましょう。
また、あまりにもやじがひどい人を見かけたら、直接注意するのではなく、近くにいる係員やスタッフなどに注意するように頼みましょう。
また、敵チームの選手であれ、相手がナイスプレーをした場合には、拍手を送ることも忘れないようにしましょう。ラグビー観戦では、敵味方関係なくナイスプレーをほめる精神も楽しみましょう。
トップリーグの試合を楽しもう
2019年には、ラグビーワールドカップが日本で開催されることもあり、さらなるトップリーグの活躍が期待されます。
熱気あふれるトップリーガーたちの試合を、間近で応援することで、ラグビーの魅力を体感してみましょう。