写真のフィルムの基本。美しいアナログ写真ができるまで

2019.02.27

フィルムカメラで撮ったアナログ写真は、デジカメやスマホなどで撮影している写真とは違う素敵な魅力があふれています。そんなフィルムカメラについて、ここでは基本的な知識と写真ができるまでの流れを紹介していきます。

レトロで美しい、フィルムの魅力とは?

デジタル製品の急激な進化につれ、フィルムカメラを使っている人は全盛期に比べると減ってしまいました。ですが、今でも根強い人気を集めています。

近年、スマホで撮った写真をフィルムで撮ったように加工するアプリもあるくらい、デジタルカメラでは表現することができないフィルムカメラ独特の魅力が評価されています。

ここからは、フィルムカメラの魅力について迫っていきます。

フィルムでは味わい深い写真が撮れる

フィルムカメラの一番の魅力は、写真が『味わい深い雰囲気』に仕上がるという点です。フィルムカメラで撮影した写真には、どこかレトロで温かみのある空気感が漂います。

デジタルカメラに比べ画質が粗いことが理由でもありますが、独特の雰囲気と空気感はフィルムカメラにしか出すことができない個性です。

フィルムが記録される仕組み

写真を撮るとき、何気なくファインダーを覗きシャッターを切りますが、フィルム写真の仕組みはどのようになっているのでしょうか。

フィルムに景色などが記録される仕組みは、人間の目の仕組みと似ています。フィルムカメラでは、レンズを通った光がフィルムに当たることで撮影したものが記録されます。

光が当たったフィルムを現像することで、写真ができるのです。

フィルムカメラとデジタルカメラの違い

現像された写真の雰囲気以外に、フィルムカメラとデジタルカメラの間にはどのような違いがあるのでしょうか?

一番大きな違いは『仕上がりをすぐに見られるかどうか』という点です。

デジタルカメラやスマホで撮影した写真のデータはすぐに確認することができますが、フィルムカメラでは、現像という作業をしない限り写真の仕上がりを見ることができません。

また、カメラ自体が近年だとあまり売られていないという特徴もあります。その分、お気に入りのフィルムカメラが見つかったときには愛着が湧くので、自分にぴったりのカメラを探すのも楽しみの1つです。

フィルムは種類によって表現が変わる

自分のイメージしている写真を撮影するためにフィルムからこだわっていくのも、フィルムカメラ独特の楽しみ方です。フィルムカメラでは、使うフィルムによってでき上がる写真の印象がガラッと変わります。

一般的に使われているフィルムから特定のイメージを表現しやすいフィルムまで、いくつかのフィルムを紹介していくのでチェックしてみましょう。

フィルムの王道 カラーネガフィルム

フィルムの中で最も使用されている頻度が高く、かつ入手もしやすいのが『カラーネガフィルム』です。カラーネガフィルムとは、撮影した写真をプリントして楽しむためのフィルムのことを指します。

いろいろな種類が販売されているのに加え、値段も比較的安く入手できるのも使いやすいポイントです。フィルムカメラの中では一般的なフィルムのため、どのカメラ店でも、比較的すぐに現像してもらうことができます。

鮮やかな色彩表現が可能 カラーポジフィルム

フィルムをそのまま鑑賞することもできるのが『カラーポジフィルム』です。このフィルムでは、写真が反転していない状態でフィルムに記録されます。

カラーポジフィルムは、プロジェクターでスクリーンなどにフィルムを投影して鑑賞することを目的に作られたフィルムです。

カラーネガフィルムに比べると値段は少し高くなりますが、フィルム自体に写真が投影されている様子は、まるで宝石のようで、それだけでも見ていて面白いでしょう。

白黒の芸術的世界 モノクロフィルム

フィルムカメラファンの間で依然として根強い人気を誇っているのが『モノクロフィルム』です。モノクロフィルムはその名の通り、白黒の写真を撮影するために使用するフィルムです。

モノクロフィルムを使用すると、被写体の形を美しく表現した写真に仕上げることができます。白黒で表現された世界はどこか趣があり、芸術的な印象を与えてくれます。

現像専用の薬品や現像タンクを自分で用意すれば、お店に行かずにフィルムを現像することもできます。

サイズが違えば印象も異なる

ここまで、フィルムカメラの種類ごとの特徴を紹介してきましたが、フィルムカメラは、使うフィルム『大きさ』によっても写真の仕上がりが変わります。

具体的にどのような変化が起こるのか、代表的な2つのサイズの特徴に迫ります。自分のイメージを表現しやすいフィルムを使い分けると便利です。

躍動感ある 35mmフィルム

比較的入手がしやすく、かつ現像してくれるお店も多いのが『35mmフィルム』です。35mmフィルムは値段も手頃なため、フィルムカメラ初心者は、このサイズのフィルムから始めることをお勧めします。

12枚撮り・24枚撮り・36枚撮りの3種類が展開されていますが、24枚撮りか36枚撮りを購入するのが無難でしょう。35mmフィルムで撮影された写真では躍動感も生まれるので、動きのある写真を撮影したい人にもおすすめです。

色合いが美しい 中判サイズ120フィルム

大判カメラと35mmカメラの中間に位置する中判カメラで使われるフィルムを『120フィルム』と言います。120フィルムは別名、『ブローニーフィルム』という名前でも親しまれています。

120フィルムでは、使用するカメラによって撮影できる枚数が決まってしまうため、35mmフィルムに比べると一度に撮影できる枚数は少なくなります。

ですが画質を優先した写真を撮ることができるので、色合いの美しい写真を仕上げることができます。

フィルムが写真になるまで

デジタルカメラやスマホと異なり、フィルムカメラでは『現像』という工程を経ない限り撮影した写真を見ることができません。この現像とは一体どのような作業で、どのようにしてフィルムから写真はでき上がっているのでしょうか。

ここからは、フィルムが写真として仕上がるまでの流れを紹介していきます。

フィルムから現像への流れ

前述してきたように、フィルムカメラでは現像という工程を経て写真にします。

フィルムカメラで使用するフィルムの表面には『乳剤』と呼ばれる、光に当たると化学変化を起こす素材が塗られています。

レンズを通してフィルムに当たった光(景色)が、この乳剤と化学反応を起こすことで、撮影した光景をフィルムに記録しています。

フィルムはそのままの状態だと、記録された景色を見ることができません。それを薬品で処理して見えるようにする作業が現像です。

現像をする前にフィルムに光が当たってしまうと、撮った景色と違う光が上書きされてしまうので、フィルムの取り扱いには注意が必要です。

現像とプリントの違い

一見、現像とプリントは同じ意味のように感じてしまいますが、実は全く違います。『現像』は、先ほど紹介したように、フィルムを薬品につけて化学反応を起こす作業のことを指します。

それに比べて『プリント』は、現像を経てでき上がったフィルムを紙に印刷することを指しています。

現像した写真は引き伸ばしができる

現像したフィルムの魅力の1つに、フィルムサイズよりも大きい紙に『写真を引き伸ばすことができる』という特徴があります。

フィルムの状態から現像を経て写真になる一連の流れを、英語表記したときのそれぞれの頭文字をとって『DPE=現像(Development)、プリント(Printing)、引き伸ばし(Enlargement)』と呼びます。

繊細なフィルムの保存

フィルムの保存は、デジタルカメラなどのデータの保存とは比べ物にならないくらい繊細です。

日光が当たっただけで、当たった部分の写真が消えてしまったり、何かと保存が大変なフィルムですが、そんなフィルムの保存方法について紹介していきます。

フィルムはカビが生えたり劣化しやすい

フィルムは、実は日光に弱いだけではなく湿気にも弱いです。もちろん、カビが生えたら写真に現像することができなくなってしまいます。

湿度が70%を越えてしまうとカビが発生しやすくなってしまうため、梅雨の時期などは注意しなければいけません。風通しの良い場所に置いたり、乾燥剤と一緒に保管するなど、保存するときには気を使うようにしましょう。

家にあるフィルムはデジタル化する

デジタルとは少し縁遠い存在であるように思えたフィルムカメラですが、フィルムをデジタル化して保存することができる機器が発売されています。それが『フィルムスキャナ』です。

フィルムスキャナを使用すると、フィルムをデータ化して保存しておくことができます。スキャンしたデータでは、埃の除去や色彩の補正もできるため、非常に便利です。

ただし、それだけ便利な分値段も高めです。安くても2万5000円〜6万円くらいするので、それでも利便性を優先したいという人におすすめのアイテムです。

インターネットサービスや写真屋を活用

フィルムをデジタル化する作業を業者がやってくれるサービスもあります。ネット注文でデジタル化サービスを行っている業者や、町のカメラ屋、家電量販店などでもデジタル化してくれるところがあります。

どちらも専用の機器を買うよりは手頃な値段なので、日常的にフィルムカメラを使う人でなければこのようなサービスを利用してみるといいかもしれません。

フィルム写真はかっこいい

現在もなお、根強い人気を集めているフィルムカメラは、独特の個性ある写真を楽しむことができます。現像した写真は雰囲気があり、どれもオシャレでかっこ良く仕上がります。

現像をしなくては仕上がりが分からないというのも魅力の1つなので、デジタルカメラに飽きた人や新しい趣味を探している人は、フィルムカメラを始めてみてはいかがでしょうか?

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