お気に入りのバッグが壊れたり、汚れたりして使えなくなったときは、あきらめずに修理店に相談してみましょう。ファスナーなどの部品から、ちょっとしたほつれやシミなど、細かいところも丁寧に修理してくれる専門店を紹介します。
バッグは自分で修理できる?
使いやすくお気に入りのバッグは、使用頻度が高いぶんだけ、壊れてしまうリスクも大きくなります。もしもバッグが壊れてしまった時にはどうすればよいのでしょうか?
自分で修理しようと無理をするとかえって破損がひどくなることもあるので、できるだけ専門家に修理してもらうのがおすすめです。
汚れがついたときも、自己判断で拭いたり洗ったりせずに、早めに相談すればきれいになる可能性が高くなります。
可能だが、技術は必要
糸のほつれを処理したり、マグネット等の部品を交換する程度であれば、バッグの修理は自分でもできます。道具も縫い針や接着剤、ニッパーなど、自宅にあるもので充分です。
とはいえ、修理の際は慎重に作業しないと、ほかの箇所を傷つけたり、汚したりする恐れがあります。
もう少し大掛かりな修理になると、専門の道具や高い技術が必要です。取っ手交換を例に、修理に使う道具と具体的な方法をみていきましょう。
取っ手交換の例
古くなった取っ手を取り替えるときは、最低でも新しい取っ手となる革などの材料、カシメ(持ち手を本体に留める金具)、カシメ用の打ち台と打ち棒、金づち、ニッパーなどが必要です。
バッグに裏地があるときや、取っ手の素材を縫い合わせるときは、針と糸も用意します。革を縫う場合は、針穴を開ける目打ちもあると便利です。
裏地の縫い目をほどいたら、ニッパーでカシメを抜き取り、古い取っ手を外します。新しい取っ手の穴にカシメをセットして打ち台に置き、打ち棒を金づちでたたいて取り付けます。
最後に、裏地をきれいに縫い合わせれば完成です。簡単そうに見えますが、カシメをまっすぐに打ち込んだり、革を縫ったりするのは意外と難しいので、慣れないと失敗する可能性があります。
カシメを打つ道具などを購入する手間を考えると、修理店に依頼するほうが楽と言えるでしょう。
修理店だと細かい部分も補修可能
バッグの修理店には、さまざまな修理用パーツや専用の道具が揃っています。ファスナーや金具、取っ手の素材なども豊富にあるので、バッグに合うものを選んで使えるのもメリットです。
取っ手の傷んだ部分だけを補修したり、ファスナーの引き手だけを交換したりなど、細かい依頼にも柔軟に対応してくれます。
傷や汚れは早めに相談しよう
シミや汚れは洋服と同じで、時間が経つほどきれいに落とせる可能性が低くなります。汚れに気付いたら、早めに修理店やクリーニング店に相談しましょう。
また、傷がつくとその場所からどんどん劣化してしまうため、こちらもできるだけ早く修理することをおすすめします。
ブランドバッグのアフターサービスの内容は?
ブランドのバッグには、アフターサービスが受けられるものがあります。ブランド専属の職人が、同じ素材を使って修理してくれるので、安心して任せられます。
そんな有名ブランドのアフターサービスについて、詳しくみていきましょう。
お店が都市の中心的な駅にあることが多い
アフターサービスは店頭で受け付けているほか、修理センターに電話して申し込むことができます。ただし電話だと細かいニュアンスが伝わりにくく、不安に思うこともあるでしょう。
ブランドショップは全国都市部の大きな駅前などに出店していることが多いので、自宅や会社から近い方は、店舗に足を運んでみましょう。簡単なものなら、その場で修理してもらえます。
修理に行ったついでに、新作をチェックするのも楽しいかもしれません。
純正素材で修理が受けられる可能性あり
ロゴが刻印されたものや、ブランドオリジナルの形状のパーツは、違うものと交換すると全体の雰囲気が変わってしまうことがあります。
アフターサービスではほとんどの場合、ファスナーやハンドルなどの金属パーツはブランド純正のものを使って修理してくれます。
このような箇所を修理したいときは、ほかの修理店に行く前に、1度アフターサービスに問い合わせてみてください。
修理箇所確認後に見積もりが提示される
高級ブランドのアフターサービスは、信頼できるとはいえ、費用が心配になります。具体的な費用は修理箇所や使う素材によって変わるため、先に修理箇所を確認してから、正確な見積もり金額が提示されることになっています。
金額に納得できたら依頼すれば良いので、まずは電話などで相談してみましょう。
全国に店舗のある、便利なミスターミニット
ミスターミニットは、靴やバッグの修理、合鍵の作製などを行う専門店です。全国の駅前や商業ビルの中に出店しているので、壊れたらすぐに修理に出せます。
ミスターミニットで対応している、主なバッグ修理の値段を紹介します。(価格はすべて税別です。)
破れ、ほつれの修理の値段
革が切れたり破れたりした部分を補強する場合、1カ所につき8000円からとなります。ほつれ部分の縫い直しは、4000円です。
値段は補修部分の面積によって変わり、最低料金が適用されるのは、破れの場合は縦と横の合計が25cm以内、ほつれは20cm以内となっています。
それ以上大きな破れや、値段が表記されていない修理については、スマホで写真を撮り、ウェブサイトから送信すると詳しく教えてくれます。
金具、ファスナー交換の値段
カシメやナスカン、マグネットなどの金具は1カ所につき5000円から交換できます。ファスナーの場合、スライダーだけなら7000円、全体ですと60cmで1万3000円です。
ミスターミニットでは修理箇所が2つ以上ある場合、最も高い箇所を1つ目として、2つ目以降は半額になります。たとえば取っ手の破れを補修し、マグネットを交換するときは8000円+2500円=1万500円です。
靴とバッグの修理店 | [全国に約300店]MISTER MINIT
カフェ併設の鞄店 伊藤鞄製作所の修理サービス
東京都足立区にあるバッグメーカー、伊藤鞄製作所では、ショールームにカフェを併設しています。大きな公園の目の前にあり、ランチやデザート、アルコール類まで揃っていて、のんびりした時間を過ごせます。
修理の工房も同じ場所にあり、すぐに終わるような簡単な修理の場合、待っている間にコーヒーか紅茶を1杯サービスしてもらえますよ。
バッグ作りの職人が丁寧に修理してくれるのはもちろん、バッグ製作用の在庫を使って、新しい部品を作製してもらうこともできます。
新たに持ち手や引き手を作製
伊藤鞄製作所では、さまざまなバッグを自社で生産しているため、素材やパーツが豊富に揃っています。持ち手や引き手などは、補修するだけでなく新たに作ってもらうことも可能です。
オリジナルの風合いにそっくりの素材を使って、新しく作ったとは思えないほど自然な仕上がりになりますよ。
縫い方を選べる修理
伊藤鞄製作所は全ての工程を自社の工場で行っているため、修理の自由度が高いことも大きなポイントです。
常備してある材料を使って修理費用を安く抑えたり、持ち手や裏地をオリジナルと違うイメージにしてもらったり、さまざまな要望に応えてくれます。
ちなみにファスナーの引き手は、新しく作製すると1個2000円以上かかりますが、工場の在庫から選ぶと1個200円で交換できます。
ほかの店では対応できない難しい修理も受け付けてくれる可能性が高いので、困ったときは一度相談してみると良いでしょう。
配送での修理にも対応
遠方に住んでいる人も、インターネットで修理を依頼できます。ウェブサイトの受付フォームに必要事項を入力し、メールで修理箇所の写真を送ると、見積もり金額を連絡してもらえます。
修理代金に関わらず、返送料は無料となっています。送るときだけ送料を払えば良いので、交通費をかけて店舗に行くより、安く済むこともあるでしょう。
都内や横浜に3店舗 シャングリラ
シャングリラは恵比寿と五反田、そして横浜に店舗を構える靴とバッグの修理専門店です。交換や補修だけでなく、革の染め直しやクリーニングも行っています。
店頭やインターネットで修理を依頼できるほか、場所によっては自宅に引き取りに来てもらうこともできます。
内袋の修理はさまざまな生地で対応可能
バッグの内袋が合成皮革の場合、傷んでくるとボロボロに剥がれたり、手触りがベタベタしたりして、使いにくくなります。中身が汚れる恐れもあるので、早めに交換しましょう。
シャングリラの内袋修理は、本来の生地以外にも本革やナイロン生地など、さまざまな生地に対応しています。ポケットのファスナーやタグなどは、可能な限り再利用しているため、オリジナルの雰囲気を損なう心配が少ないのもポイントです。
外側と同じ革にして高級感を出しても良いですし、オリジナルとまったく違う色のナイロン生地にするのも楽しいですね。
依頼方法は3つ
シャングリラでは、下記の3つの方法で修理を受け付けています。
- 店舗に持ち込む
- 郵送する
- 訪問サービスを利用する
郵送の場合は、ウェブサイトからオーダーシートをダウンロードし、必要事項を記入して修理品に同梱するか、相談フォームを使って画像を送り、見積もりを出してもらいます。
訪問サービスとは、コンシェルジュが自宅まで来て、修理の相談に応じるサービスです。その場で詳しい修理内容や費用を説明してくれるので、とても簡単でスピーディーです。
訪問サービスは、現在、東京都内の一部エリア(目黒区・渋谷区・港区・品川区・世田谷区・新宿区・中央区・千代田区)で実施しています。
傷や汚れは頼れる職人に相談
お気に入りのバッグが壊れたり汚れたりしたときは、すぐに専門店に頼ることをおすすめします。職人の確かな技術で、きっと満足の仕上がりとなるでしょう。
本当に気に入ったバッグというのは、見つかりそうでいて、なかなか見つかるものではありません。しっかりメンテナンスをして、末永く愛用しましょう。