シェイクスピア作品は何がすごいのか。ポイントやおすすめ作品を紹介

2018.07.31

シェイクスピア作品は世界文学のスタンダードとして今も読み継がれ、教材としても使用されています。ここではシェイクスピア作品のすごさやポイントとあわせて、シェイクスピアの生い立ちや、おすすめ作品も紹介します。

シェイクスピアとはどんな人物?

英文学に興味のない人も、『ウィリアム・シェイクスピア』の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

シェイクスピア作品の素晴らしさを見る前に、まずはシェイクスピアとはどんな人物なのかを紹介します。

イギリス生まれの劇作家

シェイクスピアは1564年、イングランド中部の『ストラトフォード・アポン・エイボン』で生まれたと言われています。

地域の名士であった父のもとに生まれたおかげで、シェイクスピアはきちんとした教育を受け、のちの戯曲に活用されるラテン語やラテン演劇に触れることができました。

18歳で結婚したのち、シェイクスピアがロンドンの演劇界に現れたのは1592年ごろのことです。

当時の劇作家が彼のことを『成り上がり者の烏』と記述している資料もあり、シェイクスピアは当時のロンドンの演劇界において、すでにそれなりの地位を築いていたことがわかっています。

1616年に亡くなるまで、多くの有名な作品を発表しましたが、どれも優れた文学作品として現在でも高く評価されています。

シェイクスピアが残した代表作一覧

シェイクスピア作品の中で代表的な10作品を一覧にしました。内容はわからなくとも、タイトルは知っている、聞いたことがある作品は多いのではないでしょうか。

  1. ハムレット
  2. オセロー
  3. リア王
  4. マクベス
  5. 夏の夜の夢
  6. 十二夜
  7. ヴェニスの商人
  8. お気に召すまま
  9. じゃじゃ馬ならし
  10. ジョン王

最初の4つは『4大悲劇』と呼ばれる代表的な作品です。5つめから9つめは代表的な喜劇、つまりコメディ作品です。最後の『ジョン王』は歴史的な事実を題材にした『史劇』です。シェイクスピアはイギリスの歴史を題材にした作品を多く残しています。

シェイクスピア作品のすごさ

シェイクスピア作品がすごいというのは知っていても、どんな部分がすごいと言われているのかご存知でしょうか。ここでは、シェイクスピア作品がなぜ高い評価を受けているのか見てみましょう。

現代英語の成立に大きな影響を与えた

シェイクスピアの作品は、英語教材として広く使用されています。これはシェイクスピアが『英語そのもの』に大きな影響を与えたためです。

例えば『マクベス』に出てくるマクベス夫人(Lady Macbeth)という単語は、英会話では『She is more ambitious than Lady Macbeth(彼女はマクベス夫人より野心家だ)』などと使われます。

このような表現の意図を正確に把握するには、オリジナルとなるシェイクスピア作品への理解が欠かせないことがわかるでしょう。

シェイクスピア作品が英語教材として積極的に取り入れられているのは、英語を使ううえで欠かせない言い回しや単語が、多数含まれているからです。

作品の中で新しい言葉が生まれるのも特徴

シェイクスピア作品が英語に大きな影響を与えたと言われているのは、現在使われている英語の中に、シェイクスピア作品以前には存在しなかったものが多くあるからです。

例えば『Love is blind(愛は盲目)』というフレーズはシェイクスピアの『ヴェニスの商人』で登場したセリフですが、シェイクスピアが編み出した表現です。

またラテン語に語源を持つ『critical(批判的な)』という単語は、シェイクスピア作品の『オセロー』で使われた言葉ですが、これもシェイクスピアが考案した単語だといわれています。

このように英語にはシェイクスピア作品から生まれ、現在も広く使われているフレーズや単語がたくさん散らばっているのです。

映画化を含め今なお各国で舞台上演される

シェイクスピア作品の多くは、今でも映画化されたり舞台上演されたりしています。『ハムレット』や『リア王』などは、古典名作として絶えず上演され続けています。

シェイクスピア作品を原作とする作品は900以上あると言われていますが、国や時代背景などにアレンジを加えたものを加えると、その数はさらに増えます。

例えば映画『ウエストサイドストーリー』は『ロミオとジュリエット』の設定をベースとしています。また、黒澤明の『乱』は、リア王を戦国時代に置き換えた作品です。

シェイクスピア作品は、現代映画やドラマにも大きな影響を与えているのです。

名言や格言でも知られる

シェイクスピア作品にはたくさんの名言や格言があることでも知られています。

例えば『生きるべきか、死ぬべきかそれが問題だ(To be, or not to be: that is the question)』はハムレットの中のセリフですが、演劇史を代表する名言として知られています。

また、見かけだけで人や物を判断してはならないという意味の格言『光るもの必ずしも金ならず(All that glitters is not gold)』も、人々を戒める言葉として広く使われているので、ご存知の人も多いでしょう。

この他にも以下のようなセリフが有名です。

  • 「最悪だと言えるうちは最悪ではない」(The worst is not, So long as we can say, ‘This is the worst’)―『リア王』より
  • 「この世は舞台、人はみな役者である」(All the world’s a stage, And all the men and women merely players)―『お気に召すまま』より

シェイクスピアが生み出した名言は本当に数多く、今でもたくさんの名言が語り継がれています。他の名言を知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

シェイクスピアの名言を紹介。彼の作品から学ぶ人生に役立つ言葉とは

多くの人の心を掴んだ作品のあらすじ

シェイクスピア作品に興味を持った人は、ぜひ作品を手に取ってみてください。ここでは多くの人の心を掴んだ作品のあらすじを紹介します。

悲劇で有名な『ロミオとジュリエット』

結ばれない悲劇の恋を描いた有名な作品が、1595年ごろ作成されたと言われる『ロミオとジュリエット』です。

敵対関係にある家同志のロミオとジュリエットが恋におち、修道僧の力を借りて駆け落ちを試みますが失敗します。最後は2人とも自殺するというストーリーです。

『おお、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの』というのは良く知られたセリフなので、知っている人も多いのではないでしょうか。

喜劇やロマンス劇に分類される『テンペスト』

1612年ごろ初演されたと言われる、シェイクスピアの喜劇、ロマンス劇が『テンペスト』です。

ミラノ大公の地位を追われ娘と孤島に暮らしていた主人公は、復讐を果たすため、妖精の魔力を借りて嵐を起こします。

彼らを孤島に漂着した敵の息子と、主人公の娘との恋模様などを挟みつつ、最後は主人公が敵を許し、一同と共に帰国します。その際魔力を利用していた妖精も解放してやり、大団円を迎えます。

晩年のシェイクスピア作品にみられる『和解』のテーマがはっきりと見え、ラストでほっとできる喜劇作品です。

お金の教訓が得られそうな『ヴェニスの商人』

友人から結婚資金を無心された主人公が、強欲の金貸しから『返せない時は自分の肉1ポンドを渡す』という条件で金を借りてしまいます。その後、主人公の財産を乗せた船が沈み、借金の返済ができなくなってしまいます。

約束通り肉を差し出すことを迫られますが、なんとか友人の婚約者の機転により救われます。主人公は金貸しがキリスト教に改宗することを条件に恩赦を与え、すべてを水に流します。

この物語を読むと、簡単にお金を借りない・無茶な契約はしないという教訓も得られます。

舞台化、映画化で人気のシェイクスピア作品

前述のとおり、シェイクスピア作品は、何度も舞台化、映画化されていますが、その中から2つの作品を紹介します。

『ヘンリー五世』

イングランド王・ヘンリー五世の生涯を描いた史劇『ヘンリー五世』は1989年に、イギリスで、ケネス・ブラナー監督・脚本・主演で映画化されました。

世界中で何度も上演されるほど人気が高く、作品内のセリフは多数の映画やドラマに使われています。

特に第4幕の『聖クリスピンの祭日の演説』は迫力があり心に強く残る内容です。

『夏の夜の夢』

代表的な喜劇である『夏の夜の夢』も、マイケル・ホフマン監督の手による1999年の映画など、何度か映像化されています。

森の妖精・職人・貴族たちの恋愛のドタバタを描いた喜劇で、恋人同士だったはずの登場人物たちが、『目を覚まして最初に見た者に恋をする』という薬に惑わされる話です。

次々と心変わりをする様がおかしく、物語の結末が気になって引きつけられる内容です。

読んでおきたい4大悲劇の作品

シェイクスピア作品の中でも4大悲劇と言われるのがハムレット、オセロー、リア王、マクベスです。シェイクスピア作品を知る上で欠かせない作品なので、ぜひチェックしておきましょう。

『ハムレット』

『ハムレット』は、父王を殺され、母と王位を叔父に奪われたハムレットが復讐を果たすという物語ですが、ハムレットをはじめ、登場人物のほとんどが死んでしまうという悲しい結末が印象的です。

1996年にケネス・ブラナーの監督・脚本・主演で映画化もされています。

『オセロー』

『オセロー』は、シェイクスピア4大悲劇の中でもキャラクターの心の動きがわかりやすいと言われており、物語の内容がとてもストレートに伝わってきます。

ヴェニスの軍人オセローが妻の不貞を疑い殺してしまうが、実は敵の策略だったと知り、自殺してしまうという悲しいストーリーです。1995年の映画でご存知の人も多いでしょう。

『リア王』

『リア王』は、ブリトン人の伝説の王『レイア』がモデルといわれています。

年老いたリア王が、3人の娘に国土を分配しようと考えます。リア王は3人の娘に、自分をどれほど愛しているかを語らせますが、末娘の語った言葉が気に入らず、国から追放してしまいます。

結局、長女と次女に裏切られて国を追われたリア王は、末娘と共に戦うことになります。イギリスでは何度もテレビドラマ化され、大変人気のある作品です。

『マクベス』

『マクベス』は、4大悲劇の中で最後に書かれた作品です。強く賢いマクベス将軍が、妻と共謀して主君を殺し王位につくものの、暴君となったため、最後は貴族や王子たちに討伐されてしまうという物語です。

モデルは実在したスコットランド王・マクベスですが、作品に描かれているほどの暴君ではなく、シェイクスピアによってかなり脚色されているようです。

シェイクスピア作品を読むのは大人の教養

シェイクスピア作品は古典文学なので、とっつきにくいイメージがあるかもしれません。しかし、シェイクスピアの作品は、卓越した心理描写と状況描写が見事で、現代人が読んでも十分楽しめる内容です。

また、現代の多くの作品に影響を与えているので、最新の映画やドラマに対する理解も深まります。大人の教養としてシェイクスピア作品を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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