ビールの原料って何が使われているの?それぞれの原料の役目は?

2019.03.01

仕事帰りや休みの日など、私たちが日々美味しく飲んでいるビール。しかし原料には何が使われているのか、把握している人は意外と少ないのではないでしょうか?そこでビールに使われている原料や、原料がビールにもたらす影響、さらにビールの製造工程などを解説します。

ビールって何からできているの?

ビールの主な原料は麦芽、ホップ、水、酵母の4つです。ただし国の文化や法律によって、副原料というものが使われることもあります。

自分が飲んでいるビールにどんな原料が使われているかは、商品のラベルに明記されています。

ビールの原料

ではビールに使われている各原料にどういう役割があるのか、順にみてみましょう。

麦芽は味を決める

麦芽とは麦を水に浸して発芽させたもののことです。基本的に大麦が使われており、ビール麦やビール大麦と呼ばれる二条大麦が用いられています。

日本では関東や九州など幅広い地域で育てられていますが、原価を安くするために、大半はカナダやオーストラリアなどから輸入した品質の良い大麦を使っています。

なぜ二条大麦が使用されるのかというと、二条大麦は以下の理由でビール製造に適しているからです。

  • 大粒で粒の大きさや形が等しい。
  • 穀皮が薄い。
  • でんぷん含量が多く、タンパク質が適切
  • 発芽力が等しく、さらに旺盛。
  • 麦芽にした際、酵素力が強い。
  • 麦芽の糖化が簡単で、エキスの発酵性に優れている。

ホップは香りと苦み

ホップとは「セイヨウカラハナソウ」という、つる性植物の花のことです。ホップを原料にすることで、以下4つの効果をもたらしてくれます。

  • ビール特有の苦味と香りを付加
  • 麦汁のタンパク質を沈殿・分離させ、液体をクリアにする
  • 雑菌の繁殖を抑えて腐敗防止。
  • ビールの泡もちを向上

このように、ホップはビールには外せない重要な原料です。

またホップには、アロマホップとビターホップという2種類があります。

アロマホップはビールの苦みを薄くし、さわやかな匂いにします。

対してビターホップは、ビール最大の魅力ともいえる独特な苦味をもたらします。

ホップは東北地方など涼しい地域で栽培されていますが、現在の日本ではドイツ・チェコなど、海外からの輸入ものを多く使用しています。

発酵するための酵母

パンの原料としても使われている酵母(イースト)は、 真菌類に属する単細胞の1種です。

酵母が穀類に含まれる糖を分解して、炭酸とアルコールを作り出し、ビール特有のうま味や泡を作り出します。

酵母も他の原料同様、ビール造りには必須で、酵母の種類によってビールの味や香りは変わります。

酵母にはラガー酵母とペール酵母という、大きく分けて二種類のものがあります。しかし細かく分類すれば数百種類にも及びます。

アサヒやサッポロなど各ビールメーカーは、数百種にも渡る酵母を所有しており、製造するビールによって酵母を使い分けているとされています。

主成分のほとんどを占める水

ビールのほとんどは水が占めています。そのため水がビールに与える影響は大きく、原料には無色透明で無味無臭な水が求められます。

ビール工場を建設する際は、ビール造りに最適な水を得られる立地を重要視するほどです。

また原料にする水の種類や産地によって、味も明確に変わってきます。

日本で販売されているような淡色ビールには軟水が適しており、ギネスなどの濃色ビールには硬水が適しているとされています。

ビールの副原料って?

ビールには先ほど紹介した4つの原料以外に、副原料というものを使うことがあります。

副原料は大麦の代用品として使用されることが多く、小麦やライ麦、オート麦など。日本では米やトウモロコシが用いられています。

さらに良い匂いや隠し味をつけるためにハーブや果物、スパイスなどが副原料として使われることがあります。

なぜ日本が副原料である米やトウモロコシを使うのかというと、主に2つの利点があるからです。

  • 米やトウモロコシの方が低コスト
  • 酒税法関連(麦芽使用率25%以下で発泡酒扱いとなり税金が安くなるため)

ビールはどうやってできるの?

ビールの原料が分かったところで、ビールの作り方についても触れてみましょう。

製麦、仕込み

まずは二条大麦を溶けやすく、分解しやすい状態の麦芽に調整する「製麦」の工程を紹介します。

製麦

  • ホコリやゴミをしっかりと取り除く
  • 浸麦槽で水分を含ませ、発芽室で適度に発芽
  • 熱風により乾燥させる

ビールのクリアな黄金色や匂いなどは、この工程で生まれます。

仕込み

  • 麦芽と米などの副原料を粉砕し、お湯と混ぜ合わせる
  • 適切な温度で一定の時間保存する
  • 酵素の働きででんぷん質は糖分になり、糖化液の状態に変化
  • ろ過した後にホップを加え煮沸

この時に加えたホップは、ビールの特徴である苦味などをつけ、ビールの液体を透明なものに変化させます。

発酵、貯酒、ろ過

  • 5℃に冷却した熱麦汁に酵母を入れ、発酵タンクに移す
  • 一週間ほどで酵母が麦汁中の糖を取り込み、アルコールと炭酸ガスに分解
  • 貯酒タンクに移動し、0℃くらいの低温で数十日間熟成させる
  • 熟成が終わると、ろ過され完成

製麦・仕込みから、ろ過までは約2~3ヶ月間もかかります。

私たちが日々飲んでいるビールですが、膨大な日数や労力がかかって製造されているのですね。

瓶、缶に詰める

出来上がったビールを、瓶や缶、樽に入れて出荷します。

ポイントとして、ビールが酸素に触れないよう、徹底された管理下でこの作業は行われます。

美味しいビールが大量の瓶や缶に注がれる様は迫力がありますが、これから紹介する工場見学で、実際に眺めることができます。

もっと知りたくなったらビール工場へ

このようにビールの製造過程を知ると、実際の光景を見たくなりますよね。実はビールの製造工程を見学できる施設が多数存在します。

ビールの工場見学は未成年の方でも参加できますので、家族旅行や子どもの自由研究のために連れて行くという手もありますよ。

全国各地でビール工場見学ができる

日本各地に存在するビール工場の内、工場見学ができるところを厳選して2箇所紹介します。

【東京都】サントリー武蔵野ビール工場

実は東京都内で唯一ビール見学ができる貴重な工場です。

「ザ・プレミアム・モルツ」発祥の地というだけあって、リッチかつ迫力のある製造工程をガイドさんの説明付きで見られます。

また大企業の工場だけあって、安全性などにも気を配っているため、子どもだけでなくお年寄りの方でも安心です。

見学料は無料というだけでなく試飲も可能で、お土産コーナーも充実。さらにシャトルバスも出ているため、非常におすすめです。

【大阪府】アサヒビール吹田工場

大阪府に住んでいる方なら、こちらのビール工場がおすすめです。

意外と知られていませんが、アサヒビール発祥の地は大阪府の吹田市。この工場はアサヒビール初の工場です。

この工場の注目すべきは、操業開始した明治24年当時の建物をそのままの姿で見ることができる点です。

予約制で人気がありますが、費用は無料です。さらに試飲も可能。

1年を通してさまざまなイベントが開かれていますので、機会があればぜひ寄ってみてください。

ビールは原料次第で味が変わる

ビールは意外とシンプルな原料でできていることがわかりましたね。ビールの原料がわかると自分好みのビールも探しやすいかもしれません。

いつもは原料まで気が回らなかったという方は、ぜひ一度瓶や缶のラベルをチェックしてみてください。

ビールの製造工程などをさらに知りたくなった人はビール工場へ行ってみましょう!

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